モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

油絵具を自分のものにしよう

2024-10-19 13:25:46 | 大人 油絵・アクリル


當山 油彩

岩田です。今日はほんとに暑かった。もう10月中旬だというのに。

本日は、當山さんの作品をご紹介します。一見分かりにくいのですが、建物であったり、人がいたり、良く見ると風景を描いているのが分かります。

ペインティングナイフによって、分厚く置かれた絵の具が幾重にも重なり、織りなす複雑な色彩が目を引く油彩ですが、當山さんの作品は、アトリエに来て作品を見た時に感じた感覚を大切にしながら、その場その場で、次はこうしようというのを決めていくので、最初の構想と大きく完成のイメージが変わるということも多いのです。

私はよく、最初に完成のイメージをしっかり持って、合理的に描き進めていくことを勧めているのですが、作者の場合は、そうした言葉に当てはめられない、自由な感性が持ち味。
だからといって、いつまでものらりくらりと決めきれずに描いているのではなく、ある程度いったら、スパッと見切りをつけて終わりにするところも當山さんの良いところです。

この絵も、さんざん絵の具をのっけた後、さてどこまで詰めていくのだろうと傍観していたのですが、ものが認識できるかできないかのところで丁度止めたところが良かったのだと思います。ぐいぐい細かいところまで描いていけてしまう人なので、やもすると、溢れかえっているようなマチエールが綺麗な、ありがちな絵になっていたかもしれません。

油絵具は歴史も長く、多くの人が用いてきた描画材なので、新しい表現方法というのは、散々出尽くされてきた感はあるものの、當山さんには、更に油絵具を自分のものにして欲しいと思っています。今回の絵は序章として、作者が実験を重ねてきた様々な素材と組み合わせれば、私から見ても、こんな表現ができるのか!という位驚くような作品を見せてくれるのではないかという期待があるのです。

 

 

コメント
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