《あらすじ》
さいわいウンジェの怪我はたいしたことはなかった。
「ユ・ウンジェが痛くて泣いたと思ってる?」
「そりゃそうだろ?」
ウンジェの涙と、ムヨルの優しさに、ジョンヒは何かを感じ取る。
ドンアが傷ついているのを心配して、ウンジェはキム室長に話をしに行く。
ドンアが深刻なことを軽く話すのには理由がある。
うまく言えないけど。
「仲直りしないんですか?」
キム室長に、その気はないらしい。
「危険な状況までをも楽しむ人を受け入れられません」
「楽しんでなんかいません!」
ウンジェは思わず大きな声を出してしまう。
「怖いんです。考えるのが怖いから、
周りにぶちまけることで恐怖を振り払うんです」
両親がなくなった時もそうだった。
彼女が本好きなのは、怖いことがおこっても本の中なら本当じゃないから。
「僕にどうしろと?トラウマなら治療を受けるべきです」
キム室長には、どうにも話が通じない……。
ムヨルがジョンヒを誘って、買い物と食事に出かけるという。
ウンジェとケビン・チャン代表もSPとして同行。
ふたりの親密な様子にしょんぼりするウンジェだが、デパートに着いて狂喜乱舞。
ブルーシーガルズの投手たちの出版記念サイン会が開催されてる!
ムヨルは、彼らに挨拶に行き、ソン・ドンユルとにこやかに挨拶。
うちのSPがファンだと紹介してやる。
もちろん、彼女を元気づけるためにムヨルが計画していたこと。
ウンジェは大喜びで握手にサインに記念写真まで。
それでも最後はジョンヒと並ぶムヨルに、少し寂しげだ。
ジョンヒはムヨルにスニーカーの紐を結んでもらって、お姫様みたい……。
帰宅すると、ジョンヒが唐突に聞いた。
「いつから?」
「へ?」
「いつからムヨルのこと好きなの?」
「何の話?」
「好きなのに告白しないの?」
ウンジェはジョンヒの指輪を見て、結局ごまかしてしまう。
「そんなわけないでしょ」
「そうだよね。好きならとっくに告白してるはず」
ジョンヒは絵の制作に没入していく。
「何よえらそうに。タメ口きいたりしてさ」
ウンジェは戸惑いつつも、ジョンヒのスニーカーをそろえてやった。
コ記者は、キム室長を伴ってユニに会いに行く。
正直に手の内を明かして、協力を求めようという計画だ。
しかしユニは知らぬ存ぜぬを押し通す。
コ記者は、なんとかユニを懐柔しようとするが、ユニの一言でキム室長は
怒りを爆発させてしまう。
「厨房補助の女性が急にやめてしまって忙しいんですよ。帰ってください」
室長は、手元のダスターをつかんでユニの顔をひっぱたいた。
「決闘しよう。この野郎」
コ記者はあわてて室長を止めるが、抑制がきかない。
「それだけか?その女性に対して。急に辞めた?
お前のせいで彼女は、恐怖に震えたんだ!」
コ記者はあわててキム室長を店から連れ出した。
スヨンの母は、美術館のオーナーでもある。
娘を連れて、ジョンヒの様子を見にきた。
「ジョンヒはもう絵を描けないと言ってたわ」
しかし、彼女はまた制作を始めていた。
再オープンの記念に、ジョンヒの個展を開きたいと申し出るスヨンの母。
スヨンは耐えきれず、ひとり席を立ってしまう。
エレベーターで倒れてしまいかけたスヨンは、ムヨルの家政婦スニと出会う。
スニは彼女をムヨルの家に入れ、お茶を出してやり、
寄り添い、彼女の悩みを聞いてやるのだった。
ジョンヒは急にパーティーを思いつき、ムヨルとウンジェと一緒に準備をはじめた。
スーパーに買い出し、ふたりは荷物持ち。
スヨンとドンスを招いて、手料理をふるまう。
お皿洗いはじゃんけんに負けたウンジェと、頼まれた相棒ムヨル。
ふたりの仲の良さを眺めていたジョンヒは、
急にみんなの前でムヨルにきいた。
「パク・ムヨル、わたしたち、もう一度はじめない?
