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3月1日(金): 2023ステーション科学の成果/ミッション別ページ

2024年03月01日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

2023年の宇宙ステーション科学の画期的な成果

国際宇宙ステーション(ISS)は、画期的な技術実証や科学調査を行う微小重力研究所である。これまでに実施された 3,700 件以上の調査によって、約 500 件の研究論文が科学雑誌に掲載されている。2023年、軌道上のラボでは 500 件以上の調査が行われた。(大判 略)

2022年10月から2023年10月の間に発表された代表的な成果は以下の通り。

<例1>: パルサーの新しい回転
中性子星は、大質量の星が超新星爆発を起こすときに残される超高密度の物質であり、灯台のように空を覆うビームの中で回転してX線を放出することからパルサーとも呼ばれる。中性子星内部組成探査機(NICER)は、この放射線を収集して、パルサーの構造、ダイナミクス、エネルギーを調査している。研究者らは、 NICER のデータを用いて、六つのパルサーの回転を計算し、それらのスピン特性の数学的モデルを更新した。精密な測定は、重力波の発生など、パルサーの理解を深め、物質と重力に関する根本的な疑問に答えるのに役立つ。

<例2>: 雷光からの学び
大気-空間相互作用モニター(ASIM)は、激しい雷雨によって発生する上層大気の放電が地球の大気や気象にどのように影響するかを研究している。これらの事象は、通常の雷や嵐の雲の高度よりかなり高い位置で発生する。研究者達は、 ASIM のデータを使って、雲の中の閃光の始まりに関する初めての詳細な観察を報告した。雷雨が高高度の大気をどのように乱すかを理解することは、大気モデルや気象予測を改善する可能性がある。

<例3>: 宇宙空間における組織の再生
国際宇宙ステーション(ISS)国立研究所の主催による組織再生・骨欠損(Tissue Regeneration-Bone Defect:CASIS) では、微小重力下での創傷治癒機構を調べた。研究者達は、微小重力が皮膚組織の線維性および細胞成分に影響を与えることを発見した。結合組織の線維構造は、体の臓器に構造と保護を提供する。この発見は、将来の宇宙探査のための、結合組織再生を病気やけがの治療に利用するための第一歩である。

<例4>: 微小重力下での強大な筋肉
日本宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、宇宙空間に人工重力を発生させる多重人工重力研究システム(MARS)を開発した。JAXAでは、MHU-1、MHU-4、MHU-5の三つの実験で、微小重力、月面重力(1/6g)、地球重力(1g) という異なる重力負荷が骨格筋に及ぼす影響を調べた。結果は、月の重力が一部の筋線維の喪失を防ぐが、他の筋線維の喪失を防ぐことはないことを示している。将来のミッションで筋肉の適応をサポートするために、異なる重力レベルが必要になる可能性がある。

<例5>: より良い超音波画像
カナダ宇宙機関(CSA)の調査「Vascular Echo」は、宇宙飛行中や宇宙飛行後の血管や心臓の変化を超音波などで調べた。研究者達は、2D超音波技術と電動3D超音波を比較し、3Dの方が正確であることを発見した。これらのより良い測定は、宇宙でのクルーの健康と地上の人々の生活の質を維持するのに役立つ。

<例6>: これが宇宙におけるあなたの脳である
ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の Brain-DTI 調査では、ニューロン間の未開発の接続を利用して、脳が無重力状態に適応するかどうかをテストした。宇宙飛行前後の乗組員の MRI スキャンでは、特定の脳領域の機能的変化が示され、極限状態下での脳の適応性と可塑性が確認されている。この知見は、宇宙空間や地球上の脳関連疾患を持つ人々の健康な脳機能を促進するための脳の適応と対策をモニタリングする方法の開発を支援するものである。

<例7>: 火炎の疑問に答える
宇宙では火が常に問題になる。一連の実験では、宇宙ステーションから切り離された空のシグナス補給宇宙船を使った、微小重力下での炎の状態を研究するものである。この知見は、微小重力下での火炎の特性の数値モデルの検証に役立ち、将来のミッションにおける火災安全に関する手掛かりとなる。

以下はテーマのみ。詳細は下記「出典」から(英語)。
・ 太陽光素材の改良
・ 泡の気泡を理解する
・ ロボットの動き

<ひとこと>: 大判イメージは省略。

<出典>: Melissa L. Gaskill(著者名です)

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