松尾 油彩
皆さん、お元気でいらっしゃいますか。土曜日は私、岩田です。
今回ご紹介しますのは、土曜午前クラスにいらっしゃっている松尾さんの油彩をご紹介します。
こちらの作品、ご自身で撮影された街の風景を描いたものです。その独特な世界観を持って描かれる油彩は、唯一無二の魅力を湛えています。
下に敷かれた茶系の石材タイルと背景の建物の青色の対比が美しく、それぞれの色の隙間からはビビッドな色が垣間見えます。脇役とはいえ、下から徐々に積層された絵の具同士が響き合い、複雑かつ美しい色合いとなっています。
画面中央に鎮座するのは桜の木です。おおよそそのようには見受けられないという向きがあるのも当然で、最終的な所謂桜の花弁色を置く前に、下色として補色を中心とした絵具を帯状に配しているのです。
更に作者の意向で、その下色を敢えて残し仕上げるということをした為に、点描で描かれた花弁とそれらの色が絡み合い、面白い表現となっているのです。
いつも何か実験的要素を投影し作られる画面は、ご自身が思いもよらぬ効果を生み出しているのでしょう。だからこそ松尾さんの画面からは、いつも新鮮な印象を受けるのです。