雑記帳(新居)

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オランダグランプリ初優勝

2007-08-27 02:22:05 | バレーボール
オランダグランプリ優勝!!おめでとうございます!!!

土曜日のポーランド戦も勝って王手をかけていたオランダ、結局決勝ラウンド全勝で自力で優勝を決めた。最終日のロシア戦、オランダが勝てば開催国中国に優勝の可能性がなくなる。当然ながら、会場はまともにアウェーの雰囲気だ。それも跳ね返した。このロシア戦は、ミスが多く出たチームがそのセットを失うというやはりぐたぐたした感じの展開だったけれども、フルセットで振り切った。
オランダ女子は主要な国際大会は初優勝、1995年の欧州選手権優勝以来のビッグタイトル獲得となる。

そして、マノンちゃん(フリール)MVP獲得である。
予選ラウンド後半から決勝ラウンドにかけて、優勝の原動力となった活躍を考えれば、当たり前といえば当たり前である。それでも、開催国の選手から無理矢理MVPを出すなんてばかげたことはしない。それも、中国は決勝R初日にオランダに惜敗した後4連勝で2位、予選Rに比べれば立て直している。
ことバレーボールに限って言えば、日本は、よその国に対して「民度が低い」などと言えるものではない。逆にそのように非難されても仕方がない。

チームがもっとも好調だったのは決勝ラウンド前半の中国戦からブラジル戦にかけてのようだ。
それに比べると、ポーランド戦からはチームの調子は下り坂になっていたように思える。ポーランド戦は、3セットすべて、序盤で一気にリードを奪いながら、サーブレシーブやトスが乱れてあっという間に逆転を許すという展開を繰り返した。第2セットに至っては、8-2オランダリードから11-14ポーランドリードになった。そこから、終盤でブロックが出たり、相手のミスに助けられたりもして再度逆転した。TTO直後にあっさりと4,5連続失点を許す、しかもそこでタイムアウトをなかなか取らないことも気がかりである。全体的な印象として、アビタル監督はタイムアウトを取るのは遅めである。
ロシア戦も、オランダ本来の形で戦ったとは言い難い。オランダはセンター攻撃からリズムを作るチーム、セッターがキムの場合はその傾向はさらに強くなる。しかしこのロシア戦は、センター攻撃の回数自体が少なく、サイドアタッカーの打ち合いを余儀なくされた。ふつうに考えれば、ガモワ・ソコロワ・ゴディナのロシア相手にサイド勝負で勝てるチームなどない。それでも勝った。

オランダは、ブロック得点は必ずしも多い方ではない一方、レシーブは他のヨーロッパチーム以上に鍛えられている。イタリアとかポーランドあたりは、ブロックでもっとシャットをねらいにきているように見える。コーチが日本人で監督アビタル・セリンジャー氏も日本のVリーグでの監督経験があることから、守備面については、日本のバレーとヨーロッパのバレーが融合した部分もあるように見える。

このグランプリ序盤、オランダは正セッターのフレデルスが怪我してしまい、キム・スターレンスが代わりに出場した。しかし結果としては間違いなくそれは幸いした。ここまでできるのなら、なぜもっと早く、もっと多くチャンスを与えなかったのかと思われる。アビタル監督は、選手の起用にしてもタイムアウトの取り方をとっても、ほかの欧州代表チームの監督に比べると「慎重」という印象を受ける。交代できる選手の数が少ないチーム事情もあるのだろうが、このあたりもむしろ日本チームの監督に近いと感じられる。

ワールドグランプリオランダ優勝(2)

2007-08-27 01:01:36 | バレーボール
(注)記事が長くなりすぎたため後で2分割しました。

ワールドグランプリのオランダの全成績を振り返る。
--- 予選ラウンド
X NED[0-3]BRA (20-25, 12-25, 12-25)
X NED[0-3]ITA (22-25, 18-25, 16-25)
O NED[3-0]TPE (25-16, 25-19, 25-13)
X NED[0-3]BRA (23-25, 23-25, 24-26)
O NED[3-2]JPN (25-18, 26-28, 25-20, 25-27, 15-11)
O NED[3-0]TPE (25-15, 25-19, 25-13)
O NED[3-1]CUB (27-25, 25-27, 25-18, 25-20)
O NED[3-2]CHN (25-23, 19-25, 23-25, 25-14, 15-12)
O NED[3-1]USA (25-18, 25-23, 11-25, 25-20)
予選ラウンド5位(6勝3敗)

--- 決勝ラウンド
O NED[3-2]CHN (28-26, 26-24, 23-25, 23-25, 15- 8)
O NED[3-1]ITA (26-24, 22-25, 27-25, 25-16)
O NED[3-2]BRA (19-25, 25-19, 25-23, 23-25, 15- 8)
O NED[3-0]POL (25-22, 25-22, 25-23)
O NED[3-2]RUS (21-25, 25-18, 25-13, 20-25, 15- 8)
最終結果優勝
第1週ははっきり言えば最悪のスタートだったのだ。ブラジルには3セットで44点しかとれずに負け、これまで得意にしていたイタリアにもストレートで負けた。このときは、今年は全くだめなのかと落胆した。予選ラウンド通過さえほぼ絶望だと思った。
それが、第2週の日本戦から決勝ラウンドに至るまでなんと10連勝。
今回グランプリの決勝ラウンドは6チーム1回戦総当たりだから、問答無用で世界トップチームすべてに当たる。この10連勝には、去年の世界選手権の1~7位の全チームに対する勝利(今大会に出場していないセルビアを除く)、同時に歴代の三大大会優勝の全チームに対する勝利を含む。

…これは奇跡という表現でも足りない。
「見たこともないような奇跡は確かに起きた」と、先週の記事で使ってしまった。ポーランドが6連勝で決勝ラウンド進出を確定したときに。それを遙かに超える超特大の快挙が起きるなど、予想もしていなかったから。