はざまの庵

分類し難い存在を愛でる覚え書き by aiwendil お気軽にコメントをどうぞ。

<font size="-3">【ネタバレ】KKP#5「TAKE OFF」公演覚え書き。</font>

2006-05-23 00:11:53 | お知らせ
「TAKE OFF」神戸公演観賞時、わたくしは風邪のため朦朧としていたのに加え、耳の不具合のため台詞が聞き取れないことが度々ありました。ゆえに、レポートは無理と諦め、今回は空間記憶ベースで公演のシークエンス、すなわち流れのみを備忘録的に羅列してみることにいたしました。
(ネタバレ小細工等が増えた場合はレポートページを新たに設けるかもしれません)
なお、このシークエンスデータは2006年5月20日13時および18時公演、そして21日13時公演、の3公演を元に作成しています。
以下、覚え書きはコメント欄にて。
なお、完全にネタバレですので、未見の方はコメント欄を覗かないようご注意ください。

*読み返してみてあまりにも不親切だと気付いたので簡単な概要と雑感を追加しました。(5/23)




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12 コメント

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*読み返してみてあまりにも不親切だと気付いたの... (aiwendil)
2006-05-23 00:20:48
*読み返してみてあまりにも不親切だと気付いたので簡単な概要と雑感を追加しました(5/23)。

○概要
飛行場を臨むビルの屋上で出会った3人の男たち。自転車で旅するバックパッカー。飛行機オタクのサラリーマン。どんぶり勘定の大工。どこかちょっとズレた彼らがライト兄弟の幻の図面を手にし、有人飛行に挑むまでのドタバタ劇。

○セット概要
舞台中央に、ゆるい傾斜のついた正方形のひな壇。広さは3間×3間ほど? 手前側の高さは10cm程度。奥にゆくにしたがい高くなり、一番奥では50cm程度の高さに。
ひな壇中央奥には1畳ほどの大きさの水平部分があり、ひな壇奥と高さが同じなので、手前側では相対的にひな壇よりも15cmほど高く段になって見える。
これらひな壇は地味なベニヤ的な色。その上にペンキを散らしたような細かくランダムの白いペイントが一面に施されている。
ひな壇を囲むように舞台奥と両翼には工事現場の足場が組まれている。3段組み。
舞台両袖には鉄で組まれた柱が2本づつ。照明用のランプが取り付けられている。奥側の柱には、それぞれ下手側に風速測定用の筒状旗(赤白)、上手側にプロペラ型風速計(飛行機タイプ)がついている。
ひな壇と柱の間には、左右それぞれにランニングマシーン(取っ手のないもの)が1台づつ置かれている。その前方には黒い小型送風機が設置されている。


○構成
6場+α構成。


○登場人物(登場順)
旅の自転車乗り アビル(オレンヂ)
飛行機オタクのサラリーマン 篠田(小林賢太郎)
謎の大工 織部(久ヶ沢徹)


○公演シークエンス

1場 出会い :飛行場近くのビルの屋上
・アビル独白 貧乏旅行のノウハウについて。いかに人の厚意を得るか。県名で方角を訊く「神奈川県ってあっちの方角ですか?」。大きな目的地。高感度ナンバーワンは富士山。いかにも金がなさそうに空腹をアピール。等々。
・篠田と飛行機 脚立の上から双眼鏡。アビルを飛行機と勘違い。ボーイング767-300型機の引退を見に来た篠田。アビルのノウハウ敗北。「富士山!」「富士さん? あ、篠田です。」飛行機うんちく語り。コンコルドと747型機。ポケモンジェット「あれだけは許せない!」
・織部乱入 折り尺で遠目に飛行機採寸。「234尺。これが6尺だから、俺39人分。」息子の誕生日に飛行機を作るための測量。アビルのノウハウ2連敗。アンチポケモンジェットで篠田と意気投合。不思議な挨拶と写真撮影。(チャンスハンター再来?)
・知識と実践についての議論 篠田、アビルを非難。メロンソーダとメロン、サッポロポテトバーベキュー味とバーベキュー。馬鹿女。飛行機はなぜ飛ぶか。ライト兄弟物語第一章。織部、反論。馬鹿ゴリラ。折り尺での造形。
・名刺 決裂する篠田と織部。立腹し立ち去ろうとする篠田に再会を問うアビル。名刺キャッチ。言い淀み、携帯に電話を指示。

