モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

始めは土台から

2022-01-27 20:37:48 | 小学生 絵画

まだまだ寒い日が続きますが、我が家ではそろそろ鍋の味のレパートリーが無くなってきました、ホノカです。
今回は小学生クラスの1、2月カリキュラムである日本画をご紹介します!日本画とは、初めは西洋画と区別する言葉として生まれましたが、現在でもその区分は続いているとされています。日本画において特徴的なのは、やはり用いる材料ではないでしょうか。日本画では石を砕いた岩絵具や、泥に染料を混ぜた水干を、膠(にかわ)と呼ばれる糊で接着させることで描かれます。なので日本画を実際に見てみると表面がザラザラしていたり、石の粒が反射してキラキラしているんですよ!ですが、その石や泥を接着するという性質上、紙にそのまま描くと、紙が折れた際に絵具が剥がれてしまう可能性も。そのため日本画は和紙を木のパネルに水張りする所から始まります。

水張りの手順は、

①和紙の裏に太筆や刷毛でたっぷり水を含ませる ー 和紙に水を吸わせ、繊維を伸ばすことでパネルにピンと張ることができます。紙には伸びやすい方向があるため、縦や横が関係ない斜めのラインで始めに水を含ませると紙を均等に伸ばすことができます。
②中央にパネルを置く

➂パネルをひっくり返し、中央から四つ角へ向かい、そっと手で空気を抜きながら紙を押さえ付け、四辺全てに折り目を付ける ー この時、紙の表面を擦ってしまうと和紙の表面がぼろぼろと剥がれてしまうので、手の平を何度も押し当てるように押さえていきます。
④のりしろの裏から、フエキ糊を付ける(ヤマト糊より、フエキの方が粘度が少なく、伸びやすい) ー 糊をつける際には、同じ場所に糊が付きすぎない様にのりしろ全体に点置きしてから伸ばすと、満遍なく糊がつけられます。

⑤はみ出しても良いので、糊はたっぷりつける
⑥エッジは手の腹の部分全体を使い、しっかり丁寧に押して、貼る
⑦四隅の角を折り込み、完成 ー 最後に貼り残しが無いか確認し、もしあった場合も、和紙は上から糊を付けることで糊が染み込むので、糊を足して貼り付けましょう。

以上が日本画の水張りの手順となります。手間と感じるかもしれませんが、これから描く日本画の土台にもなる重要な部分であり、綺麗に貼ることができれば完成までのモチベーションにも繋がります。全国の絵画教室でも類を見ない小学生の日本画。ぜひ今後の紹介もお楽しみにしていただければと思います!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする