『河鍋暁斎の底力』 東京ステーションギャラリー サイト
※2月7日(日)まで 事前予約制(ローソンLコードでチケット購入)
先週の半ば、緊急事態宣言は発令中の中で東京駅に行ってきた。
10時前で出勤時間帯を外したとはいえ、人通りの少ないこと!
東京オリンピックまでのカウントダウンが虚しく見える。
後ろめたい気持ちがある中で、それでも鑑賞したかった展覧会。
暁斎は幕末から明治にかけて活躍した日本画家。
当blogでもたびたび訪れた展覧会の感想を書いている。
ポスターにも使われている猫又と狸の戦いの下絵も
この下絵だったか、本画だったかは忘れたが、
一昨年のサントリー美術館でもお目にかかったわ~
骸骨が茶道する絵も久しぶりにお目にかかった。
下絵というけど、本画とほとんど変わらない。
もともと、この骸骨の茶道が観たくて京都に行ったおりに
わざわざ漫画ミュージアムに寄ったのが、暁斎との出会いだった。
(2008年のGWのこと)
暁斎絵日記なんか好きすぎて、プリントされたエコバックは今も必需品。
休日のお出かけに持ち歩くバックには絶対入れておく。
けっこう黒ずんできちゃったけど、コンドルとの交流が楽しそうな頁が絶妙で。
(今回も絵日記は展示されていたけど、別のページが開いていた)
本画はもちろん素敵だけど、スケッチというか素描もすごいので、
これまで観てきた展覧会でも目にする機会はあった。
だけど、すべてが下絵と素描と席画で本画は1枚もないのに、すっごく見応えがあった。
これは正しく暁斎の実力のなせる業。他の画家には絶対ムリ。
まさしく底力に圧倒された。
洋画の、鉛筆や木炭で描くスケッチのようにリアルで繊細な素描。
絵を描くという行為の本質や基本は和でも洋でも同じなのだということを改めて実感した。
もっとも、暁斎は幕末から明治を経験して海外の絵画ぼ技法を貪欲に吸収したのかもしれないけど、それを出来ちゃうところがすごい。
今回、とくに興味深かったのは席画。
画家が宴席に呼ばれて、客の求めに応じて、見られている前でサラサラ~と描く趣向。
扇子とか余興のように描いているのは時代劇でも見かける。
ほとんど一筆で描くので、ほんと思い切りのよい、自信のあるタッチ。
そして、細かい! 鍾馗さんなんて即席で描いたようには見えなかった。
そんなこんなで30分~1時間かけて堪能できた。
事前予約で時間指定して行ったのだけど、前日に朝一のを購入した。
(寝坊したらどうしようかと緊張した)
平日ということもあるし、緊急事態宣言が出ているということもあり、
私が訪れた回は数人がいる程度で、非常に密ではない空間で鑑賞できたということもあり、いつも以上に堪能できた。
それだけにもったいない。
これだけのすごい展覧会なのに、もっとたくさんの人が訪れてしかるべきなのに、それがないなんて。
私とて、美術館情報をチェックする気力すらなかったので、この展覧会のことを知ったのは昨年の押し迫った頃。
なので、前期は観ることができなかった。
展示替えも結構あったようで、後からリストを眺めていると見たかったものが前期にもチラホラあって残念に思った。
なんかね、美術鑑賞は不要不急かもしれないけど、でもこういう文化に触れて感動することは決して必要だし、会期があるから不急でもない。
と、胸を張って言いたいけど、なぜかこそこそ~という気持ちになるのが悲しい。
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