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Tcupサ終のため2022年春に移籍しました。岩手盛岡のことやサッカーなどスポーツのことを書きたいと思います。

パパがパパを殺した?

2008-11-15 00:06:56 | ザ・ハングタン
盛岡市は北上川と中津川によって城下の河北と繁華街の河南に分け隔てられた。
この世界で言うとショパンこと横田夏子の住むマンションなどは河南地区、盛岡ジャーナルや東北日報岩手総局、盛岡テレビのある内丸などは河北地区となる。

中津川の川べりで事件が起きた。佐藤という会社員が腹を刺されて死んだ。佐藤は腹を刺される前に男の携帯電話のストラップに手をかけた。

翌朝、佐藤の死体のそばに盛岡学園高等部2年生の秋元若葉が駆け寄ってくるのをマッキーが見ていた。
「おじさん、どうしてこんなことに」
若葉は泣いていた。そこにクラスメートの田村愛里が。
一方、この事件の犯人は不逞の若者だと言うことでかたがついたが、その若者はやっていないの一点張り。確かに携帯のストラップはこの若者、坂本弘樹のものだったが、ナイフが坂本のものだと言う証拠はなかった。

「若葉ちゃん、大好きだったのね。佐藤さんが」
若葉はショパンに叔父である佐藤慶明の話をした。現在の秋元家には養女として引き取られたと言うのだ。現在の父親は秋元勝、55歳。ショパンは前にスティングから彼の名前を聞いたことがある。
「秋元勝さんって、確か北貿易の秋元専務」
「パパを知ってるの?」
ショパンはうなづいた。そして佐藤の仇はきっと取ってやると約束した。

ショパンはその足でゴッド、つまり理事長の大谷正治にこの事件を売り込んだ。しかしゴッドはいまいち乗り気でない。
「すでに坂本と言う若者が逮捕されたんじゃないのか?」
「でも本人は否定していると警察は話しているそうです。それに…」
「それに?」
「佐藤慶明さんは元北貿易のトレーダーだったんです」
ショパンは佐藤慶明の履歴書を見せた。かつてはシルバーマンブラザーズ系列の商品取引会社でドバイやモスクワで働いていた。そんな人材を秋元が引っ張ったということらしい。
「つまり秋元専務があやしいのか、と言いたいのだな」
そこへマッキーがやってきた。ウイングこと高橋弥生、そして愛里も一緒だった。
「秋元専務が怪しい?そんな馬鹿なことが」
「これは事件よ。万が一と言うこともあるわね」
「そんな、若葉ちゃんがかわいそうよ」
しかしゴッドは愛里の必死の訴えも退けた。
「そんなことを言うのなら、ハングタンの出番はなさそうだな」
「えっ」
「まぁ勝手にやっても構いませんが、その場合の責任は…」
ゴッドの非情な通告もショパンは理解していた。どうせ命は神に捧げた身だ。



そして捜査開始。まずは北貿易の経営状況についてショパンがスティングこと原俊彦に話を聞く。
「北貿易ね、あすこは社長が近く勇退するらしいね。最近は次期社長の人事をめぐって取締役会のナンバー2の大木啓輔と言う人と…」
そしてスティングは秋元勝の写真を見せた。
「専務の秋元勝。いわゆる保守的な人間だな」
「で、それが今度の殺しと関係があるとしたら」
「大アリ。佐藤は大木派だったらしい。佐藤が死んで大木派も大変みたいだ」

スティングが懸念したとおり、北貿易では大木と部下の中川、村山が会議室で話をしていた。
「佐藤さんの訃報は聞き及んでいると思う。この際はっきり言わせてもらうが、あれは秋元専務が仕組んだものだと思う」
「証拠は」
中川が佐藤の履歴書などを大木に見せた。
「佐藤さんは秋元専務の娘の実の父親だからです」
「なるほど、専務が裏切り者を消すために仕組んだと」
そして中川は大木に耳打ち。大木は了解した。
「これで秋元専務と秘書の大竹を失脚させられる」

