前回は、子育て中にイライラしたとき思わずやってしまうことは、子どもへのやつあたりだというところまで書きました。
では、恥ずかしながら私の例をあげてみます。ほんと恥ずかしいですが。
以前の章でもお話ししましたが、私は料理を作るのがすごく遅い人間で、夕飯の時間がずれこんでしまうことがよくありました。
そうすると、当然お風呂も遅くなるし、寝るのも遅くなる。
寝る時間なのにリビングで遊び続けている子どもたちを、寝室に連れていくのがいつもひと苦労でしたが、そんなときのお決まり台詞。
「早く寝なさい。もうとっくにねんねする時間でしょ?」
これがね・・・お料理が早くできていた日と、遅くできた日では、ぜんぜんちがう。
「早く寝なさい」のニュアンスA (早く寝ないと、明日の朝起きられないよ)
ニュアンスB (さっさとしてよ!何度同じこと言わせるの!?)
ニュアンスBは、はっきり言って、やつあたり。
自分でも驚くくらい、きつい言い方になりました。
でも、さっさと料理しなきゃいけなかったのは、自分のほうですよ。
思うようにことを運べなかった自分自身にイライラして、そのストレスを子どもにぶつけていたんです。
ところが恐ろしいことに、この台詞には大義名分がちゃんとあったんですよね。
早く寝るのが子どもにとって大切なのは、周知の通り。寝る時間を守らせることは、まちがっていない。
だから、この台詞は必要。必要な台詞を言う私は、正しい。
思いながらも、本当はやつあたりなんだという自覚はちゃんとありました。
そんな自分が母親としてすごく情けなかったし、明日こそはやめようと毎回思いました。
でも、繰り返してしまいました。
大義名分があったから、やめられなかったんだと思います。
子どもを産んで痛感しましたが、子どもほどやつあたりさせてくれる人間を、ほかに知りません。
まず、圧倒的に自分より弱い。体力的にも精神的にも、弱い。
自分のほうが、明らかに地位が上。庇護しているのは、親である自分。
やつあたりしたからって、子どもは親を責めたり怒ったりしない。
いくら当たっても、親のことを嫌いにならない。
親が悪いなんて、思ってもいない。
必ず親を許してくれる・・・。
とにかく・・・。
相手が大人なら絶対にしないであろう子どもっぽい言動を、大の大人に平気でさせてくれる存在。
それが子ども、とくに我が子なんですよね・・・。
このことを突き詰めると虐待にたどりつくのではないか、なんて思うようにもなりました。
虐待の事情にくわしくもないのに、こんなこと書くのはいけないかもしれませんが。
育児ノイローゼと同じで、虐待してしまうほど心が病んでいる人には、必ず育児以外の大きな問題があると思うんです。
そっちの問題がうまくいかないから、手近な子どもにストレスをぶつけて発散しているわけですね。
「しつけ」という強力な大義名分もありますし。
それと、よく言われている「負の連鎖」という言葉。
親から虐待された子は、自分の子を虐待するようになる、というあれは・・・。
やつあたりに、とても似ている。
世代を超えた、壮大なスケールのやつあたり・・・。
話がちょっとそれてしまったので、戻しますね。
で、このように我が子でストレス解消しないためにも、なんとかして外の世界で、うまく問題解決できればいいんですが・・・。
前回も書いたように、自分の気持ちを人にわかってもらうのって難しい。
苦労してそんな難しいことをするくらいなら、我が子を怒鳴っていたほうがカンタン・・・まちがえた。
そうじゃないですよ。
そっちの道は、ダメなんですよ~!
以前の記事で、こんなことも書いてました。
「こどもの こころ」はコチラです。
地方新聞に子育てエッセイを載せていただいたことが
あります。コチラもよろしければ・・・。