ぶちょうほうの画(え)日記(一語一画(え))

亭主「ぶちょうほう」の身の周りのいろいろな風物を「画(え)日記」ふうに綴っています。

6/17  ネジバナとともに時間を過ごす。

2020-06-18 09:08:45 | 草花
昨日、暑さが峠を越えた時間を見計らって、ネジバナを見にいって来ました。
その場所は少し離れたところにありますが、道路の中央分離帯で、芝生に覆われた緑の帯が300~400メートルほど続くところです。
このグリーンベルトの両端はそれぞれ車道ですが、緑の帯の中は縁石で仕切られていて至極安全な場所となっていますので、時には草に腹ばいになって撮影したりしました。
コマツナギ ↓

車道脇の法面には、コマツナギの花の蕾が咲き出す準備を整えています。

クサボケ ↓

同じく法面の所々でクサボケの花も見ます。

さて、いよいよネジバナの咲くグリーンベルト内に入って行きます。
ここからはネジバナばかり15連発していきます。
その前に牧野富太郎先生の植物図鑑からネジバナ(図鑑ではもじずり)の記述の概略を引用しておきます。
以下記述概略引用:
357.  も じ ず り(ねじばな)              [らん科]
Spiranthes sinensis Ames
 日本全国の原野の芝地又は田のあぜの草中に多い多年生草本. 高さ15~30㎝
地下には白色多肉の紡錘根が3~4集まっている. 葉は根生で斜開し, 広線形を
し, 淡緑色で尖り全縁, 主脈は凹み葉底は短いさやをしている. 夏に葉間に
10~30cmの茎を1本出し, 淡緑色で丸く, 上部にねじれた穂状の花序を出して
多数の桃紅色の小花を綴り, その様子は大変かれんである. 花軸には子房と共
に立毛がはえる. 花は側向し,鐘形で平開しない. 花被片は卵状披針形, 唇弁
は淡色で倒卵形,上部には広く縁に細かい歯形を刻み,そり返っている. 子房は
楕円体で上部は側向し緑色有毛である. [日本名]捩摺は捩れ摺りの意でシノ
ブモジズリの語に基ずいてこの花がモジレて巻く様を説明した名前である.ネジ
バナはねじれた花序からついた名. [漢名] 盤龍参

引用終了
難しい専門用語がちりばめられている中で、意外に感じたのは「その様子は大変かれんである.」・・・・と図鑑内で感情を吐露していることと、植物名の由来にまで言及している点ですね。大天才の先生は植物だけではなくて、古典文献にも相当造詣が深かったのでしょうね。


♪みちのくのしのぶもぢずり誰ゆゑに 乱れそめにしわれならなくに♪ 河原左大臣  古今集と百人一首にあった歌を添えます。
以下に、このブログで頂いた俳句や、ネット上で見つけた句などを添えていきます。
近写 ↓

もじずりの螺旋階段風に揺れ Craft.SUZUKI(敬称略 以下同じ)


兄弟 ↓

ネジバナや強く巻きたり遠く飛び 縄文人


姉妹 ↓

ねじばなの個性のままにそのままに 亭主駄句


再び近写 ↓

捩花の一本に風旅の僧  加藤三七子


もののはずみ ↓

捩花のもののはづみのねぢれかな 宮津昭彦


ちり~ん ↓

遠ざかる遍路の鈴や捩花 有馬朗人


攀じる ↓



青芝の中なる捩花いっぽんに 背景は消えゆきゆきて夕 吉野裕之


近写に拘る ↓

捩花のまことねぢれてゐたるかな 草間時彦


群舞 ↓



捩花群れ咲くといふほどならず 行方克己


色の淡い花 ↓





昏々と愛捩花に子が生る 栗林千津

捩花を挿し正面を決めにけり 日原傳

一本だけ頂いて家で一輪挿しを楽しもうかとも思いましたが、それも殺生に繋がりそうで、今回は諦めました。
家に戻ったのは夕食時間になっていました。
コメント (12)
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