2008年4月18日公開 アメリカ 92分
野心家のアーヴィング上院議員(トム・クルーズ)はジャーナリストのジャニーン(メリル・ストリープ)をオフィスに呼び、対テロ戦争での極秘作戦情報をリークする。しかし彼女は、その裏にある陰謀をかぎつける。その頃、アフガニスタンの山中では、この作戦に参加した志願兵2人が窮地に立たされていた。彼らの恩師である大学教授マレー(ロバート・レッドフォード)は勉学の意欲をなくした学生トッドに2人の話をして、政治に無関心でいることの愚かさを訴えていた。
とても真面目で重い内容なのに、退屈を感じさせずに一気に観せてしまうのは脚本と俳優の素晴らしさによるものでしょうか。結末を押し付けず、観客に考えるという作業をさりげなく提示するところもポイント高いです。
同日同時間に起こっている3箇所での出来事が、実は密接な関わりがあること。その見せ方が上手い。一つのケースをそのまま続けても1本の作品を仕上げることが出来るだろうが、バラバラにして繫いでいくことで、飽きさせずに、次第に繋がって行く主題に向けて導いていく効果があります。
次期大統領の座を狙い、対テロ戦略を机上で考え上奏し実行させた野心家の上院議員は日の当たるスター街道まっしぐらのトムとちょっとかぶるイメージ。
この道40年のベテラン記者であるジャニーンは、熱心な口調の上院議員からきな臭いモノを感じ取り、単なるお先棒担ぎになるまいと探りを入れます。この2人の会話に見えない火花を感じることができるほどの緊迫感あるシーンが楽しめました。
一方、最近講義にも出ず怠惰な学生を呼び出した大学教授は、卒業生である2人の教え子を例にとり、傍観者でいるのではなく、自分が何をすべきなのかを考えろと諭します。もう大人なんだから自分が下す決断には一生責任を持たねばならないと告げる教授の言葉はそのまま観客へのメッセージになっているのでしょう。
学生トッドの屁理屈?は自分の気持ちに近いものがあって、教授がどう切り返してくるか興味をそそられましたが、こうくるとは・・変化球でストライクってとこかな。
極秘作戦の思わぬ失敗で、山中に取り残され、敵に囲まれ窮地に陥る2人の胸に最後に去来した想いはなんだったんだろう?下層階級出身の彼らが、大学院進学の道より志願兵を選んだ理由が、私には今ひとつ理解できないままです。
志願して無事に戻って来られれば学費の免除で復学出来るということ?
「生きて帰れたら」という教授の言葉が重いです。
歩兵の彼らは、一度も歩兵経験のない上院議員の机上の捨て駒でしかないという事実が痛いです。また、きな臭さを感じながら、圧力(保身とスクープの魅力)に負けてお先棒担ぎをすることになるジャニーンの苦渋の涙にも・・。
あの国も、この国も、自分では手を汚さない人種の頭の中のゲームで政治が進んで行っているってことかなぁ・・。それを止められるのは、微力で一人一人は無力な私たち。せめて無関心という鎧の内側からでも、考える目と心を持っていないとね。
野心家のアーヴィング上院議員(トム・クルーズ)はジャーナリストのジャニーン(メリル・ストリープ)をオフィスに呼び、対テロ戦争での極秘作戦情報をリークする。しかし彼女は、その裏にある陰謀をかぎつける。その頃、アフガニスタンの山中では、この作戦に参加した志願兵2人が窮地に立たされていた。彼らの恩師である大学教授マレー(ロバート・レッドフォード)は勉学の意欲をなくした学生トッドに2人の話をして、政治に無関心でいることの愚かさを訴えていた。
とても真面目で重い内容なのに、退屈を感じさせずに一気に観せてしまうのは脚本と俳優の素晴らしさによるものでしょうか。結末を押し付けず、観客に考えるという作業をさりげなく提示するところもポイント高いです。
同日同時間に起こっている3箇所での出来事が、実は密接な関わりがあること。その見せ方が上手い。一つのケースをそのまま続けても1本の作品を仕上げることが出来るだろうが、バラバラにして繫いでいくことで、飽きさせずに、次第に繋がって行く主題に向けて導いていく効果があります。
次期大統領の座を狙い、対テロ戦略を机上で考え上奏し実行させた野心家の上院議員は日の当たるスター街道まっしぐらのトムとちょっとかぶるイメージ。
この道40年のベテラン記者であるジャニーンは、熱心な口調の上院議員からきな臭いモノを感じ取り、単なるお先棒担ぎになるまいと探りを入れます。この2人の会話に見えない火花を感じることができるほどの緊迫感あるシーンが楽しめました。
一方、最近講義にも出ず怠惰な学生を呼び出した大学教授は、卒業生である2人の教え子を例にとり、傍観者でいるのではなく、自分が何をすべきなのかを考えろと諭します。もう大人なんだから自分が下す決断には一生責任を持たねばならないと告げる教授の言葉はそのまま観客へのメッセージになっているのでしょう。
学生トッドの屁理屈?は自分の気持ちに近いものがあって、教授がどう切り返してくるか興味をそそられましたが、こうくるとは・・変化球でストライクってとこかな。
極秘作戦の思わぬ失敗で、山中に取り残され、敵に囲まれ窮地に陥る2人の胸に最後に去来した想いはなんだったんだろう?下層階級出身の彼らが、大学院進学の道より志願兵を選んだ理由が、私には今ひとつ理解できないままです。
志願して無事に戻って来られれば学費の免除で復学出来るということ?
「生きて帰れたら」という教授の言葉が重いです。
歩兵の彼らは、一度も歩兵経験のない上院議員の机上の捨て駒でしかないという事実が痛いです。また、きな臭さを感じながら、圧力(保身とスクープの魅力)に負けてお先棒担ぎをすることになるジャニーンの苦渋の涙にも・・。
あの国も、この国も、自分では手を汚さない人種の頭の中のゲームで政治が進んで行っているってことかなぁ・・。それを止められるのは、微力で一人一人は無力な私たち。せめて無関心という鎧の内側からでも、考える目と心を持っていないとね。