五月蠅かった(煩かった)オバマ報道に一言・・・
いろいろ云いたいことがあったが、産経新聞の曽野綾子先生記事を一読して胸がすっきりして気分爽快となり、あまり細かいこと(独り言)は云わぬことにした。 そう、どのチャンネルをひねり回しても金太郎飴の如く短髪黒色バリトン声のオバマ米新大統領の報道ばかりに辟易していた我輩。「この度ばかりは何か一言!云ってやろう」と思っていた矢先、曽野綾子先生が、しかも産経新聞にて、バラクオバマ新大統領に対して「物申して・・」おられるから脱帽した。 しかも、御自ら「小説家」と称されて、小説家の真骨頂であるはずの文筆想像世界を以ってして超現実世界の劇事となった米新大統領オバマの世界戦略部分(アフガニスタン侵攻について)について直撃的苦言を呈されているから、やはり、曽野先生はモノカキ世界で超一流且つ哲学思想世界では超々一流であること、再認識する。 どうやら古代キリスト教世界のご認識(学問知識を通り超え、曽野綾子先生的には常識か・・)から紐解かれたこの界隈『中東社会』の政治的難しさと日本を含む民主主義国家との距離感を、正しく認識されている御仁こそ『小説家・曽野綾子先生』なのであって、ここいらは米国大統領補佐官以上の御仁かも、、、。 更に、オバマ大統領の「かつての著作」について触れられ、「世界一級のモノカキを失った、、」とオバマの著書を賞されるから面白い。
ォ畏れながら我輩も、日本国内TV局挙って報道する大統領就任式報道番組を垣間見ていて感じたことあり。 実況TV放映する日本人コメンテーター(と、呼んでいいのか?)達の、単純な昂奮と熱狂ぶりを観ていてガッカリした。 現場の米国ワシントン州では、多くの黒人信奉者及び白人低所得層の渦中に混じって我国の某テレビ局コメンテーターがはしゃいでるから気分が悪くなった。 あれならば、あの放映ならば、わがくにのTV局の報道スタンスとして、まるで日本国が「アメリカ合衆国の属州に成ったか?」と言わんばかりの熱狂振りであった。 ま、60数年間の長きに亘って、独立しているといえども(未だマッカーサー憲法を遵守し改正しようとしない)我国日本はアメリカの属国であったこと、再確認させられた。 さらに此の度のオバマ大統領宣言報道に於いて、しかしここまであからさまに我国の俗臭っぽさ?否、アメリカ合衆国の属州らしき振る舞いをするとは思いもよらなんだ。 オバマ新大統領出現を以って「我国日本の立場」は、哀れな属国からさらに惨めな属州の立場に格下げか? 多くの日本人視聴者の持つ屈辱的感覚を知ってか知らずか、あろうことか、今ようやく(互いに)有色人種であることに気が付いた日本国TV各社は、初の黒人大統領に親しみを感じたのであろうか、余りにも馴れ馴れしく報道するから(TV観ていて)恥ずかしい事この上ない。
何はともあれ、曽野綾子先生の記事書を抜き書きして尚、掲載することをお許しいただきたい、、、。
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<以下、産経新聞(H21.01.23)より>
小さな親切、大きなお世話
― 民主主義と「残りの世界」 ―
by 作家 曽野綾子
この原稿を書いているのは、日付の上でバラク・オバマの第44代大統領就任式の日である。
オバマが就任したとき、麻生太郎首相は「大統領が誰になっても、日米関係は変らない」という意味の発言をした。この粗雑な感覚で発せられた一言は、日米関係の温度を、少なくとも何度か確実に冷やしたと思う。総理は「オバマ氏の若い力の登場を心から祝福したい。日米両国は力を出し合ってこの難局を乗り切ろう。日本は誠実で働き者の国民と高度な産業界の技術を持っている国民なのだから」と言うべきだったと私は思っている。
小説家としての私が一つだけ言いきれることがある。それはアメリカは一人の大統領を得たが、文筆の世界は、優秀なノンフィクション・ライターを失った、ということだ。オバマは、人種問題、アフリカ問題などについて、主観と客観との双方を十分に交えて書くことのできる世界で一流の書き手だと言うことを、その著書の中で示している。それが大統領になってしまったことで、活躍する機会は減ったとみてもよい。
