181219 ゴルフ場と里山 <NHKBS 「ニッポンの里山」で紹介されたゴルフ場の豊かな生態系>
最近はゴルフ場に通う人も少なくなったのではないかと思います。私の年代だと、たいていの人(というと誇張でしょうか)がゴルフ場通いをしていたように思います。私もその一人でした。といっても知り合いの誰かのように、毎週一回は通うことを標榜していた30年前でも、2ヶ月に一回未満くらいでしたか。練習場は週に一回以上だったように思いますが。
一泊付きで行くこともありましたが、それは首都圏だとなかなか自然豊かなゴルフ場が少ないこともあったように思います。80年代から90年代初頭にかけてバブル景気の先頭をきってゴルフ会員権がうなぎ登りに上昇したこともあって、乱造されましたね。千葉県なども飛行機から下を覗くと見苦しいほどの状況でした。古くて格式のあるゴルフ場は別にして、コースを仕切る木々も薄っぺらなものがほとんどでした。とても自然に親しむといった場所ではなかったと思います。
仕事から離れて自然豊かな空気を味わうといった場所は滅多になかったですね。90年代に入り当時の環境庁が森林地での皆伐を抑制し、一定の森林を残す規則だったかと思いますが、策定し、少し元の森が残される余地がでてきたかと思います。そしてバブルがはじけたこともあって、ゴルフ場開発はぐっと下火になったように思います。
そんな過去を少し思い出しながら、NHKBSプレミアムで毎日放送している「ニッポンの里山」で、ゴルフ場が登場したのには一瞬驚きつつも、興味がそそられました。この朝の番組は日本各地で鋭意努力して維持されてきた豊かな里山を紹介していて、心安まる朝のひとときを迎えることができます。それでもゴルフ場が登場したのは私が見だしてからは初めてです。
ゴルフ場は維持管理が大変で、農薬散布が当たり前、そのことにより土壌汚染や河川汚染など、下流の人たちにとっては悩みの種となって、私も90年代ころよく相談を受けました。それで私の短いゴルフ人生もストップしてしまったのです。まあ下手の横付きで一時は夢中でゴルフクラブを振り回していましたね。
今日も何を書こうか浮かばなかったので、ついついこの話題を取り上げたので、すぐ脱線してしまいます。
本題のゴルフ場に里山環境をという点ですが、それはゴルフ場管理者が大変な努力をされていて、しかも会員のゴルファーも支援しているからではないかと思い、その内容と背景を紹介できればと思ったのです。
ゴルフをする人は、あまり自然を堪能しないというと、偏見かもしれません。が、わが国のゴルフ場がそのような作りになっているように思いますし、やはりプレー料金も高いこともあり、ゴルフのスコアとか仕事の付き合いなどのため仕事の話とか、周囲の生態系を愛づる人はあまりいないように思うのです。
ところが番組で紹介された茅ヶ崎のゴルフ場では、フェアウェイのそばに、ウサギが顔を出したり、いろんな野鳥が飛んできたり、たしかトビの巣がありましたか、野生生物がいろいろ登場します。植物はどうだったかあまり覚えていませんが、水辺環境も生態系に配慮したものだったようでしたから、豊かだったのではと思います。
管理者が農薬使用を極力控えたりして、野生生物が棲みやすくしています。その分草刈りが大変ですが、その草刈りも工夫しています。周囲の野草も、本来は茎の根元から刈払するのですが、わざと10㎝くらい残して刈り取っています。するとバッタなど昆虫が生息しやすいわけですね。カエルなんかも卵を産み付けたりできるようにしています。
私自身、毎日のように草刈りをしていましたが、かわいらしい野草があると残したりしていました。でもだいたいがバサッと根元から刈り取っていました。それで昆虫などが減るかどうかわかりませんが、すぐに草が生えてきて、草刈りの方が追いつかないので、そういう場合はそういった配慮がいらないようです。昆虫は一杯でしたね。
ともかく大変な努力と工夫があれば、ゴルフ場もすてきな里山生態系を生み出すことができるんですね。
それに夜間のツアーが紹介されていましたが、会員の皆さん(私のように高齢者ばかりだったようでした)、夜のゴルフ場の生態を観察に出かけていました。里山そのものだと、夜間に入るのは少し危険かもしれませんが、ゴルフ場の中だと、そういったリスクも少なく、安全に昼間とはまったく異なる野生生物の姿を見ることができますね。眠っているトンボとかなかなか見る機会がありませんが、登場していました。当然ながら枝などにぶら下がってじっとして眠っているのですね。眠っているから、近づいても逃げません。そういう昆虫の生態を身近に感じることができるのもすばらしいことですね。
今日はこれにておしまい。また明日。