2018年7月3日公開 アメリカ 128分
前作でハイブリッド恐竜のインドミナス・レックスとT-REXが激闘を繰り広げ崩壊したテーマパーク「ジュラシック・ワールド」を有したイスラ・ヌブラル島に、火山の大噴火の兆候が表れ、恐竜たちの生死を自然に委ねるか、あるいは危険を冒してでも救い出すか、人間たちは判断を迫られていた。そんな中、恐竜行動学のエキスパートのオーウェン(クリス・プラット)はテーマパークの運営責任者だったクレア(ブライス・ダラス・ハワード)とともに、恐竜たちを救うべく行動を開始するが、その矢先に島の火山で大噴火が発生する。
シリーズ14年ぶりの新作として2015年に公開された「ジュラシック・ワールド」の続編です。
恐竜たちの生死を決める会議で熱弁をふるっているのはマルコム博士じゃありませんかお得意のカオス理論、懐かしいな~~
と感慨に耽る暇もなく、ジュラシックパーク創設者・ハモンドのかつてのパートナーだったロックウッド老(ジェームズ・クロムウェル)の依頼で、例によって不本意ながらイスラ・ヌブラル島に連れて来られたオーウェンたち。(こりゃ何かあるぞと思って観てると、恐竜保護にしては随分とものものしい装備の傭兵?たちに不安はますます高まります。
案の定、彼らは恐竜たちを保護するためではなく、捕えてオークションで高値で売るために来ているんですね。
シリーズの最初から、夢を描くあまり人間の善悪を正しく見分けられない金持ちと、その夢に付け込んでぼろ儲けを企む悪人の構図は変わっていませんでした。それにしても、もう少し島での冒険があるかと思いきや、いきなり噴火してしまうんだもの。予告で流れる映像が島での見どころの殆どだったというのはいかがなものかと
再会も束の間、傷ついたブルーは仲間の獣医師のジア(ダニエラ・ピネダ)と囚われてしまいます。島から命からがら逃げだすことに成功し、同じ船に乗り込んだオーウェンたちは、ブルーの手当をしながら機会を待ちます。(この時、Tレックスの血を輸血するのだけど、それでまた何らかの進化?が出てきたりして)噴火の島で岸壁に追い詰められた草食恐竜のブラキオサウルスが哀し気な鳴き声を発するシーンは切なかったなぁ
後半はロックウッド邸での最恐ハイブリッド種・インドラプトルとの攻防がメインとなりますが、手に汗握るハラハラドキドキ・・は確かにありますが、これはまるで恐竜ホラーばりの演出。小さな子供に見せられるのか?? 特にメイジーを狙って忍び寄るインドラプトルのシーンは怖かった~~
ロックウッドの10歳の孫娘のメイジーは、ロックウッド財団の運営を任されているイーライ(レイフ・スポール)の企みを知って逃げ出す途中でオーウェンたちと出会い行動を共にしますが、彼女は実はロックウッドの亡くなった娘のクローンだったという衝撃の真実が明かされます。
ロックウッドがハモンドと袂を分かったのは彼が娘のクローンを作ったことに起因しているんですね。人は愛するあまりに道を外してしまう。ここにも切ない真実がありました。
インドラプトルを創ったのはシリーズでお馴染みのヘンリ・ウー博士(B・D・ウォン天才)。彼もまた自分の研究にしか興味関心のない人間。科学者としては優秀でも、人類に何をもたらすかに考えの至らない浅はかさは否めないですね。逃げ足は速い彼は、今回も大事な研究材料をしっかり持ちだした様子。次の作品でも彼のハイブリッド種が登場するのかな?
オーウェンたちの窮地を救ってくれたのは・・・そう!ブルーです。
地下に充満するガスに苦しむ恐竜たちを前に、扉を開けるか見殺しにするか選択を迫られる大人たち・・はい、普通は扉開けません。開けられませんよね、その先に何が待つか想像できるから。
でもメイジーは扉を開けるボタンを押しちゃうんです。クローンの自分も恐竜たちも今まさに生きていることに変わりはないというその主張は正しいけれど、人類の未来を想えば恐ろしい間違いとも言える。
館から解き放たれた恐竜たちは地上にその住処を見出します。大地を闊歩するTレックスや空を飛ぶプテラノドン、海中にはモササウルスの巨大な影が・・ブルーもオーウェンの元から去っていきました。それはまるで巣立ちのような別れのシーン。再び会議に呼ばれたマルコム博士は、人間と恐竜の共存の時代が来たと告げ「ようこそ、ジュラシックワールドへ」と。さてさて、続編はどうなることやら人類は生き残れるのか?
個人的には島から恐竜を脱出させる方に時間を割いて欲しかったなぁと思うのですが、三部作だそうなので、次に続けるためには仕方なかったのかな。どちらもちょっと中途半端な印象があったのが残念。そして世界観はかなりダーク
やっぱり第一作が傑作過ぎた