よく考えてから、と思ったけど、そういうの苦手だし。
それになんか、不安だし。
前よりうまくやれそうな気がするの」
ムヨルはウンジェを見やり、どう返事をしようか思いあぐねて……。
その時、急にスヨンの具合が悪くなって病院へ行くことになってしまい、
ムヨルの返事は聞けずじまい。
「あー、緊張した。ムヨルはなんて答えるかな?」
「もう交際中かと思ってた。だって指輪」
「これ?かわいいからしてるだけよ。
もともと返したくなかったし。すごく探したのよ」
なんだか気が抜けて、あきれてしまうウンジェだった。
スヨンのおなかの子は、無事だった。
ドンスは、さっきのジョンヒのことをどうするのか、ムヨルに聞いてみる。
「どうするんだ?男のくせに女性からプロポーズされてさ」
「それは女性差別的な発言だぞ」
ムヨルは、嬉しい反面、戸惑っている。
昔、壁に書いたあの言葉。
俺は君を愛するために生まれた。
「幼稚だけど、本気だった。
赤い糸とか運命の人はジョンヒだと思ってた。
離れていた時も、別れた実感はなかった。
俺とジョンヒが終わるはず無いとなぜか確信してた」
「今は?」
「いざ再会したら、ああ、俺たちは別れていたんだな、と実感した」
ウンジェは、ジョンヒの直球勝負に毒気を抜かれた気分。
彼女は自分の気持ちに正直だ。まるでカウントを気にしない豪腕投手。
「愛って難しいね」
ドンアのところに、キム室長からの連絡はない。
「あんた大丈夫?」
「何が?」
愛情を注ぎすぎると別れる時つらいから、そう言っていたドンアが心配なのだ。
ウンジェは明日、父さんの新しい恋人に会うつもり。
「20年の愛だって変わるってことよ」
でも希望が生まれれば、不安も生じる。
ムヨルとジョンヒは、よりを戻すことになるのだろうか?
会食の席、父親と一緒に現れた母を見て、ウンジェは顔色を変える。
席を立って出て行くウンジェを父は追いかけるが、彼女の問いに答えられない。
「どうして?母さんじゃなきゃだめなの?一生?
裏切られたのに、なんであんな女に!」
泣きながら走り去ったウンジェは、会社のジムでサンドバッグを打ち続けた。
その頃ムヨルも、ジョンヒのプロポーズについて考えていた。
結婚して、子どもが生まれて、幸せな生活……
「一体何が問題なんだよ、パク・ムヨル~!」
思わずウンジェに電話してしまい、ムヨルは会社のジムへ彼女に会いに行く。
「なんで来たのよ。ジムなら球団にも家にもあるでしょ」
「単純なお前を見たら問題が解決するかと思ってさ」
お互い悩みをかかえながら、軽口をたたいているうちに、
結局ボクシングで勝負することに……。
勝負の最中に、ふと気付いてしまうムヨル。
最後のパンチをもらって、気絶してしまった。
勝負に勝ったウンジェは、願い事を聞いてもらえる。
「早く言え!」
彼女の本当の願いは、ムヨルに自分を好きになってもらうこと。
でもそんなことは言えなくて、靴紐を結んでもらうことにする。
ジョンヒが彼にしてもらっていたように、自分も靴紐を結んでほしかった。
片方だけ結んでやって、後は今度な、と言うムヨル。
ウンジェは彼の態度の変化には気付かない。
スヨンは、心の平穏を失いつつある。
ジョンヒと自分を比べる母親、身勝手に思えるジョンヒの自由奔放な態度、
夫に理解してほしくても、彼も仕事に慣れようと一生懸命なのに、わがままは言えない。
そんな時、彼女のもとへ手紙が届く。
ジョンヒの目がつぶされた写真。
裏には、「悪いのは誰??????????????」と赤い文字で記されていた……。
(つづく)
あ~とうとうスニがスヨンに接触してしまいましたね~。
人の悪意をあやつるのが得意なおばさんです。
悪い人だ。
自分の手は汚さずに、ジョンヒを排除するつもりなんですね。
私は、ジンさん好きなので、どうしてもスヨンさん好きになれませんでしたけれども、
実はこないだから、ジンさんの言動に少しむかっときていました。
妻は自分のために絵の道をあきらめた、と彼は思っていて、
スヨンが「そうじゃない」って言っても納得しないんですよね。
それで、自分の部屋を妻のアトリエに作り替えちゃう。
