はざまの庵

分類し難い存在を愛でる覚え書き by aiwendil お気軽にコメントをどうぞ。

ポアンカレ予想。

2007-10-22 22:24:08 | お知らせ
ただ今、NHK総合で、なんと、ポアンカレ予想の番組が放映されています!
NHKスペシャル「100年の難問はなぜ解けたのか~天才数学者 失踪の謎~」と題して、数学上の世紀の難問ポアンカレ予想にまつわるもろもろを映像を駆使してイメージ的にわかりやすく紹介。
さまざまな数学的トピックや数学者たちのドラマが描かれています。
なかなか面白いです。
数学や数学的な概念、奇想伝奇の好きな方にはおすすめです!

追記:再放送日程は、2007年10月24日(水)  深夜【木曜午前】0時20分~1時19分 NHK総合
だそうです。
見逃した方、録り逃した方はチャンス!

追追記:数学は敬遠したいけれど数学者たちの世界に興味をお持ちの方へおすすめの本2つ、ご紹介。

「ペトロス伯父とゴールドバッハの予想」。
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数論の世界の難問「ゴールドバッハの予想」に取り憑かれた数学者の数奇な人生を、これまた数学的センスに恵まれた甥の目を通して描いた物語。甥と叔父の織りなすドラマと知的好奇心をくすぐる内容が面白い良書かと。
上記NHK番組に登場したペレリマンの心境がほんの少し理解できる鍵になるかも。

「博士の愛した数式」
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=hazamanoiori-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4101215235&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>
書店員おすすめランキングや映画化で一躍有名になった感動話本ですが、こちらも数学者を扱った内容。
同じく数論寄りの話題が多数登場します。「ペトロス伯父と~」を読んでから読むと、また理解が広がるかも。


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
番組とは全く関係のない話ですが、aiwendilさまの... (うずら)
2007-10-22 22:45:16
番組とは全く関係のない話ですが、aiwendilさまの書く「~の好きな方にはおすすめです」のコメントが好きです。いつも、どんな方々に勧めるのかが楽しみです。
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バシッと観ていました、NHKスペシャル。 (白パン)
2007-10-22 23:37:46
バシッと観ていました、NHKスペシャル。
自分は(理系にあこがれる)文系人間ですが、とてもわかりやすくて目が離せませんでした。
宇宙は最大で8つの図形から成っていて、
宇宙を一周させたロープを回収できたら宇宙は概ね丸いと言える、というくだりとか、
テレビの前でおぉっ!って言っちゃいましたよ。
不勉強で知らなかった知識を見せつけられたのと、
それが自分にも理解できたのとに驚いたわけです。

最後は、なぜか涙が出てきました。
緻密に作り込まれているにも関わらず息苦しくなかった。
クオリティの高い番組だと思いました。
短編映画みたいな感じもしました。

観終わってaiwendilさんの実況おすすめを偶然見つけ、これまたびっくり。
うれしくなったのでコメント残していきます。



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>うずらさま (aiwendil)
2007-10-27 01:29:20
>うずらさま
図書委員歴が長かったせいか、レビュー癖がついてしまって困りものです(笑)。
以前、キュレーターみたいだと言われたことを思い出しました。

>白パンさま
数学は究極の科学で、しかも容赦ない才能の世界なのですが、極めれば極めるほど哲学の世界に近づいてゆくような気がして興味深いです。
サイモン・シンの「フェルマーの最終定理」だったか「暗号解読」だったかに分野の特徴を示すこんな小話があった(はず)なので紹介しておきます。

あるとき、イギリスの化学者と物理学者と数学者が列車でスコットランド旅行に出かけた。
車窓から見える羊が黒いのを見て化学者がこう言った。
「ほう、スコットランドの羊は黒いのか。」
すると物理学者が言った。
「いやそうじゃない、スコットランドにいる羊のうちの少なくとも一頭は黒い、ということだ。」
化学者と物理学者が険悪なムードになりかけたとき、ずっと黙っていた数学者がふと歌うようにこう言った。
「スコットランドには少なくともひとつの原っぱがあって、そこに羊のように見える動物がいる。そして、その動物のすくなくとも片側は黒いのさ。」