2場 ライト3兄弟結成 :織部工務店材木置き場
・アビル独白 織部の材木置き場に寝泊まり。大学の解体工事でとんでもないものをみつけたこと。篠田を呼び出したこと。
・悦に入る二人 折り尺でエレキギター→かゆい。とんでもないユニゾン。
・篠田登場 合い言葉。
・図面自慢 閉じてしまう図面。原始人化する織部とアビル。ライト兄弟の幻の図面。
・ライト兄弟年表 偽物とけなす篠田。図面特徴と製作年数の比較。空白の1年間。プラモデルのたとえ。「ガンダムとザクとグフの説明書だけでゲルググが作れるか?」
・説得 織部の説得。のこぎり話芸。 アビルの説得。いい台詞。心が動く篠田。スケジュール調整。

3場 始動 :織部工務店材木置き場
・アビル独白 プロジェクト始動の経緯。まずは模型から。
・模型製作中の二人 篠田とアビル。接着剤&のっぽさんループ。
・文化祭の記憶 帰宅部だったアビル。ぼーっとしていたからボー部。篠田のわかりにくい自己主張。エピソードありますエアー。情報不足エアー。「あーいますよね。間の手を入れないと会話のできない人って。」「不愉快!」 飛行機研究会だった篠田。昔の思い出話。遠回りする経路。
・織部登場 建材を積んだスクーター。合い言葉が進化。「飛行機作るなら、こういう具合にしやしゃんせ。離陸、着陸、よよよいよよよいよよよいよい。ライト三兄弟!(野球拳→だんご三兄弟)」建材振り回し。部活はダム部。「ほらあるだろう、川の中に大きな石を沈めて水せき止めて川の流れ変えるあれだよ。」別名ビーバー部。篠田「ビーバー部ハイスクール」→沈黙  ボー部の解釈。織部「棒をピカピカに磨く・・・これがほんとのうまい棒」→沈黙 蒸し返す織部「ビーバー部ハイスクールはないぞ篠田!」
・アビルの憧れ ドリル音、3回。自分探しの旅。篠田「へー、そういうのほんとにいるんだ、あとで一緒に写真を撮ってもらえます?」。
・不器用な篠田 織部のバタフライマシン。プロテイン(塗るタイプ)。すでに模型の担当部分を完成させている織部とアビル。空中戦。参入したい篠田に対し「やることやったの。」。昼休みに給食食ってるやつ呼ばわりされる篠田。小学生モード。「女のな~かに男がひとり!」「しのだ、しのだ、しーのだ! フゥフゥ!」。篠田、泣き出すと見せかけて「できた。」。
・尺違い 模型合体。縮尺がぐちゃぐちゃ。江戸時代の提灯/そば屋の出前。50×9。cm、寸、インチ。単位がバラバラ。
・絶対に間違えない方法 「1、気を付けて作る これは我々には向かない。 2、原寸大で作る」
・原寸大プロジェクト
・素材の話 直径4cmくらいの鉄パイプが必要。ベアリング、チェーン、ワイヤーも。→自転車が必要
・アビルとチャリ彦
・素材もうひとつ エンジン。50ccもあれば十分。→スクーターが必要
・織部とスクーター 軽トラの話「軽トラと息子を取られた」。→織部一家の話。塾と偽って息子に大工の英才教育。連れて行った相撲のテレビ中継映り込みがきっかけでバレて、妻が子供を連れて家を出た。妻は「潜水艦」というバーで働いている。篠田「陸海空で息子はさながら自衛官といったところ」。沈黙。せいいっぱいのユーモア。息子の名は「頼人」と書いて「たのもと」。スクーターでスターウォーズネタ。「母さんって?」「軽トラ?」

作成
幕間的ダンス。パーカッション。STOMP的な様式。作業音を音楽としたダンスで制作風景を表現。
ノコギリ、キーボード、スパナ、グラインダー、そろばん、壁、床。
ストロボ効果。音楽。
自転車とスクーターの解体。
原寸大図面を舞台いっぱいに掲げる。肩車。図面の書き足し。
図面がさっと落ちるとそこに完成飛行機。
完成! 万歳三唱。暗転。

4場 飛行前夜 :織部工務店材木置き場
・アビル独白 雨の音。フライト計画。
・合い言葉歌 バージョンアップ。二重唱。野球拳→テーマ音楽→だんご三兄弟
・祝宴 買い出しの品。
・古今東西飛ぶもの 意識、記憶、順番、台詞、こいつ(飛行機)
・名前会議 第五織部丸、うまい棒。フライヤーに似た言葉。目ビール。フライヤーの意味。フライ人。ハエ。HAMUハム。「第五織部丸とうまい棒以外だったら何でもいい。」
・パイロット会議 アビルと織部の主張合戦。町、琵琶湖、北海道、地球。じゃんけん。勝者篠田。圧力係数。圧力係数の誤用合戦。C=kSV2Dc L=kSV2Dl。揚力と抗力の計算式。体重制限55kg。篠田70kg。アビル52kg。織部自称12kg→10kg→5kg。「米か!」 パイロット決定。

