
2023年6月9日公開 123分 G
高校に入学した直達(大西利空)は、通学のため叔父・茂道(高良健吾)の家に居候することに。しかし最寄り駅に迎えに来たのは、見知らぬ女性・榊さん(広瀬すず)だった。しかも案内されたのはシェアハウスで、会社員の榊さん、親に内緒で会社を辞めマンガ家になっていた叔父の茂道、女装の占い師・颯(戸塚純貴)、海外を放浪する大学教授・成瀬(生瀬勝久)ら、くせ者ぞろいの住人たちとの共同生活が始まる。いつも不機嫌そうだが気まぐれに美味しいご飯を振る舞ってくれる榊さんにいつしか淡い思いを抱くようになる直達だったが、彼と榊さんの間には思わぬ過去の因縁があった。(映画.comより)
高校に入学した直達(大西利空)は、通学のため叔父・茂道(高良健吾)の家に居候することに。しかし最寄り駅に迎えに来たのは、見知らぬ女性・榊さん(広瀬すず)だった。しかも案内されたのはシェアハウスで、会社員の榊さん、親に内緒で会社を辞めマンガ家になっていた叔父の茂道、女装の占い師・颯(戸塚純貴)、海外を放浪する大学教授・成瀬(生瀬勝久)ら、くせ者ぞろいの住人たちとの共同生活が始まる。いつも不機嫌そうだが気まぐれに美味しいご飯を振る舞ってくれる榊さんにいつしか淡い思いを抱くようになる直達だったが、彼と榊さんの間には思わぬ過去の因縁があった。(映画.comより)
田島列島の同名コミックの実写映画化です。
偶然なのか必然なのか・・・直達が下宿した叔父の家(シェアハウス)には父・達夫(北村有起哉)が10年前にW不倫で駆け落ちした相手の娘の榊千紗が住んでいました。
千紗が高校生の時に起きた事だったので、彼女は事情を知っていますが、まだ子供だった直達は全く知らずにいるんですね。いつも不機嫌そうな彼女は、母親や達夫に怒りを抱いていますが、直達や茂道は不倫とは無関係と割り切っています。母親のことで恋愛に対する拒否感情があるようです。
ペンネームの「ニゲミチ先生」と呼ばれている茂道は、直達の母方の叔父で、姉(直達の母)に頭が上がらない様子。会社員を辞めて漫画家になったことも隠していました。😁 直達は不倫騒動の当時、母の実家に預けられていて、その時叔父に遊んでもらって懐いていたらしい。茂道は義兄の不倫騒動は知っていたと思いますが、相手が千紗の母とは知らなかったようです。
シェアハウスの同居人もどこか変わった人揃い。
泉谷 颯は占い師で、仕事のときは女装しています。妹の楓(當真あみ)は陸上部で直達の同級生。兄のところに遊びに来るうちに直達を好きになりますが、鈍感な彼は彼女の想いに気付いていません。😓
もう一人の同居人・成瀬 は教授で旅が多い人。千紗の父・榊 謹悟の友人で千紗を子供の頃から知っています。
ミスター・ムーンライト(愛称:ムー)は、河原に捨てられていた猫で男子中学生たちから虐待されていたところを颯が救出しシェアハウスで暮らすようになりました。ムーの愛くるしい様子がともすれば重くなりがちな話を和らげる緩衝材になっていました。とにかく可愛いので癒しになります。
教授と千紗の話を聞いてしまった直達は、千紗の気持ちに寄り添いたいと思うようになります。千紗と父が鉢合わせしたことに焦る彼の様子に誰かが彼に話したのではと疑う千紗に、直達は会話を聞いてしまったことを明かします。
達夫は千紗の母が戻っていないことを知って、探偵に彼女の居場所の捜索を依頼し報告書を千紗に送ります。直達は千紗と一緒に千紗の母・紗苗(坂井真紀 )を訪ねることにします。
達夫は千紗に罪滅ぼしをすることで自分のことをちゃんとした人間だと思いたかったらしいのですが、そもそも不倫で駆け落ちする時点でちゃんとしてないし😡 千紗のためじゃなく自分の罪悪感を減らしたかったという身勝手な理由はクズの言い訳にしか思えませんでした(怒)直達の母は、そんな夫を許したわけですが、彼が再び千紗の母に連絡を取ろうとしていると知ると激怒します。当然だよな!!彼女は子供のために離婚を思い留まったのかも。
二人が出かけた後、達夫がシェアハウスにやってきます。その途中でトーテムポールのある家(シェアハウス)を探している男性に声をかけられて案内するのですが、彼は成瀬を訪ねてきた千紗の父・榊謹悟(勝村政信 )なんですね。互いに相手を知らないまま和やかに会話する二人の姿を見た成瀬、ニゲミチ、泉谷は気が気ではありません。(このエピソードはブラックユーモアですかね。)
紗苗は達夫と駆け落ちするも一年で破局していましたが、家には戻らず、現在は再婚し連れ子の美由と幸せに暮らしていました。実は千紗は、駆け落ち後に一度だけ姿を見せた紗苗に酷い言葉を投げつけたことで母が戻って来れなくなったのかもという後悔を抱えていました。
紗苗に恨み言をぶつけた千紗に「ごめんなさい」と謝られても気持ちが収まりません。丁度帰ってきた美由に母をいじめていると誤解された二人は家を出ますが、そこに千紗の父から電話がかかってきて「辛い思いをさせたな」と謝られます。
二人が気晴らしにレストランで豪華な食事をしていると、紗苗たち家族がやってきます。楽し気な様子にいたたまれず席を立った千紗を追いかけようとした直達を紗苗が呼び止め謝ります。直達はお金を要求し、渡された現金をその場で募金箱に入れました。以前父親にもお金を要求しその金で大量の卵を買って帰ったことがある直達。これが彼なりの抗議なのでしょう。😁
バスを逃して旅館に泊まり、持ち帰ってきた料理を食べた二人。千紗の怒りはずっとオレが覚えてるという直達に「約束だよ」と千紗。
翌朝、砂浜で子どものようにはしゃいで水を掛け合う二人。何か吹っ切れたのかな。
千紗がシェアハウスを引っ越すと知り、学校を飛び出して家へ向かった直達は、千紗に想いを告白しますが、彼女の答えは「バッカじゃないの」。
千紗にとって直達は恋愛対象にはならないし、楓の直達への想いも知っているので、まぁ当然の反応ですが、それでも彼の思いは千紗にちゃんと伝わっているのだと感じるラストでした。