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DAZN観戦 2023年J2リーグ第42節 水戸ホーリーホックvs清水エスパルス

2023-11-15 18:13:46 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の水戸の記事はこちら(38節・千葉戦、1-1)
※前回の清水の記事はこちら(40節・熊本戦、1-3)

<水戸スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 前節(磐田戦、0-5)は長井が左センターバックの3-3-2-2(3-1-4-2)で、そこから微調整。
  • 前半5分頃から杉浦と小原の位置が入れ替わり、左サイドハーフに杉浦。小原はFWというよりはトップ下気味に。
  • 前節出場停止だった山田がスタメン復帰。

<清水スタメン>

  • 自動昇格の条件は、勝利で無条件で確定。引き分け・敗戦ならば磐田・ヴェルディが引き分け以下。(得失点差では2チームを上回っているため並ばれても可)

決戦の最終節。
3つ巴のクラブ(清水・磐田・ヴェルディ)はともに前節勝利し、現状維持の勝ち点差で迎えました。

有利な立場である事は変わらない2位の清水ですが、差は僅かに1。
躓きが許されないのも不変であり、多大なプレッシャーも圧し掛かっている事でしょう。
それ故か、勝ち負けが交錯している成績(過去5戦で3勝2敗)にも拘らず、6戦連続スタメンという選択を採った秋葉忠宏監督。

その秋葉監督が前年まで指揮を執っていたのが、対戦相手の水戸。
最終節でこうした因縁の対決が生まれるのは何の因果かと感じてしまうものの、Jリーグに良くある「開幕節のカード=最終節のカード」という組み方が一因でもあり。(今季のJ2は5試合がそれと、やや中途半端でもあり)
前回対戦時は開幕節だったこのカードで、その際秋葉氏はコーチ。
成績不振による監督交代で昇格した事により、舞台は整いました。

清水にとって運命の一戦が始まると、水戸は前節からフォーメーションを調整。
3バックの前節から、長井を一列上げたというような4-4-2にシフトしておりました。
しかし少し時間が経つと、杉浦と小原の位置が入れ替わり。
守備時は2トップの一角としてプレッシングに加わり、攻撃時はトップ下の如く様々な位置に降りてビルドアップの出口役となった小原。
特に後者が良く効き、「最短距離」を唱える現在の清水とは対照的に、程よい溜めを作りながらボールポゼッションによる攻撃で流れを齎していました。

清水は、何とか中継役の乾にボールを集めて前進せんとするも、水戸の対応は素早く。
彼やサンタナ・カルリーニョスにボールが渡るとすかさず取り囲み、激しいデュエルも辞さずという姿勢で流動性を断ち切り。

こうして土台を整えた水戸の立ち上がり。
清水のプレッシングに対しても、最終ラインをボランチ1人が降りて3枚にする事で対応。
そして2列目に小原やSHが降りてパスを受けるというやり口で、前に運ぶその姿は、水戸1年目の秋葉氏(2020年)のスタイルそのもののようであり。
つまりは個人の技量に乏しいが故に、後ろの人数を重視しつつの繋ぎに徹してのビルドアップ。
それが、個の力で圧倒的に勝る清水相手に牙を向く事となったでしょうか。

度々サイド奥まで進入し、コーナーキックも数多得ていく水戸。
そのCKでも、キッカーに2人(武田・杉浦)を立たせる変則体制を貫くという具合に、「師弟対決」への意気込み度合は濱崎芳己監督の方が上回っていた感があり。
10分の右CK、武田が蹴ったクロスをGK権田がパンチングするも、エリア内左で拾った石井が追撃のシュート。
しかしGK権田のセーブに阻まれ先制ならず。

これらの水戸の徹底した姿勢を前に、自身のサッカーを封じられてしまったような清水。
22分に水戸のパスミスからの好機、拾ったホナウドから素早く運び、左ポケットを取ったカルリーニョスから乾へとスルーパス。
これでCKを得て、二次攻撃で原が(前田に)反則を受けてFKと、セットプレー攻勢を仕掛けたもののフィニッシュには辿り着けず。
攻勢といえたのは前半ではこれぐらいで、後はひたすら水戸の流動性溢れるサッカーに苦しむ事となり、以降の攻撃機会は僅か1度。(自分の集計です)
その姿はやはり、掛かっている物の重圧が伺えるものでした。

一向に良くならない状況を受け、30分台で早くも動く清水。
つまりは3バック(3-4-2-1)への変更であり、中山がウイングバック的な位置取りを見せ始めます。(カルリーニョスが右シャドー・原が右CBに)
後半からの布陣変更というお決まりの流れ(ただし最近自分が観た試合ではそれが奏功するという印象は無く)を、早くも使用するその姿に危機感も高まる清水サイド。

