不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Palagio di parte Guelfa

2005-02-22 22:26:24 | まち歩き
1800年代、共和国広場周辺の
大規模な取り壊し、再整備が行われましたが、
目と鼻の先にありながら、
ぽつんと残された「中世」の趣を残す場所。
Palazzo dei Capitani di Parte Guelfa周辺。
かつてギベリン派(皇帝派)と対立した
グエルファ(教皇派)の本拠地であった場所。
そのため建物の天辺にはグエルファ派を示す狭間が。
parte_guelfa_02
正式名があるにもかかわらず、
フィレンツェ人にはこの建物を
なぜかPalagio di Parte Guelfaと呼ぶ人が多い。
正面に堂々とつけられた外階段は
中世の雰囲気を醸し出してはいるものの
実は19世紀に取り付けられたもの。

内部は現在「Calcio Storico(古式サッカー)」の
こまごまとしたものを展示してあったり。
一番奥の大広間が「ブルネッレスキの間」と呼ばれていて
最近はよく展示会場として使われています。
*「古式サッカー」の本拠地は
この建物に向かって右手にあるPalazzo Canacci。


2月28日まで
「ネコを題材にした現代芸術作品」の展示会。
conf_gatto
本日は特別に「講演会」があったので覗いてきました。

ボッティチェッリの「Primavera(春)」を題材にして
三美神の下に三匹のネコを描いた
Silvana Lonardiの作品が気に入りました。

猫って「絵になる」のですよねぇ。どんな形でも。

この建物自体あまり見向きもされないのですが(笑)
建物の裏手に当たるVia Capaccioはもっと寂れています。
しかし、そこには貴重なものがあります。
元々この通りはラテン語でcaput aquaeと呼ばれた場所で
古代ローマ時代の水路が引かれていた場所。
由緒正しき市民生活の起点です。(爆)
で、この通りに面した壁面に
突然一部だけ突出したLoggiato(空中開廊)があります。
parte_guerfa_loggiato_01
これは、かのVasari(ヴァザーリ)の手になるもので
その開廊の中に納まるようにして
Giambologna(ジャンボローニャ)作の
メディチ家の紋章なんかもこっそりついています。

そうそう
グエルファ派だったフィレンツェには
「角ばったシンプルな」狭間が多く、
ギベリン派の「ツバメの尾」の形の狭間は少ないのです(皆無)。
因みにボローニャはギベリン派ということで
こんな感じ。↓
bologna_merlo



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