これもスヨンにとってはなんか期待されてる感じが、重いわけですよ。
ジンさんがね、結局いい人すぎんだよね。
自分の中にある、ムヨルへの嫉妬とか、そういう感情を、
彼はすごくうまく、昇華しているのよね。
「素晴らしい才能に嫉妬だけしていろと言うのか?」みたいに言ってたでしょ。
もちろん嫉妬はある。あるけれど、彼はいい人なんで、そこでぐじぐじしない。
そんな才能は応援してやらなきゃ、守らなきゃ、伸ばしてやらなきゃ、って思う。
だから、妻のどす黒い感情に気付かないのよね~。
スヨンはスヨンで、ジョンヒと比べられるのが嫌で、
才能の無い自分に見切りをつけたけれど、母の愛情を奪われたことも悔しくて、
ジョンヒが素直に自分を慕うことも、実はちょっとうっとおしい。
俺のために……って夫はありがたがって申し訳なく思ってくれているけど、
正直彼のためってのは、自分に対する言い訳でもある。
卑屈な自分を認めたくない。
ジョンヒが絵を辞めたというので、ほっとしていた部分もあった。
でも、絵を辞めたからムヨルの妻に、っていうのも身勝手だと思う。
序盤にちらっとジンさんが言ってましたけど、
スヨンはムヨルのこと、好きだったと思うんですよね。
でも彼は、後輩のジョンヒに惹かれた。
自分から、母親も、好きな人も、絵も、何もかも奪ったジョンヒ。
自分はいつも我慢しているのに、自由に生きて、周りを心配させ、振り回し、
いつもみんなに守られて、お姫様みたいに暮らして、才能もあって……。
そりゃムカつくよね~!
ジンさんがあまりにもいい人なんで、
自分のドロドロの感情を表に出すこともできないと思うんですよ、スヨンは。
言ってもわかってくれそうにないし、
汚い自分を軽蔑されたらどうしようと思うし。
なんか気の毒だよね……。
スヨンさんのこと嫌ってたけど、そんな風に思えてきちゃって……。
決定的に彼女に同情したのは、ジョンヒの絵を見た瞬間ですね。
なんじゃこりゃー!
いや~、まだ下絵だとは思うんだけどさー。
すごいすごいって言われてたジョンヒの絵を初めて目の当たりにするのか、と
期待していた私にとっては、がっかりもいいところですよ。
いや~、これから加筆されてどんどんよくなっていくはずなんだけど、
なんかもうちょっと完成形に近づいた時点で見せてくださいよ……。
「何か感じるところがあるはずよ」って言われても、
正直なんもねーよ。
あれですか?私が芸術音痴だからですか?
後からもうちょっと加筆されたのも出てきましたけど、あんまり好みじゃなかった。
「魔女の宅急便」で、カラスのデッサンしてた女の子が描いた絵を
初めて見るシーンがあるでしょ?
あれくらいの感動を望む、とは言わないが、もうちょっと「はっ」とさせてほしかったなぁ。
頼みますよ!芸術監督とかいるんでしょ?
美術館館長のスヨン母も、急にたいしたことない人に思えてきた。
こんなのに入れ込んでるような母親なんか、捨てちまえ!スヨン!
あんた、好きなように肖像画描きなさい!
ついでにジンさんも、スヨンの気持ちも知らずにぱくぱくご飯食べて
見当違いないたわりを見せちゃって、なんか腹立ってきた。
好きなのになんかイヤ~。
サスペンス方面は、新たな展開がありそうですね……。
ロマンス方面は、意外にあっさり、ムヨルが開眼。
長いこと離れていて思い続けてきたけれど、
会ってはじめて、自分たちが別れていたことに気付く……というのはなかなか深いな、と。
8年てーのは、それなりに長く、それなりに深い年月ですよね。
しかも、その間、何もなかったわけじゃない。
新しい出会いや生活が、そこにはあったわけですから。
頭を空っぽにして打ち合っているうちに、ムヨルは突然わかってしまったのね。
自分がウンジェを好きなんだって。
ウンジェの方は、そんなムヨルの変化に何も気付いていないけどさ。
仲良くじゃれてるふたりを見て、ジョンヒもそれなりに気付いている様子だし、
彼女がわがままいわなきゃ、そのままうまくいくでしょう。
それとも、またジョンヒが狙われて、ムヨルがついていなくちゃいけない展開?