攻め上がる水戸サイドも、36分の安藤のミドルシュート(GK権田キャッチ)をはじめフィニッシュは遠目からが多く。
これがもっと近付くようになると決壊も、という展開ですが、何とかやらせない清水。

しかし45分、前田の敵陣でのボールキープを原が倒してしまい反則となり、直接FKを得た水戸。
横位置は左ハーフレーンのやや中央寄りで、キッカー杉浦は多少距離があったものの躊躇わずに直接狙い。
これがゴール左を襲ったものの、GK権田がファインセーブで防ぎ。
前半は最低といった内容の清水でしたが、ビハインドは避けて前半を終えました。

一方圧倒的に勝っていた内容の水戸も、42分に長井が空中戦でサンタナのチャージを受けて痛んでしまう懸念事項が発生。
その影響かハーフタイムで交代となり、同ポジションで高岸が投入されました。

良かった方のチームが、半分アクシデントも交わってメンバー交代となって始まった後半。
それでも最初の好機はその水戸で、後半2分にGK山口のロングフィードを安藤が合わせにいき、こぼれ球を左奥で拾い直した事による好機。(奥からクロス→小原がヘディングシュート、GK権田キャッチ)
前半の繋ぎの姿勢に加え、こうしたロングボール一本でもフィニッシュに繋げるという具合に、水戸ペースの継続を予感させる入りとなり。

しかし目標に向けて後が無い清水が、いよいよ尻に火を付けたかのように巻き返します。
5分に白崎縦パス→カルリーニョスドリブルからパス→乾中央からミドルシュートという、素早い縦への運びでまずファーストシュートに辿り着き。
これで勢いを得ると、その後は3バックの利点を生かす立ち回りを攻撃面で見せ始め。
即ち、スタートが右サイドバックだった右CBの原が、最前線にまで上がり攻撃に絡むシーンを増やし。
これは明らかに敗戦した前回とは異なる姿勢であり、プレッシャーが良い方に働くというまさに背水の陣のようでした。

ようやく流動性が蘇った清水、8分にはサイドチェンジを絡めてのビルドアップから、中央でホナウドが持つと乾が降りて受けにいったのを逆手に取り左へミドルパス。
スペースを開けた所に山原が走り込むという具合に、相手を釣るオフザボールの動きも交えながら好機を生み出します。
この場面はここから、山原の左奥からのクロスに白崎が合わせヘディングシュートを放ったものの、惜しくもゴール右へと外れ。

水戸に最初の好機以降、全く攻撃させない程に押し込んでいく清水。
15分には最前線まで上がった原が、乾の左からのクロスに合わせヘディングシュートを放ったもののGK山口のセーブに阻まれ。
文字通りゴールまであと少し、という状況だっただけに、後方の乱れが悔やまれる事となり。

16分、縦パスを自陣で前田がカットした水戸、ここからサイドチェンジも使いながら前進に成功してようやく後半2度目の好機。(右から村田がクロスも合わず)
シュートは放てずも、清水サイドも水入りという感じになり。
落ち着くべく最終ラインから繋がんとした、17分に事案は発生してしまいます。
高橋からのビルドアップ、右への展開を選んだ高橋でしたが、脇の原では無く一つ飛ばしでワイドの中山へのパス。
しかし、原を監視する体勢だった杉浦がこれを良い出足でカットすると、そのままクロスに繋げ。
そして安藤のヘディングシュートが放たれると、ゴール左へと突き刺さる電光石火のショートカウンターに。
優勢のなか得点出来なかった水戸が、劣勢のなかで先制に成功します。

これで窮地となった清水。
周知していたかは不明ですが、ほぼ同じ時間で磐田が勝ち越し・ヴェルディが先制に成功したので、密かに勝利が絶対条件と化していたこの試合。
何とか反撃体制を整えるも、焦りからか21分には水戸のカウンターに繋がってしまい。
スルーパスを受けた小原が一気に左ポケット奥まで切り込むも、戻しを経ての再度のポケットへの(石井の)スルーパスが繋がらずに命拾いします。
続く22分にはホナウドが左ハーフレーン→中央へレーンチェンジからのミドルシュート、GKの手前でバウンドさせる難しいボールとなるも、GK山口がセーブ。

23分にベンチが動き2枚替え、中山・カルリーニョス→北爪・北川へと交代します。
終盤戦故にメンバー固定で戦っている清水、交代で入るメンバーも半ばパターン化しつつありますが、形振り構ってはいられず。

