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Tcupサ終のため2022年春に移籍しました。岩手盛岡のことやサッカーなどスポーツのことを書きたいと思います。

祝!ハングタン誕生(その1)

2008-10-14 04:45:47 | ザ・ハングタン
さんざん書きまくってる「ザ・ハングタン」ですが、そもそもハングタンはどうやって結成されたのか?それをはっきりさせていただきます。

岩手県の県庁所在地、盛岡市。人口およそ30万で北東北の中核都市だ。盛岡学園はその盛岡市の中心地から北に位置するみたけにある。幼稚園から短期大学まで完備し、エリート育成にも力を注ぐ学園である。

高等部着任二年目の牧村環。新潟県出身の24歳だ。あだ名は「マッキー」。特技はバスケットボール、高校時代は新潟女子商でインターハイにも出た。現在は社会科全般を教えている。
マッキーが住んでいるのは盛岡市の河南地区と呼ばれるところ。一概に河南と言っても肴町、鉈屋町、清水町とある。マッキーは先輩講師の横田夏子とともに清水町のマンションに住んでいる。

横田夏子、30歳。新潟県出身、マッキーと同郷だ。盛岡学園に赴任してきて9年目のピアノ講師であるが、彼女には裏の顔がある。
盛岡学園の理事長を務める大谷正治が郷里岩手のためにと結成した「ザ・新選組」の一員として一時期暗躍していたのだ。そのときのコードネームはショパン。

夏子「今日から二年目スタートだね」
環「うん」
しかしマッキーは昨夜酒を飲んだとかでもう大変。ショパンは気のゆるみだとか、原君も悪いとお説教。
夏子「まったく、何やってんのよ」
環「酒癖は牧村家の伝統なの」
マッキーの実家の牧村家は新潟で有名な越後杜氏の家である。だから酒(とくに和酒)にはうるさいのだ。
夏子「もう、電車に乗り遅れるわよ」


この日、盛岡学園高等部に転校生がやってきた。さっそく体育館でバスケットボールをする彼女、それを見ていたのは3年B組の白澤美雪だった。
美雪「あれ?こんな時間からどうしたの」
転校生「牧村さんは?」
美雪「先生はまだ来てないわよ」
転校生「そうなんだ。牧村環がWリーグの道を捨ててまで学校の先生になるなんて言ったのを雑誌で思い出したから…」
美雪「先生、知ってるんですか?」
転校生「当たり前じゃない。このために博多からやってきたんだから」
美雪は驚いた。博多から転校生が来るなんて知らなかったからだ。そこへ環がやってきた。
環「高橋弥生!」
美雪はまた仰天した。高橋弥生と言えば中学時代ジュニア日本代表キャプテンだった子である。
美雪「あの高橋弥生が、どうして」
環「実は彼女、あたしを慕ってやってきたみたいなの」
美雪「先生って女神様みたい」
環は美雪に褒められてうれしかった。

始業式の後、環は理事長室へ。
環「高橋弥生が何で福岡からこっちに来たのか、説明してください」
大谷は週刊誌の記事を環に見せた。そこには福岡の名門女子校でいじめが多発しているというのだ。そこで高橋弥生も被害に遭っていた。
環「もう、バッキャローだよ」
大谷「その通り、だからこそ将来ある彼女をここに転校させることにした」
環「表向きはあたしを利用して…」
大谷「このことは彼女と君だけにしか伝えていない。もちろん一部の心無い生徒への漏洩を避けるためだ」
環「わかりました」
大谷「それに昨今また若者たちの破壊的行動が目立つようになった。盛岡学園はさにあらずと言ったところだが油断は禁物だ」
環「ということは、やはり」
大谷「そうだ。君と横田君が今年度のハングタンを選抜し、盛岡学園と盛岡、岩手の平和を守って欲しいんだ」
環「(一瞬間をおいて)わかりました」
そして大谷は環を一旦部屋から追い出してあるところへ電話をかけた。
大谷「わたしだ。実は頼みがあるんだ」

環はさっそく弥生と美雪に交渉。
環「同じ部活だし、あたしについていくんだったらこんなにいい話はないわよ」
弥生「で、でも…」
弥生は福岡時代のいじめですっかり内向的になっていた。
弥生「そんなことしてていいんですか」
そのとき環は弥生のほほを叩いた。
環「バッキャロー!
  これは理事長も認めた立派な課外活動よ。いじめっ子もお仕置できるかもしれないし」
美雪「そうよ、こっちの人たちはみんな優しいわ。だから弥生ちゃんも…」
弥生「うん」
弥生は環のたってのお願いに逆らえなかった。