「俺がいなくちゃこいつはダメなんだ……」って思っちゃうわけ?
う~ん。
お父さんの、ずっと変わらない愛を目の当たりにしてショックなウンジェは
ムヨルの愛が変わったことに、いつ気付くんでしょうね……。
俺はこいつを好きなんだ……ってわかった瞬間。いいわねー、若いって。
久しぶりに、無邪気に闘ったり、いじめあったり、じゃれてるふたりを見られて
楽しかったです。
ソン・ドンユルのサイン会のシーン、かわいかったですねー。
どんなに好きな男が側にいても、こういうときはキャーってなっちゃうのが
女心ですよ~。別物だもん、別物。
いきなりかわいこぶってるウンジェがおかしくてしょうがない。
ムヨルがドンユル君に「こないだはありがとう」みたいにいってたけど、
なんかあったんだっけ?
選手資格剥奪の時に力になってくれたんだっけか?
因縁の相手だったわけだけどねー。
ちなみに、ソン・ドンヨルという、一字違いの野球選手が実在します。
韓国では英雄的存在の選手で、中日ドラゴンズでプレイしていたんですよ。
ウンジェがボクシング上手でびっくりですが、
彼女、アマチュアボクシングでソウル市代表になったことがあるそうじゃないですか。
やっぱり付け焼き刃じゃない動きは自然で、説得力がありますね。
ホント、役者さんは何をやっても自分の糧になるものだわ。
さて気になるキム室長ですが、ドンアのためにむちゃくちゃ怒ってます。
ウンジェの話はちゃんと伝わっていたのね。
顔を手袋で叩いて(今回はダスターですが)決闘しよう、とは古典的ですが……。
切れ者の室長が、女性のためにこんなに感情を揺さぶられ、
後先考えぬ行動に出るとは……。
ドンアも、無理矢理自分の気もちを抑えているみたいだし、
うまくいくといいんですがね……。
次回はサスペンス展開かな-、やっぱり。
犯人もわかったし、結末は予想できそうなので、うまい着地を期待したいところです。
さいわいウンジェの怪我はたいしたことはなかった。
「ユ・ウンジェが痛くて泣いたと思ってる?」
「そりゃそうだろ?」
ウンジェの涙と、ムヨルの優しさに、ジョンヒは何かを感じ取る。
ドンアが傷ついているのを心配して、ウンジェはキム室長に話をしに行く。
ドンアが深刻なことを軽く話すのには理由がある。
うまく言えないけど。
「仲直りしないんですか?」
キム室長に、その気はないらしい。
「危険な状況までをも楽しむ人を受け入れられません」
「楽しんでなんかいません!」
ウンジェは思わず大きな声を出してしまう。
「怖いんです。考えるのが怖いから、
周りにぶちまけることで恐怖を振り払うんです」
両親がなくなった時もそうだった。
彼女が本好きなのは、怖いことがおこっても本の中なら本当じゃないから。
「僕にどうしろと?トラウマなら治療を受けるべきです」
キム室長には、どうにも話が通じない……。
ムヨルがジョンヒを誘って、買い物と食事に出かけるという。
ウンジェとケビン・チャン代表もSPとして同行。
ふたりの親密な様子にしょんぼりするウンジェだが、デパートに着いて狂喜乱舞。
ブルーシーガルズの投手たちの出版記念サイン会が開催されてる!
ムヨルは、彼らに挨拶に行き、ソン・ドンユルとにこやかに挨拶。
うちのSPがファンだと紹介してやる。
もちろん、彼女を元気づけるためにムヨルが計画していたこと。
ウンジェは大喜びで握手にサインに記念写真まで。
それでも最後はジョンヒと並ぶムヨルに、少し寂しげだ。
ジョンヒはムヨルにスニーカーの紐を結んでもらって、お姫様みたい……。
帰宅すると、ジョンヒが唐突に聞いた。
「いつから?」
「へ?」
「いつからムヨルのこと好きなの?」
「何の話?」
「好きなのに告白しないの?」
ウンジェはジョンヒの指輪を見て、結局ごまかしてしまう。
「そんなわけないでしょ」
「そうだよね。好きならとっくに告白してるはず」
ジョンヒは絵の制作に没入していく。
「何よえらそうに。タメ口きいたりしてさ」
ウンジェは戸惑いつつも、ジョンヒのスニーカーをそろえてやった。
コ記者は、キム室長を伴ってユニに会いに行く。
正直に手の内を明かして、協力を求めようという計画だ。
しかしユニは知らぬ存ぜぬを押し通す。
コ記者は、なんとかユニを懐柔しようとするが、ユニの一言でキム室長は
怒りを爆発させてしまう。
「厨房補助の女性が急にやめてしまって忙しいんですよ。帰ってください」
室長は、手元のダスターをつかんでユニの顔をひっぱたいた。
「決闘しよう。この野郎」
コ記者はあわてて室長を止めるが、抑制がきかない。
「それだけか?その女性に対して。急に辞めた?
