優緋のブログ

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小説 敬台院

2005-07-20 18:06:39 | 読書
先日あげた「買った本リスト」からまず一冊読破。ほっ♪
〈とは言うものの前に一度読んだ物ですが。〉

敬台院(きょうだいいん)-小笠原秀政の娘、万姫。
母は岡崎どの。岡崎どのは徳川信康の娘であり、つまり敬台院は徳川家康と織田信長のひ孫ということになる。〈信康の妻は信長の娘、徳姫〉

現代の私達の目から見ると、「家康と信長のひ孫」といわれれば「平和になった江戸時代、権力の中枢で豊かな生涯を送った人」と思ってしまうかもしれない。
しかし、母の岡崎どのは孤独な人であったのではないか?
父は祖父に切腹させられ、母は幼い娘を置いて尾張に戻ってしまったのだ。

しかも、当の敬台院ー万姫は家康の手駒の一つとして蜂須賀家に嫁がされる。
蜂須賀家政は豊臣方と目されており、福島正則、加藤清正らとともに家康にとって“必ずつぶさねばならぬ家”の一つであった。

父の秀政は剣よりも書見を好む物静かな人物であった。
万姫はその父に似たのか幼い頃より手習いに興味を示し、賢く美しい姫であった。
手習いの師匠である宮谷壇林の老僧の教えにより、万姫は7歳ごろから南無妙法蓮華経の本尊を拝んでいた。

11歳で嫁いだ万姫は、回り全部が豊臣に心を寄せる者ばかりの四面楚歌の環境の中、法華経の信心を保ちつつ、蜂須賀家の存続の為に心を砕いてゆく。
しかし、長女、夫、長男にも先立たれ、婚家の蜂須賀家の宗旨もついに替えることができなかった。
晩年は江戸から阿波に戻り民衆へ教えを広めることに専心する。

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