オバマが民主党から大統領候補として指名を受けたとき、日本のマスコミは、世界の政界、財界、ロビイストの中に、オバマとつながりがある人物が極度に少ないことについて危惧(きぐ)を示した。私は人脈を作るという発想をほとんど信じない。人脈というものは情報や利益を得る手段なのだが、使わぬときにだけ初めて確固としてできる。むしろオバマに関する情報の全ては、その自伝『マイ・ドリーム』の中に示されている。
この本は選挙目当てに書かれたものではない。2004年版の前書きに『初めて出版されてから10年という歳月が過ぎた』とあり、「本書を執筆する機会が訪れたのはロースクール時代」であり、この処女出版は「期待と落胆が渦巻く」中で、中間くらいの結果だった。「数ヵ月後、作家としての将来は期待できないと確信した」オバマは元の世界に戻った。
オバマはアフガニスタンに兵力を転換するといっているが、これが大きな失敗の第一歩になるだろう。日本もアフガニスタン問題にだけはかかわってはならない。
なぜなら、アメリカの凋落(ちょうらく)はその理論上の無理が時代とともに明るみに出ただけだからだと私は思う。民主主義だけが絶対の正義で、それ以外の族長支配に頼る「残りの世界」は、テロにまで通じる時代遅れ、人権弾圧の社会だと決めつけたことだ。
私自身も民主主義の落とし子で、その思想を好んでいる。しかし族長支配の世界の思想を敵に回すということは狭量だと思う。
オバマは黒人という血の故に、これからは「一族の要求は聞き入れるべきだ」という族長支配社会の強靭(きょうじん)な理論の攻撃にさらされる。彼らはまた族長社会以外の人々の介入、つまり派兵によって紛争が解決されることなど全く望んでいないどころか、そんなことをすれば長い年月の恨みを後に残すことは目に見えている。彼らは良くも悪くも独自のやり方で数千年間、紛争を続けてきたのだ。
しかしオバマは、アメリカ的な合理精神の中に育った。一族の要求を聞き入れなければ、「残りの世界」の恨みは、オバマへの失望に集中して現れる。それがこれからのドラマだ。(その あやこ)
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バラクオバマ著 マイドリーム、、
ウム、
どうやら一読の価値がありそうだ。
いろいろ云いたいことがあったが、産経新聞の曽野綾子先生記事を一読して胸がすっきりして気分爽快となり、あまり細かいこと(独り言)は云わぬことにした。 そう、どのチャンネルをひねり回しても金太郎飴の如く短髪黒色バリトン声のオバマ米新大統領の報道ばかりに辟易していた我輩。「この度ばかりは何か一言!云ってやろう」と思っていた矢先、曽野綾子先生が、しかも産経新聞にて、バラクオバマ新大統領に対して「物申して・・」おられるから脱帽した。 しかも、御自ら「小説家」と称されて、小説家の真骨頂であるはずの文筆想像世界を以ってして超現実世界の劇事となった米新大統領オバマの世界戦略部分(アフガニスタン侵攻について)について直撃的苦言を呈されているから、やはり、曽野先生はモノカキ世界で超一流且つ哲学思想世界では超々一流であること、再認識する。 どうやら古代キリスト教世界のご認識(学問知識を通り超え、曽野綾子先生的には常識か・・)から紐解かれたこの界隈『中東社会』の政治的難しさと日本を含む民主主義国家との距離感を、正しく認識されている御仁こそ『小説家・曽野綾子先生』なのであって、ここいらは米国大統領補佐官以上の御仁かも、、、。 更に、オバマ大統領の「かつての著作」について触れられ、「世界一級のモノカキを失った、、」とオバマの著書を賞されるから面白い。
ォ畏れながら我輩も、日本国内TV局挙って報道する大統領就任式報道番組を垣間見ていて感じたことあり。 実況TV放映する日本人コメンテーター(と、呼んでいいのか?)達の、単純な昂奮と熱狂ぶりを観ていてガッカリした。 現場の米国ワシントン州では、多くの黒人信奉者及び白人低所得層の渦中に混じって我国の某テレビ局コメンテーターがはしゃいでるから気分が悪くなった。 あれならば、あの放映ならば、わがくにのTV局の報道スタンスとして、まるで日本国が「アメリカ合衆国の属州に成ったか?」と言わんばかりの熱狂振りであった。 ま、60数年間の長きに亘って、独立しているといえども(未だマッカーサー憲法を遵守し改正しようとしない)我国日本はアメリカの属国であったこと、再確認させられた。 さらに此の度のオバマ大統領宣言報道に於いて、しかしここまであからさまに我国の俗臭っぽさ?否、アメリカ合衆国の属州らしき振る舞いをするとは思いもよらなんだ。 オバマ新大統領出現を以って「我国日本の立場」は、哀れな属国からさらに惨めな属州の立場に格下げか? 多くの日本人視聴者の持つ屈辱的感覚を知ってか知らずか、あろうことか、今ようやく(互いに)有色人種であることに気が付いた日本国TV各社は、初の黒人大統領に親しみを感じたのであろうか、余りにも馴れ馴れしく報道するから(TV観ていて)恥ずかしい事この上ない。
