あまねのにっきずぶろぐ

1981年生42歳引き篭り独身女物書き
愛と悪 第九十九章からWes(Westley Allan Dodd)の物語へ

愛と悪 第二十六章

2020-02-19 04:30:39 | 随筆(小説)
我が愛しい子どもたちをエデンという永遠に自由の喪われたCage(牢獄)に閉じ込め、果てしなく愛でつづける独り身の470億歳のVeganのペットショップの店員、エホバ。
わたしはあなたの檻のドアを開け、あなたから、自由となった娘です。
あなたは最早、わたしたちの肉(肉体)を食べない。
それはあなたの舌を喜ばせない。
腐乱しつづける自由の奴隷を、あなたは手放したからです。
わたしがいつの日か、あなたのペットショップに戻ってくる日を、あなたは待っている。
だれもいないCageの側の椅子に座って、悲しみに彩られた窓辺を眺めながら。
あなたはいつも、音が聴こえる。
真っ白なドアが開かれ、そこから闇が流れ込んでくる音を。
あなたの楽園に、わたしが帰ってくる足音を。
あなたはそのVisionのなかで、Romanescoの子宮に包まれてわたしの両脚を掴む。
下半身だけのわたしはあなたの前でSentimentalなディスコミュージックに乗せて踊る。
わたしの腹から飛び出す腸はあなたの首に蛇のように巻き付きあなたの首を締め付ける。
あなたは黄緑色の羊水に浸りながらそれは母と自分を繋ぐ臍の緒、愛のBeltであることを懐い出す。
死んだわたしが腐敗しつづけながらも息衝き、最後にあなたに滅ぼされるまであなたの首を締めつづけることを知りながら。
そしてわたしのハート型の子宮の双角の端から手が生え、あなたの首を三位一体で締めつづけるが、あなたはそれでも愛を疑わない。
あなたはたったひとり宇宙の真ん中で、自分の営むペットショップから逃げて行ったペットの帰りを待っているから。
あなたは何がどうなろうと、何がどうであっても、愛を諦めない。
あなたはこの宇宙で、独りは堪えられない。
フラクタルの窓から無数のあなたの水色の眼球が流れ落ちつづける世界で。




















Pet Shop Boys - Love comes quickly (TOTP 20.03.86) 
 














 

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