気温33℃。本来なら事務所に
滞在したいところだが、大阪での
商談があるので混雑する地下鉄に
乗っている。
幸い隅の座席に座れて、サイド
の窓をふと見たら藪蚊が窓ガラス
にひっついていた。
こちらの存在を気にすることなく
堂々とした態度には小さな姿を
超越した貫禄を感じつつ、一方で
頭の中では雌なのか雄なのか
こちらへ襲いかかることはないのか
と小さな心配を考えようとした矢先
に蚊の姿は既に消えていた。
咄嗟に首をすくめて左右を見渡すが
矢張り蚊の姿は見当たらない。
何だ要らぬ心配をしたと思いきや
私の右腕にしっかりと吸血に
取り掛かっている。左手は躊躇なく
蚊を仕留めた事で決着。
電車も目的地の駅に着いたようだ。
結局は雌だったのか…
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