猫化する父

 猫の忠実なしもべたる私の父は昔から暑がりで、70歳を過ぎているというのに、冬も薄い掛け布団で寝て、年中冷たい飲み物を飲んでいる。もっと若い時分は、冬には熱いほうじ茶を飲んでいたのだけれど、何年か前からは夏も冬も冷たいペットボトルの緑茶だ。年を取ると寒がりになる人が多いと思うのに、逆行している。
 このあいだ実家で父の部屋をのぞいたら、父がステンレスボトルのふたを開けて中の氷水を見せ、「最近は水を飲んでいるんや。ハル(愛猫)が水をうまそうに飲んでいるのを見たら、わしも飲みたくなってな。これがうまいんや」と言って、ごくごく飲んだ。
 そのうち、「猫缶は塩分入ってないから体にいいぞ」などと言って食べ始めないか、心配。
コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )