たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

森林経営管理法(その4) <Q&A資料から経営管理権集積計画を読み解いてみる?>

2018-12-06 | 農林業のあり方

181206 森林経営管理法(その4) <QA資料から経営管理権集積計画を読み解いてみる?>

 

今朝の毎日・和歌山版に若い人たちのすがすがしい取り組みが掲載されていました。<西日本豪雨「豪雨ミカン」買うぜ 湯浅の農家が愛媛支援 CFで協力呼びかけ /和歌山>です。ミカン県同士で、お互い競い合っていると思うのですが、西日本豪雨で愛媛県のミカン産地は大被害を受けたニュースは繰り返し報道されていました。和歌山も規模は小さくても同じように被災しましたね。それでも<豪雨ミカン>と銘打って、いま話題のクラウドファンディング(CF)を使って宇和島ミカン農家に支援の手をあげたのです。うまくいくことを期待したいです。

 

ところで、連載中の?新法について、概説段階から林野庁の<森林経営管理制度(新たな森林管理システム)に関するQA>に依拠して、少しだけ今後の行方を探ってみたいと思います。

 

今回は<経営管理権集積計画の作成事務>を取り上げたいと思います。

質問に対する回答は11頁以下にあります。

 

そもそも「経営管理権集積計画」って何でしょうという疑問があるでしょうね。これはQ&Aの最初に<経営管理権集積計画及び経営管理実施権配分計画の性質>というタイトルで、個別の質問と回答を用意していますが、具体的にその違いを説明していないようです。前者は市町村を念頭におき、後者は林業経営体を念頭に置き、前者については経営管理権、後者については経営管理実施権について、集積計画、配分計画を想定しているように思えるのです。ただ、解説はもっぱら経営管理権を中心にして書かれています。

 

経営管理権は<森林所有者の委託を受けて伐採等を実施するために市町村に設定される権利>であり、経営管理実施権は<市町村の委託を受けて伐採等を実施するために林業経営者に設定される、経営管理権に基づく権利>ということで、おおざっぱにいえば経営管理という計画する権利と、その実施をする権利といったいい方も可能かもしれません。所有者、市町村、林業経営者(意欲と能力が必須要件)と委託が連続する関係ですね。

 

で、昨日基本的概要を説明したので、この計画の性質論は別の機会にします。

 

作成事務ですから、市町村の役割です。とはいえ、この内容次第で、委託を受けるかどうかの重要な事柄と考えますので、とりあえずこの内容を少しでも理解しておこうかと読み出した次第です。

 

市町村がまず最初にやるべきこととして、<「林業経営が成り立つ森林」「そうでない森林」>の仕分けが必要ですが、それをどのようにするのか、これについて回答では<森林資源の状況(傾斜など)や路網整備の状況、木材の供給先の有無など、森林の自然的経済的社会的条件により判断していただくことになります>とまず答えています。

 

ところが、次に<民間事業者が再委託を受けない森林は経営的に適さない森林であると判断することもできると考えています。>まあ市町村でなかなか判断がむずかしいことも想定して、民間事業者の経営判断に委ねている(丸投げのおそれもあります)というのが現状からやむなしと思っている節があります。

 

ただ、そうなると、現在森林管理が放置されている原因が経済的採算性が見込まれないからという理由が主ではないかと思われますので、再委託について強力な支援制度を用意しないと再委託できませんということで、そのままになってしまうおそれを心配します。

 

むろん市町村が強力に<森林の自然的経済的社会的条件>を見定めて、独自に<「林業経営が成り立つ森林」>と選別できるといいのですが、あるいは林野庁が省令・通知で、そのあたりの指標なり指針なり、明確なメルクマールを用意することで、仕分けが容易になるかもしれませんが、日本の森林は極めて地域性があり、全国的な統一基準は当てはまらないことが多いでしょうね。建築とか都市計画と言った人工的なものでもそうですから、人工林とかいっても自然条件の影響が高い森林では、容易でないでしょう。

 

いつのまにか駄文で30分が過ぎました。今日も中途半端ですが、少し仕事が遅れ気味で、今日も余裕がないのと、疲れ気味ですので、この程度でおしまいとします。また明日。