5場 真夜中 :織部工務店材木置き場
・アビル独白 フライト前の思いがけない経験。大型トラックの音。
・忍び込む影 篠田。音を立てアビルに聞かれる。ニャー、メー、ピカチュウ。アビル「何だ○○かー。だったらいいやー。はやくでてけー。」
・きみこそなにしてるんだループ
・トラック 運動場。楽曲。しらばくれる篠田。
・発覚 アビル詰問。名刺の会社に篠田という社員はいない。
・篠田独白 出会った日にクビになった話。夢を叶えるために飛行機を売り払おうとしている話。
・アビル激昂 「僕たちのハエを売り払おうとしていたのか!?」殴り掛かるアビル。
・織部登場 下手の足場3段目。見栄を切ってアビルを制止。降りようとしたところでロープを落としてしまう。鉄骨を伝って無理な降り方。顔が赤い。「見えなかった人のために何が面白かったかというと・・・」
・じゃあ攻撃 織部「いいか、世の中決して金じゃあ~。」「これは決して冗談なんじゃあ~。」 否定か肯定かわからない語尾攻撃で両者を翻弄。
・和解 織部、アビルの方向転換。殴ったら、それですべて終わり。あとは篠田次第。泣き崩れる篠田。「飛行機は飛ばなきゃ意味がない。僕もハエが飛ぶのを見たい!」「僕はまだライト3兄弟か?」「3人いなきゃ離陸できないんだろ?」

6場 TAKE OFF! :早朝の猫高海岸砂浜
・アビル独白 猫高海岸までの道のり。それぞれの様子。風待ち。
・操縦確認 飛びながら憶えろ。ライト兄弟のファーストフライトは12秒。12秒を体感。長い。「な、ドキドキしたろ?」。
・これからのこと 回り道。飛んでから考える。織部の寝袋。馬鹿話。ライト3兄弟船。
・織部の息子、軽トラ。アビルが呼んだ。
・風 離陸用意。チャリ彦のネジ。エンジン始動。風に向かって走る。
・TAKE OFF! 機体上昇。TAKE OFFのロゴ垂れ幕


○雑感
見ていて強く思ったのが、「KKPは一貫して、ものをつくる人々を描いているのではないか」ということ。
KKPテーマは「コント寄りの演劇をつくること」であると小林氏は公言してらっしゃいますが、じつは裏テーマは「つくることをつくること」なんではないかと感じました。

今回の「TAKE OFF」は『つくる馬鹿』たちの物語なのかなと感じます。
理系大学の研究室のノリととても近いものがあるような(笑)。
そのテーマと演じ手たちのメタ視点と鑑賞者の作り手心が重なったとき、大きな力を発揮する作品に思えました。
というわけで、個人的には妙な親近感を覚えてしまった公演です。

ところで、ちょっと印象的だったのが第5場のハエのくだり。
大王こと後藤ひろひと氏と同じ手法を踏襲しているのでハッとしました。
同じ言葉が舞台の内と外で別の意味になる、つまり、状況が深刻っぽいほど可笑しくなる。
あれをやりたいためにあの状況を配置したのかなと考えるのは深読みでしょうか(笑)。
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すごいですねぇ、お具合が悪いのにここまでまとめ... (hama)
2006-05-23 12:11:06
すごいですねぇ、お具合が悪いのにここまでまとめられるとは!いつもながら感心させられます。
私特に感心させられたのが、原寸大の図面が完成し、「ハエ」ができるまでのくだりです。ふと、あそこに行くまで映像なども駆使して(○のようなやつ)やるのかなあと思ったのですが、マイムと小道具と音かぁ、と裏切ってくれてうれしかった(笑)
なかなかのイリュージョンですね、あれは(笑)

今回は最初自分が抱いていたイメージを見事裏切ってくれて、大変気持ちがよい思いをしながら舞台を見ました。
明日から福岡が始まりますけど、元気をいただきに福岡に飛び立ちたいと(笑)と思います。
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>hamaさま (aiwendil)
2006-05-27 21:28:57
>hamaさま

KKPはアナログにこだわっているらしいのが嬉しい限り。
流動性含め、進化具合が楽しみでなりません。
福岡の様子はいかがですか(笑)?
返信する
今、福岡公演真っ最中です! (ウメキョ)
2006-05-27 23:11:37
今、福岡公演真っ最中です!
今日も楽しかった。なのに明日で終わりだなんて・・・。
非常に残念!
福岡初日と比べるとあちらこちら追加されてて長めでした。