何はともあれ、曽野綾子先生の記事書を抜き書きして尚、掲載することをお許しいただきたい、、、。
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<以下、産経新聞(H21.01.23)より>
小さな親切、大きなお世話
― 民主主義と「残りの世界」 ―
by 作家 曽野綾子
この原稿を書いているのは、日付の上でバラク・オバマの第44代大統領就任式の日である。
オバマが就任したとき、麻生太郎首相は「大統領が誰になっても、日米関係は変らない」という意味の発言をした。この粗雑な感覚で発せられた一言は、日米関係の温度を、少なくとも何度か確実に冷やしたと思う。総理は「オバマ氏の若い力の登場を心から祝福したい。日米両国は力を出し合ってこの難局を乗り切ろう。日本は誠実で働き者の国民と高度な産業界の技術を持っている国民なのだから」と言うべきだったと私は思っている。
小説家としての私が一つだけ言いきれることがある。それはアメリカは一人の大統領を得たが、文筆の世界は、優秀なノンフィクション・ライターを失った、ということだ。オバマは、人種問題、アフリカ問題などについて、主観と客観との双方を十分に交えて書くことのできる世界で一流の書き手だと言うことを、その著書の中で示している。それが大統領になってしまったことで、活躍する機会は減ったとみてもよい。
オバマが民主党から大統領候補として指名を受けたとき、日本のマスコミは、世界の政界、財界、ロビイストの中に、オバマとつながりがある人物が極度に少ないことについて危惧(きぐ)を示した。私は人脈を作るという発想をほとんど信じない。人脈というものは情報や利益を得る手段なのだが、使わぬときにだけ初めて確固としてできる。むしろオバマに関する情報の全ては、その自伝『マイ・ドリーム』の中に示されている。
この本は選挙目当てに書かれたものではない。2004年版の前書きに『初めて出版されてから10年という歳月が過ぎた』とあり、「本書を執筆する機会が訪れたのはロースクール時代」であり、この処女出版は「期待と落胆が渦巻く」中で、中間くらいの結果だった。「数ヵ月後、作家としての将来は期待できないと確信した」オバマは元の世界に戻った。
オバマはアフガニスタンに兵力を転換するといっているが、これが大きな失敗の第一歩になるだろう。日本もアフガニスタン問題にだけはかかわってはならない。
なぜなら、アメリカの凋落(ちょうらく)はその理論上の無理が時代とともに明るみに出ただけだからだと私は思う。民主主義だけが絶対の正義で、それ以外の族長支配に頼る「残りの世界」は、テロにまで通じる時代遅れ、人権弾圧の社会だと決めつけたことだ。
私自身も民主主義の落とし子で、その思想を好んでいる。しかし族長支配の世界の思想を敵に回すということは狭量だと思う。
オバマは黒人という血の故に、これからは「一族の要求は聞き入れるべきだ」という族長支配社会の強靭(きょうじん)な理論の攻撃にさらされる。彼らはまた族長社会以外の人々の介入、つまり派兵によって紛争が解決されることなど全く望んでいないどころか、そんなことをすれば長い年月の恨みを後に残すことは目に見えている。彼らは良くも悪くも独自のやり方で数千年間、紛争を続けてきたのだ。
しかしオバマは、アメリカ的な合理精神の中に育った。一族の要求を聞き入れなければ、「残りの世界」の恨みは、オバマへの失望に集中して現れる。それがこれからのドラマだ。(その あやこ)
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どうやら一読の価値がありそうだ。