お前のせいで彼女は、恐怖に震えたんだ!」
コ記者はあわててキム室長を店から連れ出した。
スヨンの母は、美術館のオーナーでもある。
娘を連れて、ジョンヒの様子を見にきた。
「ジョンヒはもう絵を描けないと言ってたわ」
しかし、彼女はまた制作を始めていた。
再オープンの記念に、ジョンヒの個展を開きたいと申し出るスヨンの母。
スヨンは耐えきれず、ひとり席を立ってしまう。
エレベーターで倒れてしまいかけたスヨンは、ムヨルの家政婦スニと出会う。
スニは彼女をムヨルの家に入れ、お茶を出してやり、
寄り添い、彼女の悩みを聞いてやるのだった。
ジョンヒは急にパーティーを思いつき、ムヨルとウンジェと一緒に準備をはじめた。
スーパーに買い出し、ふたりは荷物持ち。
スヨンとドンスを招いて、手料理をふるまう。
お皿洗いはじゃんけんに負けたウンジェと、頼まれた相棒ムヨル。
ふたりの仲の良さを眺めていたジョンヒは、
急にみんなの前でムヨルにきいた。
「パク・ムヨル、わたしたち、もう一度はじめない?
よく考えてから、と思ったけど、そういうの苦手だし。
それになんか、不安だし。
前よりうまくやれそうな気がするの」
ムヨルはウンジェを見やり、どう返事をしようか思いあぐねて……。
その時、急にスヨンの具合が悪くなって病院へ行くことになってしまい、
ムヨルの返事は聞けずじまい。
「あー、緊張した。ムヨルはなんて答えるかな?」
「もう交際中かと思ってた。だって指輪」
「これ?かわいいからしてるだけよ。
もともと返したくなかったし。すごく探したのよ」
なんだか気が抜けて、あきれてしまうウンジェだった。
スヨンのおなかの子は、無事だった。
ドンスは、さっきのジョンヒのことをどうするのか、ムヨルに聞いてみる。
「どうするんだ?男のくせに女性からプロポーズされてさ」
「それは女性差別的な発言だぞ」
ムヨルは、嬉しい反面、戸惑っている。
昔、壁に書いたあの言葉。
俺は君を愛するために生まれた。
「幼稚だけど、本気だった。
赤い糸とか運命の人はジョンヒだと思ってた。
離れていた時も、別れた実感はなかった。
俺とジョンヒが終わるはず無いとなぜか確信してた」
「今は?」
「いざ再会したら、ああ、俺たちは別れていたんだな、と実感した」
ウンジェは、ジョンヒの直球勝負に毒気を抜かれた気分。
彼女は自分の気持ちに正直だ。まるでカウントを気にしない豪腕投手。
「愛って難しいね」
ドンアのところに、キム室長からの連絡はない。
「あんた大丈夫?」
「何が?」
愛情を注ぎすぎると別れる時つらいから、そう言っていたドンアが心配なのだ。
ウンジェは明日、父さんの新しい恋人に会うつもり。
「20年の愛だって変わるってことよ」
でも希望が生まれれば、不安も生じる。
ムヨルとジョンヒは、よりを戻すことになるのだろうか?
会食の席、父親と一緒に現れた母を見て、ウンジェは顔色を変える。
席を立って出て行くウンジェを父は追いかけるが、彼女の問いに答えられない。
「どうして?母さんじゃなきゃだめなの?一生?
