茶道の表千家に、専属の茶道具を造る職人さん達がいる。
その中の一人が飛来一閑さんで、いま16代目になるという。
この飛来一閑さんの初代こそ、一閑張りの創始者といわれている。
約400年前、日本に来た中国の僧一閑氏が、
木地や籠に和紙を貼り、漆で表面を塗り、
茶道具として創作したのが始まりとされている。
その伝統に裏打ちされた厳しい技の世界は、
我々が作っている一閑張りとは似て非なるものだった。
だが、今こうして我々が楽しませていただけるのも、
その技を庶民へ惜しまず伝承なされたおかげだと思うと、
感謝せずにはいられない。
時代とともに変様する我々の一閑張りをみていると、
これで良いのか・・・?と思うことも多々あるが、
そこがまた、庶民文化の多様で面白いところ。
創始一閑さんも、苦笑いしながら眺めておられることだろう。