堤防の獣道を上る。早朝4時半。梅雨の晴れ間の日の出が見られると嬉しくなる。
堤防上から日の出を撮ろうとしたとき、誰かの視線を感じた。川側の斜面に耳を立ててこちらをじっと見ている三毛猫。子猫より少し大きい。身じろぎもせず私の目を見ている。「カワイイ。ごめんね、連れて帰れないよ。連れて帰りたいけどね」と、出た言葉。猫と自分に言い聞かせている。
我が家は7人家族。ペットは飼わないと暗黙の決まり。誰がどうすると言ったところで、最後には息子の嫁の手を煩わせることになる。そのように分かっていながら、舌を鳴らして猫の反応を見た私。人恋しくて近寄って来たならどうするのか? そんなことまで想像しながら、猫を呼ぼうと舌を鳴らしたのはどういうことだろう?
猫はその場に半身を伏せて、じっと私を観察している様子。近寄っても逃げないかもしれない。もし、逃げないで私に抱かれたらどうするのだ? もう一人の私が聞く。
つっと、一歩を踏み出した。猫はさっと身を起こし護岸のコンクリートの方へ身を翻した。そして、コンクリートの端に止まり、こちらを見た。もうここまでは来ないだろうと予測したらしく、耳を立てたまま、こちらを向き、身を正した。
私は何故、この三毛猫を野良だと思ったのだろう? よくよく考えてみれば、野良にしては汚れていない。それに以前、この近くの家で飼われていた白黒のちびっこ猫は、ママの連れているダックスフンドと、抱っこされていたチワワの老犬と一緒に散歩していた。白黒ちびっこは、みんなの前を行ったり後ろを追いかけたりしていた。そのうち、どこかへ貰われて行ったと聞いたが。もしかして、あの家で新しく飼われた猫かもしれない。
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