あなたを送ったあの日…
湖のほとりで、何も残していかなかったあなたを送るために、ノートの切れ端を燃やして送ったあの日…
私はまだあなたがいなくなった事実を受け入れられないでいた。
信じたくなかった。
だから…私は泣かなかった。
「君が泣かないから余計辛い…。」とサンヒョクは言ったけれど。
泣いてしまえばあなたが本当にいなくなってしまうような、もう二度と会えなくなってしまうような、そんな気がしていた。
家へ帰ると、一通の郵便物が届けられていた。
開けてみると、それは一本のカセットテープだった。
あなたからのクリスマスプレゼント。
スピーカーから流れる「初めて」
… 私だけに弾いてくれた曲。
そして…
「…幸せでありますように…。」
あなたの明るい声…
私の中で何かが崩れ落ちた。
支えていたものが…
涙が溢れ出した…
翌朝
目を赤く腫らしている私を見て
「ユジン、どうしたの?」と母が聞いた。
「あの…、同級生が急に亡くなってね、転校してきたばかりの人…。だから、そんなに親しかったわけじゃないんだけど、同じ放送部だったし、…昨日までいた人が急に居なくなるのって、淋しいでしょ…。」
「そう、気の毒にね…。なんていう人?」
「カン・ジュンサン…」
声が震えた。
泣いてしまいそうだった。
「ユジン、大丈夫?顔色も良くないわ。」
「大丈夫よ。ちょっと夜更かしして睡眠不足なだけだから。」
〈母にはこれ以上心配はかけられない。〉
それからは、母の前では勤めて明るく振舞わなければならなかった。
一ヶ月も経つと、皆はもう何事もなかったかのよう。
あのチェリンでさえ…
あなたの机に飾ってあった花もいつかなくなっていた。
三月になって三年生に進級すると、あなたのことを話す人もいなくなった。
私だけがあの日のまま、取り残されてしまった。
あの日から…
私は一人で居ることが多くなった。
いいえ、一人で居たかった。
一人で居れば傍(かたわ)らにあなたが居るような気がしたから…
幸い皆受験で頭がいっぱいだったから、私の変化に気付く人もいない…と思っていた。
あの日から…
遅刻魔だった私が朝早く学校へ行くようになった。
母と顔をあわせているのが辛かったから…。
母には「遅くまで補習を受けられないから、早く行って勉強する。」
と嘘をついて…。
朝、誰もいない放送室。
レコードを棚から取り出す。
「初めて」…
あなたが私にくれるといって持ってきてくれたあのレコード
レコード盤がゆっくりと回転を始める。
針を落とす。
誰にも邪魔されない、私とあなただけの時間…。
あの日から…
もういない 天国からの メッセージ
あなたの声が 私を泣かす
気丈にも 振舞うしかない 切なさに
名を告げるとき 声が震える
一人でも 一人ではない あなたとの
秘密の時間 放送室で
ゆっくりと 回るレコード 針落とす
私を包む 「初めて」の調べ
湖のほとりで、何も残していかなかったあなたを送るために、ノートの切れ端を燃やして送ったあの日…
私はまだあなたがいなくなった事実を受け入れられないでいた。
信じたくなかった。
だから…私は泣かなかった。
「君が泣かないから余計辛い…。」とサンヒョクは言ったけれど。
泣いてしまえばあなたが本当にいなくなってしまうような、もう二度と会えなくなってしまうような、そんな気がしていた。
家へ帰ると、一通の郵便物が届けられていた。
開けてみると、それは一本のカセットテープだった。
あなたからのクリスマスプレゼント。
スピーカーから流れる「初めて」
… 私だけに弾いてくれた曲。
そして…
「…幸せでありますように…。」
あなたの明るい声…
私の中で何かが崩れ落ちた。
支えていたものが…
涙が溢れ出した…
翌朝
目を赤く腫らしている私を見て
「ユジン、どうしたの?」と母が聞いた。
「あの…、同級生が急に亡くなってね、転校してきたばかりの人…。だから、そんなに親しかったわけじゃないんだけど、同じ放送部だったし、…昨日までいた人が急に居なくなるのって、淋しいでしょ…。」
「そう、気の毒にね…。なんていう人?」
「カン・ジュンサン…」
声が震えた。
泣いてしまいそうだった。
「ユジン、大丈夫?顔色も良くないわ。」
「大丈夫よ。ちょっと夜更かしして睡眠不足なだけだから。」
〈母にはこれ以上心配はかけられない。〉
それからは、母の前では勤めて明るく振舞わなければならなかった。
一ヶ月も経つと、皆はもう何事もなかったかのよう。
あのチェリンでさえ…
あなたの机に飾ってあった花もいつかなくなっていた。
三月になって三年生に進級すると、あなたのことを話す人もいなくなった。
私だけがあの日のまま、取り残されてしまった。
あの日から…
私は一人で居ることが多くなった。
いいえ、一人で居たかった。
一人で居れば傍(かたわ)らにあなたが居るような気がしたから…
幸い皆受験で頭がいっぱいだったから、私の変化に気付く人もいない…と思っていた。
あの日から…
遅刻魔だった私が朝早く学校へ行くようになった。
母と顔をあわせているのが辛かったから…。
母には「遅くまで補習を受けられないから、早く行って勉強する。」
と嘘をついて…。
朝、誰もいない放送室。
レコードを棚から取り出す。
「初めて」…
あなたが私にくれるといって持ってきてくれたあのレコード
レコード盤がゆっくりと回転を始める。
針を落とす。
誰にも邪魔されない、私とあなただけの時間…。
あの日から…
もういない 天国からの メッセージ
あなたの声が 私を泣かす
気丈にも 振舞うしかない 切なさに
名を告げるとき 声が震える
一人でも 一人ではない あなたとの
秘密の時間 放送室で
ゆっくりと 回るレコード 針落とす
私を包む 「初めて」の調べ