石森則和のSEA SIDE RADIO

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石森則和がお届けするブログです!

BASS OF LOVE

2007-05-26 | Weblog
※スターダストレビュー、6時間ライブについては
5月20日分のブログを見てね。
・・では、本題。



僕がピアノの次に始めた楽器はコントラバスだった。
バイオリンの仲間で、いちばんでっかいやつな。

どっかにも書いたけど
小学校5年生の時の担任
「丸山先生」に薦められたからだ。
そんでバスケと陸上をやめた。

それから高校まで、ずっとコントラバス。

高校の音楽の単位は
このコントラバスのソロ演奏でいただきまんもす。
実家には、今も自分のコントラバスが置いてある。

「ダブルベース」ともいうけど
これはドイツ語と英語の違いだけなのさ。
ブラスにいたときには
「弦バス」とも言われた。

ちなみにジャズになると
「ウッドベース」と言ったりもする
・・・「昔の名前で出ています」みたいになってきた。

ことほど左様に様々なジャンルで活躍する楽器であり、
僕にとっては
それぞれのジャンルに「ベースの かみさま」がいた。

クラッシック界においては「Gary Karr」
超絶的で美しい演奏。
「Gary Karr」公式サイトはここをクリック!(音がでるよ)

そもそも少年時代の僕はコントラバスが
「ソロ」として活躍できるなんて思ってもみなかった。

どこのオーケストラにも属さなかった
初のソロ・コントラバス奏者だ。

一方、ジャズ界における僕の憧れは「Ron Carter」

「Gary Karr」とは違い、
ハイ・ポジションの音程はあやしいけれど
「自分の音、スタイル」を持っていて、酔わせてくれる。

このまま、ずっと聴いていたくなるのだ。

ベースへの寄り添い方がかっこいい。
「Ron Carter」公式ページ(音がでますって)

ただ、2人とも自分にはあまりにカリスマすぎて
少年の僕には、あまりも遠い存在だった。
ひょっとすると
「本当はいない、伝説の存在」にすら思えるような。



でも、大人になって、
コントラバスから離れてしまうと
いつのまにか聴かなくなっていた。

なんだか
親友だったはずの友達と疎遠になっていくようで
後ろめたさまで感じたけど。


それなのに
何故、今頃
そんなことを急に思い出したのかというと



仕事帰りに、電車に乗っていたら、
ドアの上の液晶モニターでロンが演奏していたから。



ああ、まだやってたんだ。
(※Gary Karrのほうは2001年に引退した)


この小さなモニターにはスピーカーがついていないが、
彼の指の動きで
マジで音が聞こえてきたような気がした。
そして、その若々しさに驚いた。


よく見ると、この電車の中は
「ロン」のポスターでいっぱいだった。

いわゆるADトレインってやつだ。
コンビニなどで売っている
「タリーズコーヒー」(伊藤園)の宣伝だった。

満員電車の中は
ため息で満たされていくけれど。

でも。

誰も気付かないだろうけど、
みんの頭上で、奇跡は奏でられていく。

僕は彼の、音のないプレイを楽しみながら

幸せな気持ちで
横浜の自宅をめざしたんだ。