裏切られたのに、なんであんな女に!」
泣きながら走り去ったウンジェは、会社のジムでサンドバッグを打ち続けた。
その頃ムヨルも、ジョンヒのプロポーズについて考えていた。
結婚して、子どもが生まれて、幸せな生活……
「一体何が問題なんだよ、パク・ムヨル~!」
思わずウンジェに電話してしまい、ムヨルは会社のジムへ彼女に会いに行く。
「なんで来たのよ。ジムなら球団にも家にもあるでしょ」
「単純なお前を見たら問題が解決するかと思ってさ」
お互い悩みをかかえながら、軽口をたたいているうちに、
結局ボクシングで勝負することに……。
勝負の最中に、ふと気付いてしまうムヨル。
最後のパンチをもらって、気絶してしまった。
勝負に勝ったウンジェは、願い事を聞いてもらえる。
「早く言え!」
彼女の本当の願いは、ムヨルに自分を好きになってもらうこと。
でもそんなことは言えなくて、靴紐を結んでもらうことにする。
ジョンヒが彼にしてもらっていたように、自分も靴紐を結んでほしかった。
片方だけ結んでやって、後は今度な、と言うムヨル。
ウンジェは彼の態度の変化には気付かない。
スヨンは、心の平穏を失いつつある。
ジョンヒと自分を比べる母親、身勝手に思えるジョンヒの自由奔放な態度、
夫に理解してほしくても、彼も仕事に慣れようと一生懸命なのに、わがままは言えない。
そんな時、彼女のもとへ手紙が届く。
ジョンヒの目がつぶされた写真。
裏には、「悪いのは誰??????????????」と赤い文字で記されていた……。
(つづく)
あ~とうとうスニがスヨンに接触してしまいましたね~。
人の悪意をあやつるのが得意なおばさんです。
悪い人だ。
自分の手は汚さずに、ジョンヒを排除するつもりなんですね。
私は、ジンさん好きなので、どうしてもスヨンさん好きになれませんでしたけれども、
実はこないだから、ジンさんの言動に少しむかっときていました。
妻は自分のために絵の道をあきらめた、と彼は思っていて、
スヨンが「そうじゃない」って言っても納得しないんですよね。
それで、自分の部屋を妻のアトリエに作り替えちゃう。
これもスヨンにとってはなんか期待されてる感じが、重いわけですよ。
ジンさんがね、結局いい人すぎんだよね。
自分の中にある、ムヨルへの嫉妬とか、そういう感情を、
彼はすごくうまく、昇華しているのよね。
「素晴らしい才能に嫉妬だけしていろと言うのか?」みたいに言ってたでしょ。
もちろん嫉妬はある。あるけれど、彼はいい人なんで、そこでぐじぐじしない。
そんな才能は応援してやらなきゃ、守らなきゃ、伸ばしてやらなきゃ、って思う。
だから、妻のどす黒い感情に気付かないのよね~。
スヨンはスヨンで、ジョンヒと比べられるのが嫌で、
才能の無い自分に見切りをつけたけれど、母の愛情を奪われたことも悔しくて、
ジョンヒが素直に自分を慕うことも、実はちょっとうっとおしい。
俺のために……って夫はありがたがって申し訳なく思ってくれているけど、
正直彼のためってのは、自分に対する言い訳でもある。
卑屈な自分を認めたくない。
ジョンヒが絵を辞めたというので、ほっとしていた部分もあった。
でも、絵を辞めたからムヨルの妻に、っていうのも身勝手だと思う。
序盤にちらっとジンさんが言ってましたけど、
スヨンはムヨルのこと、好きだったと思うんですよね。
でも彼は、後輩のジョンヒに惹かれた。
自分から、母親も、好きな人も、絵も、何もかも奪ったジョンヒ。
自分はいつも我慢しているのに、自由に生きて、周りを心配させ、振り回し、
いつもみんなに守られて、お姫様みたいに暮らして、才能もあって……。
そりゃムカつくよね~!
ジンさんがあまりにもいい人なんで、
自分のドロドロの感情を表に出すこともできないと思うんですよ、スヨンは。
言ってもわかってくれそうにないし、
汚い自分を軽蔑されたらどうしようと思うし。
なんか気の毒だよね……。
スヨンさんのこと嫌ってたけど、そんな風に思えてきちゃって……。
決定的に彼女に同情したのは、ジョンヒの絵を見た瞬間ですね。
なんじゃこりゃー!
