杏子の映画生活

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ハンターキラー 潜航せよ

2024年02月21日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2019年4月19日公開 イギリス 122分 G

ロシア近海で1隻の米海軍原子力潜水艦が消息を絶ち、捜索に向かったジョー・グラス艦長(ジェラルド・バトラー)率いる攻撃型原潜「ハンターキラー」は、現場付近に沈んでいたロシア原潜の生存者を捕虜にする。同じ頃、ロシア国内で世界を揺るがす陰謀が企てられていることが判明。ハンターキラーに陰謀阻止のための過酷なミッションが下される。その任務を達成するには、絶対不可侵のロシア海域へ潜航せねばならず……。(映画.comより)


小説家ドン・キースと米海軍潜水艦の元艦長ジョージ・ウォレスによる小説が原作。

ロシア近海で姿を消した米海軍原子力潜水艦タンパ・ベイ の捜索に、攻撃型原子力潜水艦アーカンソー“ハンターキラー”が向かいます。艦長ジョー・グラスは士官学校出ではない現場での実力だけで艦長まで上り詰めた男です。

海底に沈んでいるロシア原潜を発見しますが、艦は内部からの爆発で穴が開いていました。タンパ・ベイの攻撃によるものではないと考える中、ハンターキラーに気づいたロシアの潜水艦ヴォルコフの攻撃を受け、これを迎え撃って沈めます。その後、沈んでいるロシア原潜から音がしている事に気付いたグラス艦長は、原潜から3人のロシア人生存者を救出し捕虜とします。その中には原潜のアンドロポフ艦長 (ミカエル・ニクヴィスト)もいて、彼らはタンパ・ベイが攻撃してきたと信じていました。

ペンタゴンの作戦指令室では、統合参謀本部議長チャールズ・ドネガン(ゲイリー・オールドマン )指揮のもと、ネイビーシールズ精鋭部隊長ビル(トビー・スティーヴンス)率いる4人のチームがロシアで極秘偵察ミッションにあたっていました。
彼らはロシア国防大臣ディミトリ・ドゥーロフ( ミハイル・ゴア )がクーデターを起こしてザカリン大統領を拘束し部下たちを殺す現場を目撃します。報告を受けたドネガンは、ドゥーロフがアメリカとロシアの間で戦争を起こそうとしていると考え、これを迎え撃とうとします。これに反対する海軍の作戦を監督するジョン・フィスク少将(コモン)は、ロシアの国家自体が戦争を望んでいるのではなく首謀者はドゥーロフ1人だと考え、戦争を阻止するためザカリン大統領の救出をビルたちとハンターキラーに命じます。

グラス艦長は、海中をロシア船に気付かれないよう進むために、ロシアの海を知り尽くしているアンドロポフ艦長に協力を求めます。ロシア原潜がタンパ・ベイの攻撃ではなくドゥーロフが仕掛けた爆弾で内側から爆発していた証拠写真を見せられ、ロシアで今起きている状況を理解したアンドロポフ艦長は道案内を承諾し、ハンターキラーは機雷源を避けてロシア軍に察知されず移動する事に成功します。
この道行がなかなかスリリングでした。2人の艦長が国を超えてひとりの人間として互いに敬意を払い信頼して協力する姿はけっこう感動させられます。敵であるアンドロポフ艦長や、大胆過ぎるグラス艦長に不信感を抱いていた部下たちも次第に彼らを信頼していくのは、やはり2人の人間性によるものでしょうか。😀 

大統領救出ミッションにあたる中、新人スナイパーのマルティネリ隊員(ゼイン・ホルツ )が負傷します。彼を残して突入しようとした3人は、撃たれて海中に投じられた大統領の部下オレク( ユーリー・コロコリニコフ )と遭遇し、オレクも作戦に加わるんですね。目的のために手を組むわけ。😁 
救出は銃撃戦となり、大統領を何とか救出したものの、ホール隊員(マイケル・トルッコ)とオレクが犠牲になります。海岸でドゥーロフの部下の攻撃を受け絶体絶命かと思われた時、森に姿を隠していたマルティネリが応戦し、海中を泳いで救難艇に向かいますがジョンストン隊員(ライアン・マクパートリン )も被弾して失います。ビルは大統領を艇に乗せるとマルティネス救出に戻ります。森で敵に囲まれたマルティネスを助け出し、負傷した彼をかついで脱出するビル!カッコ良すぎ😍 彼らもまた強い信頼関係で結ばれていることがわかるエピソードです。(その意味では大統領を守り抜いたオレクも同じかな。)

ドゥーロフは駆逐艦ヤヴチェンコにハンターキラー撃沈を命令します。追い詰められたハンターキラーは海底の泥を舞い上げ着底。そこに魚雷が襲い掛かり大爆発が!

ハンターキラーにいるザカリン大統領の死は、ロシア大統領をアメリカが誘拐して死亡させたと受け取られて世界を敵に回すことを意味しています。事態は悪化し、米国北大西洋艦隊とロシア連邦海軍北方艦隊が睨み合います。

ハンターキラーは魚雷の直撃を免れていました。浸水し負傷者が出たものの、乗組員もザカリン大統領も無事でした。しかしハンターキラーの真上にはヤヴチェンコが迫り絶体絶命です。グラス艦長はアンドロポフ艦長にハンターキラーへの攻撃停止を指示するよう協力を求めます。ヤヴチェンコの乗員たちを自ら育て上げたという彼への部下たちの圧倒的な信頼と人望を信じての決断でした。この狙いは当たり、ヤヴチェンコは攻撃を中止し、ハンターキラーは浮上します。ザカリン大統領もまた攻撃中止の大統領命令を出します。

これを見たドゥーロフは、自らハンターキラーへの対艦ミサイル発射を命令します。
米軍司令部は、ザカリン大統領の命を守るためグラス艦長に対艦ミサイルへの攻撃を命令しますが、戦闘配置を指示したものの攻撃は躊躇します。(攻撃したら戦争の口火を切ることになるからですね)

ミサイルがハンターキラーを直撃する寸前でヤヴチェンコが対艦ミサイルを撃ち落とします。さらにドゥーロフのいるポリャルヌイ司令部にミサイルを打ち込んで壊滅させました。

クーデターは失敗し、戦争の危機は回避されました。
ザカリン大統領からヤヴチェンコがハンターキラーを守るとわかっていたのかと聞かれ、ただ願っただけと答えるグラス艦長。アンドロポフ艦長の人望を信じた彼の勝利ですね。共に部下からの深い信頼を勝ち得た者のみの篤い思いが伝わるラストです。
ハンターキラーはビルとマルティネリを乗艦させ帰路につきます。

アンドロポフ艦長役の俳優さんは本作が遺作になったそうですが、津川雅彦さん似のお顔と「宇宙戦艦ヤマト」の沖田艦長を思わせる重厚キャラでした。
グラス艦長の経験に裏打ちされた計算力と大胆な決断力も見所で、こんな上司なら命預けられると納得です。✌





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