みゆちゃん指定席

 もうすっかり春が来て、過ごしやすい気候になったので、みゆちゃんが私の机の上のモニター横の、小さな指定席でまた寝るようになった。狭い机の隅のスペースに、みゆちゃんがぎりぎり入るくらいの大きさのほぼ正方形の箱を置いて、中にフリースのひざ掛けを敷いている。去年の春に設置してから、秋の終わりまで愛用してくれていたのだけれど、北向きの窓のすぐそばなので、寒くなると外の冷気がじんわり伝わってくるのだろう、冬のあいだはまったく使わなくなって、もっぱら南側の窓辺の猫タワーに置いたかごの中へふくちゃんとふたりで入っていた。
 そして冬が終わって、またみゆちゃんが戻ってきてくれて、いつでもすぐ手の届くところで丸くなって眠っていてくれるというのは、嬉しいことである。私は時々、手を伸ばしてみゆちゃんの背中をなでたり、中腰になってみゆちゃんのおなかに顔をうずめたりして、喜びを確かめている。
 もっとも、夜遅くなってそろそろ寝ようと思ったところにちょうどみゆちゃんが指定席にやってくると、せっかく来てくれたのに席を立つのが申し訳なくて、眠いのを我慢してしばらく座り続けなければならないというような、ちょっと困った嬉しい場合もある。
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