このような暗い筋の成因に関する理論の候補には、ダストの雪崩、ドライアイスの流れの蒸発、液体の水の流れなどがある。はっきりしていることは、これらの筋が明るい地表のダストを通して起き、深く暗い層を露出させていることである。火星では長い間類似した筋が撮られ、季節的に外見を変えるいくつかの地表の形の一つである。特に、ここで興味を起こさせるのは、さらなる斜面を下る小さな筋に分けられているその大きな筋である。このイメージは、火星軌道を周っている火星偵察軌道船(MRO)に搭載された HiRISE カメラによって、数ヵ月前にとられた。現在、広域なダストの嵐が火星の多くを囲んでいる。
<出典>: 「今日の天文写真(Astronomy Picture of the Day)」
<大判>: イメージをクリック。
<ひとこと>: クレータなどに見られるダストの筋は現在の火星の水の存在を確かめるために数多く撮られているが、このような鮮明な流れは稀である。なお、このイメージは今年2月に登録されたものであるが、火星は、今、全球的なダストの雲で覆われており、かなり澄んできたものの地上のローバーとの連絡はとれず、軌道の宇宙船からの地表のイメージも途絶えています。