アローこと斉藤葵は就職活動と称して北貿易にやってきた。そして人事部はどこかと尋ねた。2階にある人事部の部長はさきほど大木に耳打ちした中川浩二、38歳。大木は人事部長から総務担当チーフにするという口約束で彼を腹心の部下にしたのだ。
「あの、中川さんは」
「わたしですが」
「わたし、盛岡学園の3年生の斉藤です」
そしてとりあえず面接を行なったが、その帰りにアローと遅れて到着したエースこと荒川まどか、ホワイトこと白澤美雪は中川に呼び止められた。
「よかったら話を聞いて欲しい」
そう言って中川は会議室へ。

一方、マッキーは現場近くで誰かいなかったと言うことで話を聞いていた。
「あの、昨日襲撃されたサラリーマンの事件をご存知の方はいませんか」
すると一人の老婆がマッキーのもとへ。実は昨夜、女の人が事件の現場近くを歩いていたと言う。
「OLさんかねぇ、スーツ着てて」
中津川沿いの河南エリアならスーツを着たOLが歩いてても不思議はない。しかしこの言葉は忘れてはならないと、OLの話をメモした。

中川の長話が終わったあと、生徒たちは近くのレストランでお食事。
「でも中川さんって悪い人じゃなさそうよね」
「うんうん」
そこへスティングとショパン、さらにマッキーもやってきた。
「どうだい、北貿易の雰囲気は」
「何だか社内で揉め事があるとは思えないみたい」
「でも中川って人、女に弱いみたい」
スティングはさっそくメモを取った。大木派の中川浩二に愛人関係があるとしたら誰か、生徒たちに尋ねたところ秘書の大竹靖子の名前が。社長秘書の大竹は実は秋元に金で雇われていた。
「もしも派閥間で恋愛とかが公になれば…」

夜、秋元は自宅で若葉を殴っていた。
「若葉!よくも」
「パパ…」
「中川君と村山君に言われたんだ、佐藤君のことで。お前が密告したのか」
「違う、パパの言うことなら何でも」
若葉は泣きじゃくった。その模様をスティングとショパンも見ていた。実はショパンは若葉に集音機を持たせていたのだ。だからこの喧嘩も筒抜けだ。
「これで双方の心理戦、いや、情報戦だ」

翌日、ウイングが昨日のアローたちに続き中川に会った。しかし中川はまたも会議室。そして大竹靖子と密会していたのだ。そこをウイングが見てしまったのだ。しかも素のドジっ子ぶりを発揮してしまい中川に気付かれた。
「誰だ、今見てたのは」
ウイングは逃げた。会社の出口にはスティングとマッキーが待機しており、二人で取り巻きを撃退した。
「中川さん、あなたは大木副社長に取り入るふりをして社長秘書で専務の愛人の大竹さんと密会ですか」
「何だと」
「どっちの味方か、はっきりさせましょうよ」
マッキーとウイングは用意したニトロボールを中川たちにぶつけた。ニトロボールは爆発し、中川たちは気絶した。
「それじゃ、ちゃんと最初から吐いてもらいましょうか」
スティングは中川を締め上げようとした。しかし中川は哀願する。
「や、やめろ。わたしはただ大竹がやったことが…」
「秘書の大竹靖子さんですね」
そしてハングタンたちはその場を立ち去った。中川はデスクに戻り一仕事、しかしそこへ秋元が…
「中川君、伊達産業の長谷川さんが来ているのだが誰か接待を」
「は、はい。村山君」
中川は村山を呼び出した。秋元は同じ部署の吉田に耳打ちをした。吉田は最初は渋ったものの、中川に同じ手段は使えないと言った。中川は吉田の不穏な態度に目を尖らせていた。
「専務、やはり…」

