古田 アクリル
ここ最近、土曜日は雨が続きます。岩田です。
今回、ご紹介する作品は土曜午後クラスに通われている古田さんのアクリル画です。
アクリル絵の具を使って描いている生徒さんは、比較的少ないように感じますが、その利点としては速乾性なので仕事がサクサク進んで行くこと。
芸術系大学受験の実技試験でもアクリル絵の具が使われる理由はそこで、6時間程の試験時間の中でも完成度の高い作品を描くことが可能です。
こちらに挙げた2点の作品も実に明快で美しい出来映えですが、古田さんの手際の良さも相まって割合短い時間で仕上がっているのです。しかもアクリル絵の具を使ってモノを描写したのもまだ数枚ながら、モノを素直な視点で捉え、その自然な佇まいを画面に表現されています。
右手はエスプレッソメーカー。アルミの鈍く光る質感を良く捉えています。平筆を使い、絵の具に加える水を少なめにして、殆どドライブラシ状態で色を重ねていく描画方でモチーフを描きつつ、台上の反射は滲みを活かして表現方法を変えるといったテクニックも駆使しています。
左手の花の描写を見ても古田さんの色使いの美しさが目を引きます。特に花弁同士が折り重なって出来た陰の色が何とも絶妙です。構造、空間といったポイントをしっかり押さえ、実に活き活きとした花を描き出しました。
バランス感覚に長けた作品を描かれる古田さん、先週から取り組み始めた油画の方もどんな作品が出来上がるか楽しみです。