モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

ひとつの枠には納まりようもない。

2020-10-10 23:48:49 | 大人 油絵・アクリル


河内 油彩

肌寒さも時に感じるこの頃、皆さん元気でお過ごしでしょうか。岩田です。

本日は、土曜午前クラスの河内さんの作品をご紹介します。
これまでも多様なものを様々な画材で描かれていますが、こちらの2点の油彩は基本的に風景を描いたものになります。
とはいえ、アプローチの仕方は両者全く違うもので、左手の作品はご自身が撮影された身近な日常の場所を題材として選ばれました。

色々な日用品や鉢植などが雑多に置かれた空間。こうした昭和の雰囲気を残した風景は、私が住んでいる都心から少し離れた地域では今でも時々目にしますが、開発がまっしぐらに進んでいるようなところでは、どんどん見ることが出来なくなっていますね。
こちらの絵もそうした生活感が漂っていて、人間臭さが感じ取られます。だけどもそれらをとても美しい色合いで、尚且つ温かい目線で捉えているところが河内さんならではです。

うって変わって右手の作品は、アメリカのアンテロープキャニオン、長年による水の浸食で、砂岩が様々な形状に変化した場所。そんな画像を題材に、抽象的な作品を制作しようというのがこの作品のコンセプト。
中々落としどころが難しい取り組みですが、結果的にとても面白い画面になりました。岩場を描写しているような雰囲気を残しつつ、様々な色を用いた実験的取り組みといえます。

ひとつの枠には到底納まりきれない河内さんの取り組み。これからも楽しみにしています。

 
アンテロープキャニオンは柔らかい砂岩を深く侵食して出来た、洞窟・穴のような渓谷。一番の見どころは太陽の光でできた"ビーム"とのこと。朝3時頃に出発してひたすらバスに揺られ、ようやく見られる幻想的なツアーだそうです。

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苦労と色を重ねて

2020-10-09 11:11:33 | 大人 油絵・アクリル


大坪 油彩

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは大坪さんの油彩作品です。
元々豆より小さいてんとう虫を、これまた小さなキャンバスに描いていったので、制作中は非常に苦労されていたそうです。また、ボリューム感を出す為に、背中の硬い前ばね(上翅-じょうし)にペインティングナイフでかなり油絵具を盛ったので、最終的にテカテカにするのにも苦労されていました。てんとう虫は小学校の校庭の隅の植木でよく目にしていましたが、こうして拡大して描かれたのを見ているととても可愛らしく見えます。苦労されただけあって、てんとう虫特有のコロッとしたシルエットや、ツヤツヤの体の質感がよく伝わってきます。
また、葉に落ちる影も自然に見せる事にも苦労されたそうです。この青みがかった影により、夏の強い日差しが間接的に感じられます。なんだかてんとう虫が日陰を求めて葉の上を歩いている様にも見えてきて微笑ましいですね。
葉の緑には沢山の色を薄塗で重ねているので、そこから様々な色味を感じられ非常に魅力的です。油絵のこうした色の響き合いは見ていて気持ちが良いですね。この葉の緑とてんとう虫の赤は補色の関係にもなっているので、お互いの色を引き立てる組み合わせとなっています。(クリスマスのカラーにも同じ様に赤と緑がよく使われていますね)
構図に注目してみると、全面を緑の葉で埋めるのではなく、右側の上下に空間の抜けを作る事で小さい画面の中に葉の向こう側の空間を生み出しています。こうした抜けは画面全体のバランスを取る上でも重要になってきます。皆さんも画面構成に行き詰まった際は、空間の抜け感を意識してみてはどうでしょうか?

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油絵3

2020-10-08 22:03:34 | 小学生 絵画


上段左から 麻矢 3年 / 航大 2年 / 開 2年 / 芽 3年
下段左から 優百 1年 / 文美 3年 / 武王 2年 / 昴大 2年

ユーチューバーのりキンです。
小学生クラス油絵制作の第三弾!
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大自然パワー!

2020-10-06 22:59:53 | 大人 油絵・アクリル


植松 油彩

気圧の変化に見事にやられています、一平です!本日は日曜クラスの植松さんの油絵をご紹介します。

海の浸食により荒々しく削られている崖の迫力が強烈な一枚。ペインティングナイフを初めて使われたという事でしたが1回目には見えない巧みなテクニックを感じます。麻場さんのこの絵からマチエールの付け方にヒントを得てチャレンジされました。

生物が生存するには過酷すぎる環境だからこそこのようなモスグリーンの植物しか生えていないのかと思うと、大自然の厳しさがより強調されているようです。そしてもちろん海や崖にもただ青!茶色!ではなくピーコックグリーンやイエローオーカーなど様々な色を駆使していて、より深みを与えています。今小学生たちが油絵をやっていますが、めんどくさがって単色ですぐ塗って済ませようとする子たちに見せてあげたいような絵です。(めんどくさがる子達は我々がもちろんタダじゃ済ませませんが

