猫、逆恨み

 今年の夏は、まるとぼんがはじめて我が家で過ごす夏です。
 予想はしていましたが、梅雨が明けて蝉の大合唱がはじまってからというもの、毎日まるが蝉を捕ってきます。初めの頃は、一日一匹ほどでしたが、だんだん捕まえるのがうまくなったのか、それとも蝉の数が増えたのか、最近では一日に何度も捕ってきます。
 家のベランダには、庭の桜の木が枝を伸ばしてきているので、蝉がたくさん飛んで来ます。まるは枝の下に座り込んで、蝉が近くに飛んでこないか根気よく見張っています。しばらくすると、ジージーと連続した甲高い鳴き声がして、蝉をくわえたまるが、網戸にあけた猫専用出入り口から部屋にこそこそと戻ってくるのです。
 捕まえてもすぐには殺さないので、無用な殺生を阻止するために蝉を取り上げようとしますが、もちろんなかなか放しません。私やぼんが近づくと、蝉をくわえたまま伏せって、恐い声で、ウゥ~ッと唸ります。
 最初の頃、蝉をくわえているのですきまの空いているまるの奥歯の辺りに、両側から無理やり指を突っ込んで、口をこじ開けて蝉を逃がしたことがありました。
 そのしばらくあと、何を思ったか、まるが私が育てているバジルの植木鉢をひっくり返しました。こら、まる、とこぼれた土を掃いて集めて元に戻しましたが、またその5分も経たないうちに、まるはもう一度、同じ植木鉢を倒しました。
 植木鉢を倒されたことはこれまでにも何度かありますが、こんな執拗に二度も倒すのは、いつもと様子が違うようで、これは蝉を横取りされた腹いせだとしか思えません…
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