ムカデとことこ

 ひとが幸福になること・意識の成りたち・物理と心理を繋ぐ道
       ・・そんなこと探りたい

はぁ、そうは言ってもねぇ・・

2014-05-02 09:12:52 | 実例体験観察
「はぁ、そうは言ってもねぇ・・」このセリフは義父のもの。

生まれつきの心臓病で3カ月に一度定期検診に行ってるけど、

そこの担当医に酒は飲まないようにと言われた時に、

その場では穏やかに「はぁ」と答え、

後で家族に独り言のように淡々と「そうは言ってもねぇ・・」と一言。

そして毎晩少しの焼酎を飲み楽しんでいる。

この話はエピソードとして夫から聞いた。


医師の話を否定なく穏やかに聞き、

自分のことを自分の意思で行う。


義父に対してのそういう注意を私も医師から聞いたことがあるけど、

最近は医師も言わなくなった。

飲んでいないと思っているのか、本人に任せようとしてるのか、

そこらへんはわからないけれども。

90才を越えてる元気な人に病持ちの未熟者の若造が健康上の注意なんてしてもなぁ・・・と

未熟者の若造である私もそう思う。


昨日、義父に畑に軽トラで送ってほしいと言われ、

私も畑に用があったので野良着に着替え、二人で畑へ。

畑に着くと、帰っていいと言う。

後で迎えに来てくれればいいからと。

私は誰が見てもそうと見える野良着を着ているのである。

車で送るだけでは野良着を着る必要はないのである。

畑仕事がしたいので着替えたのである。

だが、それは私だけの見解。

義父の帰っていいという言葉に瞬時に私は

「私も用があるんです!」と耳の遠い彼に大きな声で。

彼はそうかぁと言った。


彼は雑草と野菜の苗の区別が割とわからなく、

自分の草取りだけに意識を集中し他のものが見えなくなる癖がある・・夫の見解なんだけど。

実際そういう被害に遭ったことが何度となくあるので、

自分のことを見張られているような感覚を持っているのかもしれない。

一人で畑のときを過ごしたいというのがあるのかもしれない。

私に対して畑仕事なんかしなくていいよ、という労りの気持ちがあるのかもしれない。

まぁ、そんなふうで、どうして帰っていいと言うのか、

その真意はわからないのだけれど、

「帰っていい」と彼は言った。

それに対し、瞬時に「私にも用があるんです!」。


そう言ってから、そんなこと言わなくてもよかったな、と思った。

義父みたいに「はぁ」と穏やかに言って、いや、

そう言わなくても、にっこり笑って、畑へと歩いていけばよかったのだ。

そうする姿を見ればそれが私の意思だと彼ならわかるだろう。


「酒は飲まないように」というのは他者である医師からの提案だ。

提案(が、あること)は穏やかに受け容れ、行うときは自分の意思で。

なんでぇ!自分のことは自分で決めるわいっ!・・・そんなニュアンスは彼にはない。

ただただ穏やかに自分の行為は自分の意で。

日常彼を見ていて他のこともそういう感じだ。


彼の姿を見ると他者の言動に瞬時に反応してしまう自分が恥ずかしくなる。
コメント
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