夕方、ハングタンは中津川の河川敷に網を張っていた。
「とにかく大竹靖子が、マッキーが聞いてたOLだとしたら必ずあのへん通るね」
現場近くにエースとホワイト、対岸にショパン、その他のメンバーは毘沙門橋で迎撃という陣形だ。しかし大竹はいっこうに現れない。そこへマッキーの携帯からスティングの連絡、秋元勝は一昨日の夜24時過ぎに帰ってきたが、かなり慌てていたと若葉が証言したのだ。さらに坂本が持っていたと言うストラップは実は特注品で、とあるエリートの人が娘にと注文を受けたというらしい。
「そのストラップって」
「そうさ、秋元若葉の携帯ストラップと一致した。この世に二つしかない特注品ということは…」
しかしスティングの背後に人影が。それに気付いたスティングは逃げたが、すぐに追いつかれてしまった。
「お前は誰だ」
「秋元専務のことを嗅ぎ回っているのか」
「佐藤慶明さん殺害の件で、若葉ちゃんから依頼されたんだ」
「うそつけ」
スティングは回天、もとい回転で男を鯖折り状態にさせた。男は吉田だった。
「誰と話していた」
「別に…」
「まぁいい」
「明日、本社前で会おう。それでは」

その頃、中川は大竹を連れて河川敷へ。そこへ一台の車が入ってきた。
「まさか、あの車が」
そして秋元は中の橋のたもとで吉田を待ったが、9時を過ぎても吉田は来ない。
「吉田さんはいつまでたっても来ませんよ、秋元さん」
秋元が後ろを振り向くと、ハングタンが堂々と整列していた。
「秋元さん、義理の娘さんが泣いてますよ」
「だ、誰なんだ」
「あたしたちはハングタン」
「エリート社員を刺殺して、のうのうと会社のトップに立とうと考える人でなしの心を処刑する、闇の死刑執行人よ」
「秋元勝、大竹靖子、それに中川浩二!」
マッキーに名指しされた中川は逃げようとした。
「畜生、スパイだったのか」
「中川!」
中川は泣きながら訴えた。
「専務、あんた悪い人だ。靖子に人殺しの手伝いまでさせて、裏切ったら佐藤の二の舞だとか脅しをかけて…」
しかし秋元は証拠がないだろうと一喝。すると明日、若葉を連れてくるとハングタンたちは言った。

翌朝、坂本が盛岡中央署から釈放された。秋元家では若葉が目を覚まし、帰らぬ父を心配していた。そこへ一通の手紙が届く。
「若葉ちゃんへ。朝9時に北貿易の本社ビルに来てね。お父さんを殺したお父さんが反省するそうです」
それを見た若葉は涙を浮かべていた。そこへマッキーがウイングと愛里を連れてやってきた。若葉は秋元に将来は大企業のセレブ妻になるんだと言われていたらしい。それを知ったマッキーは若葉にこう言った。
「若葉ちゃん、秋元は佐藤さんが海外転勤になると知って預かっていたの。でも17になっていっそ政略結婚でも、なんて考えを起こしたの」
「えっ?そんな…」
「じゃ、行きましょ」
「行こう、行こう」

北貿易本社ビルには秋元、大竹、中川、吉田が首輪をつけられていた。
「さぁ、秋元さん。娘の実の父親を殺したことについて白状したらどうですか?」
「知らないよ」
しかし大竹、中川、吉田は秋元の指示でやったと主張。秋元は何の証拠もなしに、と白を切るが、そこへ若葉が飛び込んできた。
「パパ、いいえ、秋元さんはわたしのパパを殺しました。遺留品のストラップは秋元さんの携帯についていたものです」
「…若葉、なんてことを言うんだ」
若葉の涙ながらの訴えに、秋元はついに観念せざるを得なかった。程なくパトカーがやってきて秋元たちを逮捕した。

数日後、秋元若葉は佐藤若葉と名乗るようになった。そしてアロー、ホワイト、ウイング、愛里と一緒にIGRの車内で雑談。
「今日からは佐藤になるの、よろしくね」
「頑張りましょっ」
「またぁ」

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2 コメント

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Unknown (鰭彎)
2008-11-17 12:17:49
すげーニュース;治安が悪いのね盛岡は・・・
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Unknown (斉藤)
2008-11-17 13:55:24
この物語はフィクションなのであまり突っ込まないように。
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