ユジンがアメリカへ来た翌日。 手術がもうすぐ始まろうとしている。
「必ず戻ってきてね。待ってるから…。
そうだ、昨日は慌てていてプレゼントのお礼を言うのを忘れていたわ。
ジュンサン、ありがとう」
ユジンの胸にポラリスが輝いていた。
「ユジン…。
今度はユジンが僕のポラリスだね。
必ず迷わないで戻ってくるから」
手術は無事成功した。
ジュンサンは集中治療室に運ばれまだ眠っている。
「ご家族の方にお話があります」
主治医に呼ばれた。
「あなた、ユジンさんにも聞いていただきましょう。
ジュンサンにとって一番大切な人よ」
ミヒが言った。
「そうだな。ユジンさんどうぞ一緒に先生のお話を聞いてください」
「お母様、お父様、私なんかがいいんでしょうか」
ユジンは戸惑いを覚えた。
「ユジンさん、もう私はあなたのことも、あなたのお父様のことも憎んでいません。
もともと憎むべき相手ではなかったのよ。
私のせいでジュンサンとあなたの仲を引き裂くようなことになってしまって、本当に申し訳ないと思っているの。
そのことはまた後でお話しましょう。
さ、先生が待っていらっしゃるわ。
あなたにとって辛い話かもしれないけれど…」
「先生、ありがとうございました」
「失礼ですが、こちらの方は」
「息子の婚約者です。
フランスに留学中だったのですが、手術を受けるよう説得に来てもらいました。
一緒にお話しいただいて差し支えありません」
イ氏の言葉に驚いたユジンはミヒを見た。
ミヒは目で「これでいいのよ」と頷いて見せた。
「手術は成功でした。これで当面の危機は回避できたと思います。
ただ残念ながら、一部取ると返って脳に傷をつける可能性があって、少し血腫が残っています。
また、手術の時期が遅れたためにかなりダメージを受けています。
今後も失明の危険と、再び症状が悪化する可能性が考えられます。
体力が回復すれば退院し日常生活に戻ることもできますが、引き続き通院治療、経過観察が必要です」
主治医の話は厳しい内容のものだったが、ともかく手術は間に合ったのだ。
三人は一様に安堵のため息を漏らした。
「先生、面会はできますか」
「まだ麻酔からさめていませんので、意識が戻り次第お知らせします」
「ユジンさん、本当にありがとう。あなたのおかげよ」
「いいえ、お母様。呼んでくださって、本当に感謝しています」
「ユジンさん、空港から直接ここへ来てまだホテルは取っていないんじゃない?
夕べもジュンサンに付きっ切りだったし。
少し休まないとあなたが倒れてしまうわ」
「お許しいただければジュンサンの目が覚めるまでここにいたいのですが。
わがまま言ってすみません」
ユジンはジュンサンのそばを離れたくなかった。
ミヒとイ氏はユジンに無理をしないようにと言い置いていったん自宅へ帰っていった。
人気(ひとけ)のない廊下に待つユジンを見つけて看護師が
「まだ麻酔が切れないけれどもお顔だけでも見ますか」
と声をかけ集中治療室へと誘(いざな)ってくれた。
ジュンサンの顔はずいぶん病みやつれていたが、穏やかな表情で眠っていた。
「良かった。生きていてくれて」
ユジンの目から安堵の涙がハラハラとこぼれ落ちた。
「ありがとうございました。廊下で待っていますので」
といって部屋を出ようとすると先ほどの看護師が
「経過が良いようなので後一時間ほどで個室のほうに行かれると思いますよ。
お部屋でお待ちになったら?」と言った。
ユジンは部屋でジュンサンを待つことにした。
「必ず戻ってきてね。待ってるから…。
そうだ、昨日は慌てていてプレゼントのお礼を言うのを忘れていたわ。
ジュンサン、ありがとう」
ユジンの胸にポラリスが輝いていた。
「ユジン…。
今度はユジンが僕のポラリスだね。
必ず迷わないで戻ってくるから」
手術は無事成功した。
ジュンサンは集中治療室に運ばれまだ眠っている。
「ご家族の方にお話があります」
主治医に呼ばれた。
「あなた、ユジンさんにも聞いていただきましょう。
ジュンサンにとって一番大切な人よ」
ミヒが言った。
「そうだな。ユジンさんどうぞ一緒に先生のお話を聞いてください」
「お母様、お父様、私なんかがいいんでしょうか」
ユジンは戸惑いを覚えた。
「ユジンさん、もう私はあなたのことも、あなたのお父様のことも憎んでいません。
もともと憎むべき相手ではなかったのよ。
私のせいでジュンサンとあなたの仲を引き裂くようなことになってしまって、本当に申し訳ないと思っているの。
そのことはまた後でお話しましょう。
さ、先生が待っていらっしゃるわ。
あなたにとって辛い話かもしれないけれど…」
「先生、ありがとうございました」
「失礼ですが、こちらの方は」
「息子の婚約者です。
フランスに留学中だったのですが、手術を受けるよう説得に来てもらいました。
一緒にお話しいただいて差し支えありません」
イ氏の言葉に驚いたユジンはミヒを見た。
ミヒは目で「これでいいのよ」と頷いて見せた。
「手術は成功でした。これで当面の危機は回避できたと思います。
ただ残念ながら、一部取ると返って脳に傷をつける可能性があって、少し血腫が残っています。
また、手術の時期が遅れたためにかなりダメージを受けています。
今後も失明の危険と、再び症状が悪化する可能性が考えられます。
体力が回復すれば退院し日常生活に戻ることもできますが、引き続き通院治療、経過観察が必要です」
主治医の話は厳しい内容のものだったが、ともかく手術は間に合ったのだ。
三人は一様に安堵のため息を漏らした。
「先生、面会はできますか」
「まだ麻酔からさめていませんので、意識が戻り次第お知らせします」
「ユジンさん、本当にありがとう。あなたのおかげよ」
「いいえ、お母様。呼んでくださって、本当に感謝しています」
「ユジンさん、空港から直接ここへ来てまだホテルは取っていないんじゃない?
夕べもジュンサンに付きっ切りだったし。
少し休まないとあなたが倒れてしまうわ」
「お許しいただければジュンサンの目が覚めるまでここにいたいのですが。
わがまま言ってすみません」
ユジンはジュンサンのそばを離れたくなかった。
ミヒとイ氏はユジンに無理をしないようにと言い置いていったん自宅へ帰っていった。
人気(ひとけ)のない廊下に待つユジンを見つけて看護師が
「まだ麻酔が切れないけれどもお顔だけでも見ますか」
と声をかけ集中治療室へと誘(いざな)ってくれた。
ジュンサンの顔はずいぶん病みやつれていたが、穏やかな表情で眠っていた。
「良かった。生きていてくれて」
ユジンの目から安堵の涙がハラハラとこぼれ落ちた。
「ありがとうございました。廊下で待っていますので」
といって部屋を出ようとすると先ほどの看護師が
「経過が良いようなので後一時間ほどで個室のほうに行かれると思いますよ。
お部屋でお待ちになったら?」と言った。
ユジンは部屋でジュンサンを待つことにした。