いや~、まだ下絵だとは思うんだけどさー。
すごいすごいって言われてたジョンヒの絵を初めて目の当たりにするのか、と
期待していた私にとっては、がっかりもいいところですよ。
いや~、これから加筆されてどんどんよくなっていくはずなんだけど、
なんかもうちょっと完成形に近づいた時点で見せてくださいよ……。
「何か感じるところがあるはずよ」って言われても、
正直なんもねーよ。
あれですか?私が芸術音痴だからですか?
後からもうちょっと加筆されたのも出てきましたけど、あんまり好みじゃなかった。
「魔女の宅急便」で、カラスのデッサンしてた女の子が描いた絵を
初めて見るシーンがあるでしょ?
あれくらいの感動を望む、とは言わないが、もうちょっと「はっ」とさせてほしかったなぁ。
頼みますよ!芸術監督とかいるんでしょ?
美術館館長のスヨン母も、急にたいしたことない人に思えてきた。
こんなのに入れ込んでるような母親なんか、捨てちまえ!スヨン!
あんた、好きなように肖像画描きなさい!
ついでにジンさんも、スヨンの気持ちも知らずにぱくぱくご飯食べて
見当違いないたわりを見せちゃって、なんか腹立ってきた。
好きなのになんかイヤ~。
サスペンス方面は、新たな展開がありそうですね……。
ロマンス方面は、意外にあっさり、ムヨルが開眼。
長いこと離れていて思い続けてきたけれど、
会ってはじめて、自分たちが別れていたことに気付く……というのはなかなか深いな、と。
8年てーのは、それなりに長く、それなりに深い年月ですよね。
しかも、その間、何もなかったわけじゃない。
新しい出会いや生活が、そこにはあったわけですから。
頭を空っぽにして打ち合っているうちに、ムヨルは突然わかってしまったのね。
自分がウンジェを好きなんだって。
ウンジェの方は、そんなムヨルの変化に何も気付いていないけどさ。
仲良くじゃれてるふたりを見て、ジョンヒもそれなりに気付いている様子だし、
彼女がわがままいわなきゃ、そのままうまくいくでしょう。
それとも、またジョンヒが狙われて、ムヨルがついていなくちゃいけない展開?
「俺がいなくちゃこいつはダメなんだ……」って思っちゃうわけ?
う~ん。
お父さんの、ずっと変わらない愛を目の当たりにしてショックなウンジェは
ムヨルの愛が変わったことに、いつ気付くんでしょうね……。
俺はこいつを好きなんだ……ってわかった瞬間。いいわねー、若いって。
久しぶりに、無邪気に闘ったり、いじめあったり、じゃれてるふたりを見られて
楽しかったです。
ソン・ドンユルのサイン会のシーン、かわいかったですねー。
どんなに好きな男が側にいても、こういうときはキャーってなっちゃうのが
女心ですよ~。別物だもん、別物。
いきなりかわいこぶってるウンジェがおかしくてしょうがない。
ムヨルがドンユル君に「こないだはありがとう」みたいにいってたけど、
なんかあったんだっけ?
選手資格剥奪の時に力になってくれたんだっけか?
因縁の相手だったわけだけどねー。
ちなみに、ソン・ドンヨルという、一字違いの野球選手が実在します。
韓国では英雄的存在の選手で、中日ドラゴンズでプレイしていたんですよ。
ウンジェがボクシング上手でびっくりですが、
彼女、アマチュアボクシングでソウル市代表になったことがあるそうじゃないですか。
やっぱり付け焼き刃じゃない動きは自然で、説得力がありますね。
ホント、役者さんは何をやっても自分の糧になるものだわ。
さて気になるキム室長ですが、ドンアのためにむちゃくちゃ怒ってます。
ウンジェの話はちゃんと伝わっていたのね。
顔を手袋で叩いて(今回はダスターですが)決闘しよう、とは古典的ですが……。
切れ者の室長が、女性のためにこんなに感情を揺さぶられ、
後先考えぬ行動に出るとは……。
ドンアも、無理矢理自分の気もちを抑えているみたいだし、
うまくいくといいんですがね……。
次回はサスペンス展開かな-、やっぱり。
犯人もわかったし、結末は予想できそうなので、うまい着地を期待したいところです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます