地球温暖化議論の裏にある思惑 :231114情報
地球温暖化がすすむと、どんな影響があるのか。関西電力の子ども向けの話が分かりやすい。これを要約すると・・・。
1.南極や北極などの寒い場所や、高い山などにある氷や氷河が溶けて、海の水が増えてしまうんだ。南太平洋にあるキリバスやツバルといった小さな島国は、国が丸ごと海に沈んでしまうことが心配されているんだ。
2.寒い場所の氷が溶けてしまうと、氷の上や冷たい海で暮らしていた動物たちが生きていけなくなるんだ。海の水位が上がって陸が減ることで、森の木や花、森の中に住んでいた動物たちの住む場所がなくなってしまうかもしれないんだ。
3.いままで寒かったところが寒くなくなったり、暑かったところはさらに暑くなったりすることが予想されているんだ。そして、大雨や洪水、台風が増えるかもしれないし、反対に、雨や雪が少なくなる場所や、砂漠になる場所が増えるともいわれているんだよ。
4.地球全体が暖かくなると、気温が上がる場所が増えることで、アフリカなどの暑い地域で発生していた伝染病にかかる人が増えるかもしれないんだ。とくに、蚊(か)に刺されることで高熱が出る「マラリア」などの病気が増える心配があるんだよ。
5.気候が変わってしまうことで、雨が降らなくなる場所が増えたり、台風や洪水が増えて田んぼや畑がダメになったりするかもしれないね。そうなると、お米や野菜などの農作物が取れなくなってしまうことも考えられるんだ。
子どもたちには客観的事実が告げられているように思います。しかし、いざ、大人の議論になると、地球温暖化の議論は、「政治的思想による思惑」か「経済的利益」が蠢いて、純粋な論議にはなりにくいようです。この不純な大人の議論を国際政治学者が一刀両断のもとに断ち切っています。ウクライナ戦争も見方を変えれば、この思惑の上に動かされていると見ることができます。
地球温暖化という議論をする人たち。これははっきりいって2種類の 人たちだと思っています。
一つは左翼で、社会主義者で、資本主義をつぶしたいと思っている人たちです。
統制経済をやりたいが、それをやっていたのでソ連がつぶれましたし、一方で中国がだいぶ豊かになったのは、資本主義のやり方を見習ったからであり、資本主義は過去200年 で人類の社会をものすごく豊かにしたわけです。
ただ、資本主義には資本主義のもちろん問題点はあり、貧富の差が広がるといった問題はあります。 しかし、最低限の貧しい人たちの生活も、過去200年ものすごく良くしてきました。これも事実です。人類が今までなかったような形の経済発展を、 近代的な資本主義のおかげで、我々は経験してきたわけです。
これをやめたいという考え方の人たちがいるわけですね。それが左翼であり、社会主義、共産主義者の人たちです。この人たちが社会主義にしましょう、共産主義にしましようといっても国民はついてきません。
そこで、CO2を規 制しないと地球があったかくなりすぎて人類は滅びるというホラーストーリーを作り、国民を脅かして、そしてCO2の総量排出規制というところ から統制経済を導入しょうとしているのです。
もう一つが、体制内で地球温暖化、地球温暖化と叫んでいる人たちは、まず 間違いなく原子力推進派の人たちです。
原子力を推進するために、この地球温暖化ということを言っています。本当は地球が温暖化していようが、 していまいが、どうでもいいわけでしょう。しかし、地球温暖化を防ぐ、 CO2排出を防ぐ、これは天然ガスも石油も燃やしてはいけない、とすると、 電気つまり発電で頼れるのは原子力が一番ですと言うのです。
というのは、自然再生エネルギーだけの発電だととても足りません。自然 再生エネルギーによる、太陽光とか風力発電というのは一定しませんから、 それこそお日さま任せ、お天気任せ、風任せです。
足りなくなったときに、すぐ機動的に対処できて、電力の出力をパッと増やしたり、パッと減らしたりするには火力発電が一番いいのです。石炭火力発電でもいいのですけれども、天然ガスのほうがもっと早いです。だか ら、今それを補うために一番大量に使われているのが天然ガスなのです。燃やしてもクリーンだし、空気も汚しません。
そして、ヨーロッパに対して、それを大量に供給しようというのが、ロシ アという国になってきたわけです。ロシアとすれば、それを供給すること によって、安定外貨収入を得て、国の中のガタガタになったインフラも再整備したいし、経済的な発展を図っていきたい。その原資、大本のお金を、エネルギーを売って稼ぐしかない、そういう国です。
ドイツは、とくに原発を全廃しようと決めました。これはチェルノブイリと福島の原発事故を見て、ドイツは主に海には面していますけど内陸の国 、国の規模もそんなに広いわけじゃありませんから、一度原発事故が起 きたらおしまいだという恐怖感が大きかったのか、実際2022年の年末までに原発を廃止しました。
そうしますと、これは天然ガスを大量に買わざるを得ないのです。それで、このノルドストリームの1本目に加えて、2 本目を引いて、ロシアから天然ガスを買おうとしていたのです。
ロシアも 怖い国です。怖い国ですが、今までの実績を見ると、ロシア側が政治的な理由で他国への天然ガス輸出を止めたことはないのです。なおウクライナが止められましたが、それはウクライナが外貨を払わなかったからです。
これはまさに相互依存で、プーチンとしても、天然ガスを政治的理由なんかで止めてしまえば、今後買ってくれなくなることがわかっています。アメリカから高いけれども液化天然ガスを買おうとか、あるいは中東から買おうとか動きが生じます。
イランも天然ガス大国で輸出したい国なのでゆくゆくはイランとの関係が良くなれば可能性が出てきます。カタールなんていう天然ガス大国もあります。今は直接パイプラインがつながっていませんが、将来はイランあたりからパイプラインでヨーロッパがトルコ経由で輸入できる可能性も十分ある。そのためロシアの天然ガスもトルコ経由 でヨーロッパに向かうパイプラインを建設中なわけです。
とにかく ロシアの安い天然ガスが大量に入れば、欧州の原発は全滅です。そこで原子力を復活したい、原発を復活したい人たちとしては、米露冷戦をとにかく復活させたいのです。米露冷戦を先導してけしかけて、反ロシアの動きをして、ロシアからの天然ガスは買うなということにして、ノルドストリーム2をつぶす。ノルドストリーム2による天然ガス輸出をストップして、そして電力は原発で賄いますという形にしたいということなのです。
そのためには、むしろロシアを扇動してウクライナに手を出させる。そうすると米露冷戦が復活する、あるいは冷戦が熱戦になるかもしれませ ん。アメリカを含むNATOとロシアとの対立状況が非常に深刻になり、軍 事的な衝突に発展する危険性ももちろんあります。そうなれば、ロシアのものは買わず、天然ガスが入ってこないということになりますから、原発推進派としては万々歳。そういうシナリオ、これが背後にあるわけです。
要するに、エネルギー問題において、ヨーロッパにおけるアメリカも加え た原発復活派の人たち、とくにイギリス、フランスなどが中心になって、 とにかく ロシアを悪者に仕立て、ウクライナにむしろ手を先に出させるよう先導したのです。そして天然ガスをつぶす、ロシアからの天然ガス輸入の増大をつぶす、ノルドストリーム2をつぶす。それによって原発を復活させる。こういうシナリオだと思います。
EU内でいえば、フランス、それからEUは外れましたけども、イギリス はもちろん原発復活派です。とくにフランスは電力の7割弱を今原発に頼っているわけです。EU内では他にも、フランス、チェコ、ポーランドなどは原発推進派、原発復活派です。
チェコやポーランドはかわいそうで、 フランスなんかは電気のたった2パーセントしか石炭火力発電をつくって いないので石炭火力を廃止しても問題ないのですが、チェコやポーランド は石炭火力発電に依存しているところが大きかったのです。ポーランドは 大変よい石炭がいっぱい国内で出るわけです。そうすると、その国は、石炭はやめろといわれると、発電の方式としては原発に頼らざるを得ません。
というのも、チェコやポーランドは東ヨーロッパの国でソ連の勢力圏内にある、かつてソ連にいじめられていた国です。だから、ソ連、ロシアが怖いので、ロシアからの天然ガス輸入には依存したくないわけです。そうすると、原発という選択肢しかなくなる。
これに対して、今は原発反対を明確にしているのは、ドイツ、オーストリア、 ルクセンブルクなどですね。これはもう脱原発をやるのだということで決めていますので、これはもうロシアからの天然ガスに依存するということ、 これはやむを得ないということです。
ドイツの立場からいえば、実はドイツは20パーセント石炭火力にいまだ依存しています。総発電量の2割は 石炭火力発電なのです。これをゆくゆくゼ口にしないといけないといわれているので、そのためには、この天然ガス火力発電を増やすしかありません。
それから、ドイツ、オーストリア、ルクセンブルクなどにすれば、ロシアに頼るのは危ないということはわかるが、ロシアが今まで政治的な理由で 天然ガスの供給をやめたことはない。それに、ロシアは危ない国だし、ウラジミ―ル・プーチンも危険な指導者であることもわかるが、 そのためにNATOがあり、そのために北大西洋条約機構があって、ロシア に対して自分たちが侵略されないような抑止力として機能しているという考え方です。
だから別にそれほど怖がることはないのではないか、ヨーロッ パは十分な抑止力を持っていると、こういう考え方です。だから、プーチンが手を出せば逆に自滅する、そうなったときは、我々は十分に対処する ことができると考えています。
ちなみに、天然ガスではなくて、液化天然ガスも、パイプラインで持っていくと一番安いのですが、たとえばアメリカも液化天然ガスを輸出しています。さすがに大西洋を越えるガスパイプラインというのはできないので、 この場合、やっぱりヨーロッパの国が買うと、天然ガスをパイプラインで 買うよりも液化天然ガスにしたほうが、30パーセントくらいコストが高くなるのです。
逆にいうと、高くなっても、30パーセント余分に払えば、アメリカから 液化天然ガスを買うことができるし、他の国からも買うことができるということです。
そして、先ほどからお話ししているように、出力が安定しない再生エネルギー発電の風力、太陽光。これを補うのは火力発電が一番良い。とくに瞬時に機動的に電気の出力を上げたり下げたりできる天然ガス 発電が一番いいわけです。
ヨーロッパにおいて、ドイツのように、原発反対で、天然ガスのほうはやむを得ないという形でいくのか。フランスのように、原発推進派で、これ は天然ガスをロシアから絶対買うなという方向にいくのか、これがせめぎ合っています。そして、この冷戦を復活して、ロシアからの天然ガスをつぶせというのは、明らかに原発復活派の人たちがやっていることです。この闘いがウクライナ情勢の背後にあるということをしっかりと見抜いていく必要があるわけです。
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