なかなかうまいとこを突いた小話だと思います。
なお、記憶に頼っているゆえ多少脚色が入っているかもしれませんが、あしからず。
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地球からロケットに乗り、そのロケットに長い長い... (catbird)
2007-11-02 20:07:28
地球からロケットに乗り、そのロケットに長い長いロープを付けて、宇宙のありとあらゆる所を旅行する設定です。そして、旅行が終わり地球に辿り着いた時、手元にはロープの始まりと終わりの両端があります。そのロープの両端を持ったまま離さないで、ロープ全体を手元に引き寄せます。そして、ロープが全て手元に引き寄せられた時、この宇宙はおおむね丸いと言えるか、という問題でした。宇宙が仮にドーナッツ形であれば、ロープは穴に引っかかって引き寄せられません。トポロジーでは、形は自由に伸ばしたり縮めたり出来、その様に加工して同じ形になれば、同じ形と考えます。物には色々な形が有ります。ドーナッツ形も在れば、ドーナッツの途中に1つの結び目のある形などさまざまな形があります。そこで、この問題では、ロケットに付けたロープを長い円柱形と考えてみましょう。ドーナッツ形は、ロープ(=円柱形)の両端をくっ付けた形です。ドーナッツの途中に1つの結び目のある形は、ロープで1つの結び目を作り、両端をくっ付けた形です。円柱形のロープをいろんな風にぐるぐると絡ませた上で、その両端をくっ付けることで、異なる形を作ることが出来ます。そのロープの絡ませ方で異なる形になり、その絡ませ方は無限です。しかし、ロープの両端をくっ付けない限り、そのロープは複雑に曲がりくねってはいますが円柱形であり、伸ばしたり縮めたりすれば、結局球体になります。ロープの両端をくっ付けて初めて、球体とは別の形になるのです。円柱のロープの中心に、一本の赤い紐があるとします。円柱のロープの両端をくっ付けてしまうと、途中でどの様にぐるぐるとロープを絡ませても、中心にある赤い紐の両端を離さずには、赤い紐全てを引き寄せることは出来ません。ロープの両端をくっ付けない時のみ(=球体である時のみ)、赤い紐の両端を離さずに引っ張って、赤い紐全てを手元に引き寄せられます。ロープを宇宙に見立てると、その時宇宙(=ロープ)はおおむね丸い(=球体に加工できる)といえます。
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NHK番組を見て考えました。ご感想をお寄せくだ... (catbird)
2007-11-18 15:47:19
NHK番組を見て考えました。ご感想をお寄せください。ポアンカレ予想とは『地球からロープを付けロケットに乗り、宇宙を旅行する。そして、地球に帰った時、ロープの両端がある。そのロープの両端を離さないで、ロープ全体を引き寄せられた時、この宇宙はおおむね丸いと言えるか。』という問題です。例えばこの宇宙がドーナツ形であれば、ロープは穴に引っ掛かり回収出来ません。これは3次元閉多様体(3次元の縁の無い繋がった一枚の面)の中で、球体(3次元球面)以外にロープの引っ掛らない(単連結)の形があるかと言うことです。3次元閉多様体の作り方が有限ならば3次元閉多様体の数も有限であり、1つ1つ検証すれば、回答が出ます。ヒントは、3次元閉多様体を平面で輪切りにした時、必ず一本の輪になっており、その平面を幾ら動かしてもその輪は連続しており、必ず元の輪の位置に戻ると言う事です(ドーナツ形を考えて下さい)。輪の途中が切れていたり、元の位置の輪に戻らず途中で消えていたら、穴が開いている(=端がある)ことになります。小さくなり点になって消えること(鉛筆のキャップの形)はありますが、トポロジーではその部分は、縮めて無くすることが出来る為、その場合は無視して良いのです。二つの輪に枝分かれすることはあります。しかし、その輪は枝分かれした元の位置に必ず戻ります。(2つ穴のあるドーナツ形を考えてください)従って、枝分かれした場合、2つの基本的な形の組合せで出来ていると考えます。従って、3次元閉多面体の基本形は、一つの輪を移動させ始めの位置に戻すことで作れます。輪の形と動かし方の違いで、異なる形が出来ます。輪には3つの形があります。○(丸形)・∞(無限大形)・◎(一筆書二重丸・文字が無い為便宜上◎を使用する=一筆書きで二重丸を書いた形)です。この3種の輪は平面上で幾ら動かしても、他の輪にはなりません。∞は○にしようとしても、折り返せない点が外側に残ります。◎を○にしようとしても、折り返せない点が内側に残ります。従って、輪を移動させる途中で他の輪になることはありません。では∞にもう一捻りを加え三つの丸い部分のある形はどうでしょうか。これは、平面上で○になります。丸い部分が偶数なら∞になり、奇数なら○になります。一筆書き三重丸は平面上で○になります。この場合、丸が偶数なら◎に、奇数なら○になります。従って、輪の種類はこの3種類しかありません。基本的な動かし方は4種類あります。