しかしなぜ阿比留くんなんでしょうか。
近くにいるんですかね。
大体、長崎県対馬の苗字なので「阿比留」さんの先祖は長崎なんですよ。
まさかあびる優をTVで見てた、なんてことはないですよね~。
明日も楽しんできます!
明日は「ヤン・シュヴァンクマイエル展」にも!
返信する
ウメキョさん、はじめましてです。 (hama)
2006-05-28 22:35:22
ウメキョさん、はじめましてです。
「ヤン・シュヴァンクマイエル展」いかれましたか?私も伺いました、本日。名前しかしらず恥ずかしい限りでしたが興味深く拝見しました。
で、本日、福岡最終日。私から観て、ですが基本線は変わりませんけど、3兄弟のつながりより深く、アドリブが増えに増えていくような(どこまでいくんだ、笑)。で久ヶ沢さんがカーテンコールに(途中も?)涙していたのが、彼らのつながりの深さを感じさせる場面でした。基本線を飛ばさずに、遊べることが多いというのは、共演者の方々の関係が深く、なおかつ、脚本(ストーリー)がしっかりしていないとできないことだなあと思います。で、疾走感も相変わらず、カーテンコールでは立ち上がって手拍子を、福岡は定番になってしまいました。ロックのノリですね、あれは(笑)
で、後藤踏襲説ですが、私も同感です。というか、先日友人とも話していたことでした。同じように感じられる方がおられて、なんとなく安心しました(笑)
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hamaさん、こんばんは。 (ウメキョ)
2006-05-29 22:01:07
hamaさん、こんばんは。
福岡楽日、楽しかったですね。
ヤンおじさん展もなんとなく見てきました。
私3回目だったので・・・。
会社帰りに行ってはぼーっとしてました。
ボー部に入れると思います(笑)
一緒に行った友達が元々好きだったんです。
私、彼の名前を覚えるのに一年近くかかりましたね(笑)

賢太郎さんも泣いてましたね。
結構前の方だったので「あっ、泣いてる」と思って。
あのカーテンコールは神戸もだったんですか?
手拍子二回目の時はオレンヂくんが「立って、立って!」と言っていましたね。
自然にスタンディングオベーションの出来上がり♪
ちょっと三本締めみたいな感じで楽しかったです。
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ウメキョさん、え~と。 (hama)
2006-05-30 10:59:53
ウメキョさん、え~と。
私、神戸は二日目のお昼しか参加しなかったため、正確ではありませんですが、神戸は確か手拍子だけだったはず(二日目の話)。福岡初日で、一回目は手拍子で閉めた後、2回目に「立って、立って!」と賢さんが呼びかけられて、スタンディングオべレーションになった、という感じではなかったかと記憶しております。
まあ、ともかく、観てるこちらも楽しませていただきましたが、やっているほうも本当に楽しそうで楽しそうで・・・一体感ある舞台でしたね。ラーネットのコメントを読ませていただきましたが、何だか、涙が・・・(苦笑)。
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>ウメキョさま (aiwendil)
2006-06-01 00:03:09
>ウメキョさま
阿比留!
どう書くんだろうと訝しんでいました。
なんだかすごい字面ですね。
「ヤン・シュヴァンクマイエル展」は新潟ポツネンでニアミス。
美術館へ行ってみたらうっかり休館日で涙をのみました。
東北にも来てくれないかなあ・・・・。

福岡、相当熱かったようですね。
札幌が楽しみです。

>hamaさま
私もアドリブ等の進化っぷりが楽しみでしかたありません。
観客も立ち上がるようになったのは神戸楽公演からだと思います。
GBLのアンケート企画みたいですね(笑)。
悪ノリ(?)が嵩じてゆく演者たちの様子を想像するだけで微笑ましいです。
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福岡の興奮さめやらぬ状態でございます。 (ちょびまま)
2006-06-01 22:01:07
福岡の興奮さめやらぬ状態でございます。
aiwendilさんは次回札幌ですか?私は本多でございます。進化っぷりが楽しみですよねー。

ところで、アビル君ですが、私の後輩に畔蒜君という子がおりました。(この字でアビルと読むのです。)関東出身でしたが、賢太郎さん的にはどの字なんでしょうね?
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>ちょびままさま (aiwendil)
2006-06-04 00:33:44
>ちょびままさま

じつは、私も次回は本多です(^^;。
どうしてもちょうど良い位置から観てみたくなってしまいまして。
久ヶ沢さん効果。
展覧会ハシゴと抱き合わせで遠征予定です。
会場でお会いしたりして(笑)。

畔蒜さんですか!
東北では見かけない名字です。
印鑑で困ったりしないんでしょうかね?
ことえりでは「安蒜」とも変換されました。
候補が増えて面白~い(笑)。
他にも書き方があるのかな?
気になります。
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