水戸が前を向いた所を突きたい清水。
24分にカウンターのチャンスが訪れるも、敵陣で持った乾がキープする事で遅攻へと切り替わり結局シュートは撃てず。
28分には水戸の左スローインを跳ね返し、ベクトルを反転させての好機。
乾が中央からエリア内へ入り込むも、杉浦の反則気味のディフェンスに遭い撃てずに終わります。(反則無し)
一方の水戸ベンチは、27分に武田→得能へと交代。(杉浦が右に移り得能が左SHに)
清水が速攻を狙っているので、必然的に攻守の入れ替わりが激しくなるなか、水戸のカウンターチャンスは30分。
その得能が一気にドリブルで切り込む展開となり、敵陣の浅い所でホナウドが反則で何とか止めざるを得なくなる始末。(当然警告、4枚目も既に最終節なためサスペンドは無し)

刻一刻と厳しくなる清水、35分に2度目の交代。
8試合ぶりのベンチ入りとなったコロリを投入という、パターンから外れた交代に勝負を掛けます。(ホナウドと交代、同時に高橋→岸本へと交代)
そしてボランチを一枚削る事で、3-3-2-2(3-1-4-2)へと布陣も変える、文字通り前方集中の体勢で挑み。

そして直後の36分、GK権田のロングフィードから、空中でヘディングの連続で運んでいくというその通りの強引な攻め。
中央で持ったサンタナがディフェンスに遭うも、岸本が拾って左へ展開、山原がクロスに持っていく執念の繋ぎ。
そしてサンタナのヘディングシュートが放たれると、GK山口が触れるも及ばずゴールに吸い込まれ。
泥臭さを発揮し、終盤一歩手前で同点に追い付きます。

当然、勝利に向けて尚も前へベクトルを向け続ける清水。
右だけでなく、左のCBもSBタイプの岸本を入れた事で、両サイドに人数を掛ける体制は整い。(この攻勢を何故藤枝戦で出来なかったのか……)
38分にはその通り左右からクロス攻勢を掛けた末に、こぼれ球を拾いにいった白崎が安藤に反則を受け。
これで直接FKの絶好機となり、水戸サイドも入念に壁を作る攻防のぶつかり合い。
キッカー山原が直接狙ったボールは、水戸の壁を直撃と勝りを見せます。
それどころかここからカウンターに繋げ、再びの得能のドリブルが北川に倒されて反則・警告と、水戸もこのまま引き分け上等という精神は何処にも見られず。(この直後に安藤→草野へと交代)

それでも43分、再び清水はGK権田のサンタナをターゲットにしたロングフィードから好機。
中央を強引に突破した末に、北川のラストパスを受けた北爪が右ポケットからシュートするも、GK山口のセーブに阻まれ。
尚も右CKで継続し、水戸のクリアミスでこぼれたボールをコロリがダイレクトでシュート。
決まったと思われたこのシュートは浮いてしまいゴール上へ外れ、痛恨の決定機逸となってしまいました。

これを受けた水戸、45分に最後の交代。
小原・杉浦→楠本・柳町へと2枚替え、CBを増やした事で3-4-2-1の5バックシステムへ。
清水の圧力はやはり脅威的で、流石に引き分けOKを選択せざるを得ない最終盤。
それでもアディショナルタイムの最初の好機は水戸で、高岸がミドルシュートでゴールを脅かし。(ゴール左へ外れる)

どうしてもゴールが欲しい清水、白崎ロングパス→サンタナ落としで一気にエリア内を突く攻撃。
水戸のクリアが小さくなった所を、すかさずサンタナがダイレクトでシュート。
強烈なボールがゴール左を襲うもこれも際どく外れと、本当に後一歩ながらモノに出来ません。

その後ゴールキックの際にGK山口が遅延行為で警告を受けるなど、スローペースを交えた水戸の立ち回りに苛立ちを隠せない、水戸のホーム(ケーズデンキスタジアム水戸)に大挙して訪れた清水サポーター。
しかし無情にも時間は経過していき、試合終了の笛が。

1-1で引き分けで終わった事により、勝利した磐田・ヴェルディに抜かれて4位転落。
頭上まで迫っていた自動昇格の権利は、最後のジャンプが足りなく手中にする事が出来ず。
それでもまだプレーオフが残っており、それに賭ける清水。
ホナウドもサスペンドとはならず出場出来るレギュレーションなので、薄氷の昇格だろうが何だろうが、勝ち抜きたい所でしょう。

一方の水戸、前半のサッカーはまさに理想郷といった所であり。
ポゼッションを下地とした攻めに溜めをしっかり交える等、この試合で感じた欠点はすっかり改善されていました。
これで24年連続J2の地位を維持と、名誉とも汚点ともどっちとも取れる経緯となりましたが、果たして来季はさらに成熟し上位を目指す事が出来るでしょうか。

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