①輪が左右対称になる様な軸を取り、その軸を中心に回転させ元の輪の位置に戻す方法、(○の場合球体になります。∞の場合回転軸は2本取れますが、いずれも一点に於いて面が交わる為、存在しません。◎の場合回転軸は一本取れますが、これも面が一点に於いて交わる為存在しません。)②輪を外の点を中心として、一回転させ元の位置に戻す方法、(○の場合、ホースの口と口を向かい合わせに繋いだドーナツ形になります。◎の場合は、縦切り口が◎のドーナツ形[=幾ら伸縮し面と面をすり抜けさせて変形しても、ドーナツの内側に折り返せない輪がドーナツの穴を取り囲むように横{ドーナツを横たえた場合}に残ります])∞の場合は、縦切り口が∞のドーナツ型[=変形しても、ドーナツの外側に折り返せない輪が横に残ります])③輪を輪の外の点を中心として、半回転させ、途中で引き返し、来た軌道とは異なる軌道を通って元の輪の位置に戻る方法、(○の場合、ホースの口と口を同じ方向に向けて合わせた形=クラインの壷になります)④輪を上下方向に移動させつつ元の輪を取り囲むように大きくした上で元の位置に戻す方法、(○の場合ドーナツ形で②の方法と同じ形になります。)
トポロジーでは、面は幽霊の様にお互いにすり抜ける為、途中複雑に結び目が出来る様に動かしても、すり抜けて結び目は出来ず、この4種類の方法で作った形に還元されます。②で2回転させて元の位置に戻しても、面と面がすり抜ける為、ドーナツ形になります。③の途中で引き返すことを2度行った場合は、変形すると単なるドーナッツ形になります。輪が元の位置に戻る動かし方は、この基本的にはこの4種類のみです。ただし、途中の動かし方の変化が②③④には3種類あります。②について言えば、前記方法と、回転の途中で引き返し、来た輪を取り巻く様に大きくし、また元の進行方向に引き返しながら輪を小さくして元の位置に戻す方法(ホースを内側が外側になる様に外側にひっくり返えして剥き、また外側が内側になる様に内側にひっくり返した上で切り口をつなげた形=変形させても、ドーナツの外側に縦方向[ドーナツを横たえた時]に折り返せない輪が残ります)、逆に途中で引き返しながら輪を来た輪の内側に入り込む様に小さくし、また元の進行方向に引き返しながら輪を大きくして元の位置に戻す方法(ホースを外面が内側になる様に内側にひっくり返した上で、今度は内面が外側になる様に外側にひっくり返し切り口をつなげた形=幾ら変形してもドーナツの内側に縦方向の折り返せない輪が残ります)の3種類です。2回この操作を行うと変形すると唯のドーナツに戻ります。③について言えば、移動の途中に②の場合と同じ動きを入れる方法です。変形しても折り返せない縦の輪(ホースの切り口と同じ形の輪)がクラインの壷に残ります。この場合、内面と外面が繋がっている為、外側の輪を移動させれば内側の輪となる為同じ形と言えます④について言えば、単純にぐるりと一回動かす方法(○②と同じ形)と、輪を2回転させて元の位置に戻す方法(ドーナツの縦断面は一筆書二重丸=◎②と同じ形)と輪を∞の様に動かす方法(ドーナツの縦断面は∞=∞②と同じ形)の3通りありますが②と同じ形になります。3回転させた場合、変形すると唯のドーナツになります。∞の○が3つになる様に動かしても、変形すると唯のドーナツ形になります。以上述べた、Ⅰ球体・Ⅱドーナツ形・Ⅲ内側に折り返せない横の輪のあるドーナツ形・Ⅳ外側に折り返せない横の輪のあるドーナツ形・Ⅴ内側に折り返せない縦の輪のあるドーナツ形・Ⅵ外側に折り返せない縦の輪のあるドーナツ形・Ⅶクラインの壷・Ⅷ折り返せない縦の輪のあるクラインの壷の8種類の基本形が存在します。この8種類の形は幾ら伸縮し、面と面をすり抜けさせても他の形にはなりません。上記以外の輪と動かし方の組合せでは、3次元閉多様体にならないことが分かります。つまり、物の形はこの8種類の組合せで作られていることが分かりました。Ⅱ.Ⅴ.Ⅵではドーナツの穴が引っ掛りロープは回収出来ません。Ⅲ.Ⅳ.Ⅶ.Ⅷでは面の内側と外側が繋がっており、ロープの輪の中に縁の無い面(どこまでも続く面)が存在する為、ロープは回収出来ません。ロープを回収できる形はⅠの球体のみです。宇宙を構成している部分に、球体以外の形が一つでも含まれている場合は、ロープを回収することは出来ないのです。従ってロープが全て回収出来た時、この宇宙は『おおむね丸い』と言えます。

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>catbirdさま (aiwendil)
2007-11-25 01:47:16
>catbirdさま

コメント発見遅れました。申し訳ありません。

詳細な解説ありがとうごさいます。
私自身、トポロジーについては考え方の入口を齧っただけだったのでたいへん参考になりました。

本筋とは外れますが、読みながらふと、ものごとを考えたり理論を積み重ねてゆくにはイメージの力が重要なのではないかと思えて感慨深かったです。
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