
最近あまりにも佐藤浩市さんや三浦友和さんをテレビで見かけるので、封切り初日に観に行ってきました。
上田アリオシネマです。

話題になっている映画にも関わらず、上田での観客数はそれほどでもなかったかな。東京では客席が超満員となるような話題の映画でも、長野では空き空き状態という事が良く有るので、映画を観るのであれば長野県、なんて思っちゃっています。

さてこの映画、横山秀夫さんの話題になった小説を原作にしています。と言っても、このお話、実は知らなかったんですね。恥ずかしながら。
でも原作を読んでいなくても引き込まれる内容の映画に仕上がっています。
あえて欠点を言うのなら、登場人物が多すぎる、という事。えっとこの人は、と頭の中で整理するのが大変な状況。また皆さん警察の方なので、着ているものも大して変わりもないので、区別するのも大変。そっちのほうだけ考えていると、ストーリーが解らなくなってしまうし。
そういう事を考えたら、原作を読んで登場人物を整理してから映画を見てみるのも良いと思います。また、原作とこの映画を比べてみるのも面白いのではと思いました。


今回は前編。そのせいか、若干進行がだれているような印象でした。後編は6月11日の封切りという事でしたが、「衝撃のラスト」とかなんとかいろいろと煽っているので、一体どういう内容かと、思わず原作を買い求め一気読みしてしまいました。
その原作とこの映画を比べてみましたが、導入部は映画の方が迫力あります。原作では誘拐事件の内容に関してはそれほどインパクトのある描き方はしていないのではないでしょうか。むしろ主人公は広報官という立場に重きをおいているような印象です。ですが、映画では冒頭に誘拐事件の緊迫したやり取りを持ってきて、一気に観る者の興味を引きつける作り方になっています。

そしてその後に続く、広報官としての主人公の悩みや家族との葛藤、そしてそこに絡んでくる無言電話。この無言電話が事件解決の鍵となってくるんですね。なるほどこういうことだったのか、と最後になって合点が行くサスペンスの王道のようなストーリーです。


今回の前編での一番の見所はというと、誘拐犯を追う場面もそうですが、佐藤浩市さん演ずる三上が記者連中を前にしての演説の部分です。これ、9分間の一気撮りみたいですが、見応え有りました。ここだけでも、佐藤浩市さん、今回のこの映画での演技が、今まで一番素敵ではないでしょうか。
また、ここに至るまでの過程の描き方が、小説よりも映画の方がしっくりきましたし、心が揺さぶられたような印象です。
という事で評価は
🍎🍎🍎
とさせていただきました。
ただ、気になった事が一つ。この映画の舞台は昭和64年なんですが、その頃、録音に使われるのってまだオープンリールのテープレコーダーだったんでしょうか?警察にはもっと性能の良い録音機器ってなかったんでしょうか?
さて、その後編です。原作通りの結末として描かれるのでしょうか。?
原作ではすべてハッピーエンドという訳ではないので、終わり方に若干物足りない印象があります。含みを持たせた終わり方ですね。というか、時間がなくなってしまったので一気に書きました、かのような終わり方。そこをそのまま描くのかしら?それとも?
また、後編に登場するであろう追跡部分をどのように描くのかも楽しみなところでもあります。
「64-ロクヨン- 前編/後編」 予告