野中 油彩
水曜朝クラスの山下です。
暖かくなり始めたと思ったら急激に寒くなったりと気温に翻弄される毎日です。
さて、今日ご紹介するのはこちらの作品。
男性雑誌で見つけた映画のポスターを元に制作された絵です。
詳しくお聞きした所、普段人物のみの絵を描きがちだった為、背景のある絵に挑戦したいと思ったとの事。
背景を描く事で、人物の描写だけでは表現しきれなかった秘められた感情などを描く事を目指した、ともおっしゃっていました。
表現したいもの・できる方法を考え挑戦していく姿勢がとても素晴らしいです!
人物の背景に荒々しい波とゴツゴツとした岩を描く事で、この男性は不安な感情を秘めているのか、何かに挑戦しようと意気込んでいるのか、、と様々な想像をかきたてられます。
背景とはただ場所の説明をするだけでなく、登場する人(もの)の状態の説明をしてくれる役割も果たしているんですね。
また、描写面に着目すると、細かい描き込みとこだわりが本当にすごい!
この絵には様々な質感のモノが描かれていますが、人物の険しい表情・光を感じる空の表情・荒々しく今にも音が聴こえてきそうな海の表情・・。
すべての表情が描き分けられていて、様々な魅了で満ちあふれています。
制作する様子を見ていると、ああでもないこうでもないと、ご自身が納得されるまでずっと描き続けていました。無難に妥協する事なくこだわりを突き詰めていく姿勢は、何よりの描写力(表現力)なんだなあと改めて思います。