環と夏子は3年B組の担任となった。そしてそこで斉藤の名札を夏子が見つけた。
夏子「弓道部の斉藤さん、ですよね。後でお話があります」
葵「は、はい」
葵は美雪の後ろの席に座っていた。
斉藤葵。弓道部の副将でありクラス委員。現在は両親のもとを離れて都南にある叔父の斉藤勲のもとで居候。
白澤美雪。バスケ部の新人大会でのキャプテンだが、空手部や陸上部にも助っ人として参加した経緯がある。
葵「でも、いきなり転校生なんてね」
美雪「あたし驚いちゃった」
そして環から弥生が紹介される。弥生は暫定席として窓際に座ることに。
環「それじゃ席決めをします。葵ちゃん、あとはお願い」
そして葵の進行で席決めが行なわれた。葵は弥生と隣の席に座ることになった。美雪は葵の後ろの席に決定。
美雪「やった、思う存分いじられる」
葵「何か?」
美雪「…べ、別にあなたのこと言ってませんから」

午後の休み時間に環は校庭を見下ろしていた。
環「とりあえずメンバーはこれで…」
夏子「いや、もう一人ほしいわね」
環「いいんじゃないの?」
夏子「いいや、絶対にもう一人探しますから」
そこへ職員室からの連絡。来賓が見えているのですぐに来てくれというのだ。
環「まったく」
職員室にはなんと環と昨夜飲んだと言う原俊彦がいた。環は驚いた。
環「は、は、原さん」
夏子「原君、どうしたのよ」
俊彦はショルダーバッグから大谷と同じ事件の記事を夏子に見せた。
俊彦「先生、実は福岡の女学園でいじめのとばっちりを受けた女バスの子が岩手に転校してきたって噂を聞いた」
環「そのことね、それなら本人に直接聞いたほうがいいんじゃないの?」
俊彦「そうか、サンキュッ!」
そう言って俊彦はコーヒーを飲み干して職員室を出ようとした。しかし夏子が止めた。
夏子「できることなら、もうひとりハングタンが欲しいの」
俊彦「そうか…今年もやるんだね」
環「そ、だから、ね…」
環は俊彦に手を合わせてお願いした。俊彦はしぶしぶ承諾。校庭で待機する事にした。

放課後、夏子は屋上から校庭を見下ろしていた。俊彦の動きが気になったのだろう。
夏子「おや、女子のサッカー部じゃないの」
俊彦は無類のサッカーマニアで、自らサポータークラブやフットサルチームを設立するぐらいの熱狂ぶりだ。
俊彦「内田監督、今度の東北大会で常聖に勝てる見込みは…」
内田「さぁ、やってみないとわかりませんけど」
俊彦「注目選手は」
内田「そりゃ(選手を指差して)荒川だよ」
内田監督は荒川まどかを指差していた。俊彦はカメラを手にとってまどかを撮影した。
内田「これでいいかな」
俊彦「ありがとうございました」
俊彦と内田の会話を見届けた夏子はさっそく体育館へ。体育館では環がバスケ部の練習の最中だった。
環「今日からあの高橋弥生ちゃんが入りました。みんなも弥生ちゃんについてこられるようにしましょうね」
部員たちは気合が入りまくり。しかし岩手っ子たちは弥生についていけない。環は不満顔。
環「まったく、弥生があの子達に合わせてどうすんのよ。みんな弥生についていけないのかしら」
環はコーチ兼寮長の間宮由香にあとを任せることにした。そして間宮は弥生についていけないのなら、喰らいついてでもついてこいとアクションを起こさなきゃダメと言った。
間宮「弥生ちゃんは今日から寮生活です」
弥生「ありがとうございます」
そこに俊彦がやってきて、弥生の取材を行なった。弥生はこっちに来た理由を環を慕ってのことだと言ったが、間宮も高校時代はガードだったと知り驚いていた。
俊彦「確か富士学園だったかな」
弥生「東海の雄、富士学園の間宮…もしかして」
間宮は富士学園からシャトレーで活躍したバスケ選手だった。弥生はすごいと言ってただただ感心するばかり。
俊彦「今年はでっかく全国制覇ですか」
すると環がやってきて、当然全国制覇すると宣言した。それを聞いた弥生と美雪、それに2年生の田村愛里は気合を入れ直した。

さらに学園の近くの県営弓道場で葵と生徒会長の太田カナを見た俊彦は、葵に声をかける。
俊彦「葵ちゃんって、社長の親戚だよね。だったらハングタンに入らない?」
葵「その話ならすでに横田さんにしていますから」
俊彦「えっ?先生に」
カナ「なぁに、そのハングタンって」
俊彦「一言で言えば、いじめっ子に報復を与えたりする…処刑人だな」
カナ「やだぁ、そんなこと」
葵「カナちゃん!」
俊彦「とにかく、色よい返事を先生にお願いしますよ。僕も協力します」
俊彦は名刺を葵とカナに手渡してその場を去った。

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