そんな自然の強さを感じる絵の左上を見てみると、過酷な環境下でも波から身を守るための外壁を作り、住むための家を建てて生活してしまう人間がいるようです。そんな人間の生命力や逞しさが、少しの植物しか生えていない崖とのコントラストでより強く感じられます。晴々とした空と鮮やかな海、そして断崖絶壁という大自然の中に対照的に存在する人工物のギャップが上手く作用しているのだと思います。

僕は若干海洋恐怖症なのですが、植松さんのこの絵を見ていると良い意味でブルッとしてしまいました!見ている人に何かしらの気持ちを想起させるのは絵に力がある証拠ですね。そのくらい荒々しいけれども深く美しく、時に恐ろしい海の魅力を感じます。

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油絵2

2020-10-05 14:20:28 | 小学生 絵画


上段左から 朋香 4年 / りおん 1年 / 悠里 3年 / 凜 4年
下段左から 絢心 3年 / 結斐 1年 / 謙太 3年 / 齢萱 1年

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小学生クラス油絵制作の第二弾!
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客観的な視点と配慮

2020-10-03 17:03:52 | 大人 油絵・アクリル


麻場 油彩

土曜日は、岩田が担当致します。

本日は、午前クラスに通われている麻場さんの作品は剱崎。こちらの作品を見ても感じられるように、三浦半島の中で最も突き出ている場所。
波の浸食でできた岩礁は様々に入り組み、目をくぎ付けにするような光景をも見せてくれます。

今回の麻場さんの作品もそうした岩同士が織りなす変化と質感を魅力的に捉えています。ご本人がここを訪れた際、目の前に広がる風景に心を奪われ、思わずシャッターを切った(推測)というような心情がダイレクトに画面に現れている作品だと感じます。

岩礁の形体的変化のみを忠実に捉えようとするだけでなく色彩の変化にも面白みを与え、全体の統一した印象を大切にしている辺りを見ても、ちゃんと客観的な視点からの絵づくりを忘れていません。
又、灯台の立つ突端を見つめながら話をする男女を違和感なく描き入れ、ストーリー性をも構築しています。

バランス感覚に優れ、画面の隅々にまで配慮を怠らない麻場さんの作品は、完成度も高いです。もうそろそろ個展をされてみては?そこから学ぶことも色々あるはずです。

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水粘土で立体を捉える

2020-10-02 15:43:40 | 大人 パステル・色鉛筆・他


中崎 水粘土

大竹です。今回はこのブログでは珍しい水粘土のご紹介です。
水曜夜間大人クラスに通われている大学生の中崎さん、ストイックに基礎の鉛筆デッサンを重ね、手のデッサンを数枚続けて描かれていたそうです。そこで小原先生が「彫塑で使う水粘土はご存知ですか?平面の絵に立体感を出す為に良い勉強になりますよ!」とお薦めし、水粘土に取り組まれておりました。短時間で雰囲気をサッと出す事ができ、初回とは思えない完成度の作品になりました。
私も大学の彫塑の授業でモデルさんのバストアップの制作をやりましたが、デッサンのような立体を平面に置き換える作業とは違い、立体から立体を写しとらなければいけません。その為、あらゆる角度から観察し形の辻褄を合わせなければならず大変苦戦した記憶があります。同じ方向ばかり観察して作っていても、その方向から見た時は良い形に見えても他の角度から見ると歪んで見えてしまいます。ですので、その授業ではモデルさんは回転する台の上に座り、10分毎に台を少しづつ回転させてあらゆる角度から観察しながら制作していました。
また、表面的な表情(手でいうとシワや血管の凹凸など)を先に追いたくなってしまいますが、まずは形そのものをきちんと捉え、立体感を掴んでいく事が大切です。こうした事はデッサンと同じですね。中崎さんの手もしっかりと形を捉えており、掴んだら握り返してきそうな迫力さえあります。ご自分でも向いていると思われたようで、もう一度チャレンジされたいと現在は水粘土でスニーカーを模写しています。

水粘土にチェレンジされたい方は、アトリエに材料は揃っていますのでお声掛けください。普段見慣れて知っているつもりでも、立体物として見ながら制作してみると新たな発見が沢山あると思いますよ!

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小学生の油絵1

2020-10-01 15:41:49 | 小学生 絵画


上段左から 愛花 2年 / 莉央 1年 / 結生 1年 / 隆翔 1年
下段左から 紗和 1年 / 珠生 1年 / 怜奈 1年 / 陸 2年

ユーチューバーのりキンです。10月になりましたね。
小学生クラスでは、8月・9月と2ヶ月掛けて油絵制作のカリキュラムが組まれていました。本日で完成予定のカリキュラムでしたが、未完成の子も多いです。
終わらない理由は主に、妥協をしたくないタイプ、もしくは妥協をしたくない年齢=高学年だから。
飽きてさえいなければ、どれだけ時間を掛けても構わないので、存分にこだわって欲しいと思います!

完成した子ども達から順に、ユーチューブでご紹介していきます。 まずは8/100人から
YouTubeはこちら

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