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ハンドメイズ・テイル/侍女の物語 -- 絶対に見るべきドラマの一つです。現在、Huluでシーズン2を配信中。

2018-09-06 10:00:50 | 海外ドラマ


 原題:The Handmaid's Tale

Hulu絶賛配信中の話題のネット配信ドラマ。

原作はカナダの文豪、Margaret Atwood (マーガレット・アトウッド)が1985年に発表した小説で、数々の賞に輝いています。いわゆる、ディストピア小説のひとつとも言われています。私も原作を遠い昔に読んだことがありますが、若かったせいか、普通の SF小説のようにしか感じられなく、それほどインパクトがなかったかな。また、キリスト教原理主義なんて私にとっては訳のわからないことだったので、それも興味が持てなかったことの原因の一つになってしまっていました。

が、今回この小説を映像として久しぶりに見た結果、

恐ろしいものを見てしまった

という感想しか浮かびませんでした。

また、こういう内容がドラマとして普通に扱われるのだ、というアメリカの懐の深さを感じた次第。(が、さすがにアメリカでもネット配信。普通のテレビドラマとしての放映は全く無理のようです。やっぱりね。ネット配信のドラマ、恐るべし、です。)
シーズン1は2017年度のエミー賞の数々を受賞しており、今年ももうすぐ発表されるエミー賞にまたノミネートされています。日本では2月にHuluから配信開始。そして現在ははシーズン2を配信しているところです。(アメリカではすでに終了していますが。)

当初はそれほど興味も沸きませんでしたが、なんとなく見てしまったら、今はこのドラマにどハマり中。文字で読むのと映像で見るのではインパクトの度合いが違うと多います。また、1985年からだいぶ年数が経っているので、私の中でもこの小説に対する許容範囲が変わってきたのかもしれません。

キリスト教原理主義とは、

反同性愛、反中絶、反進化論、反イスラム主義、反フェミニズム、ポルノ反対、性教育反対、家庭重視、小さな政府、共和党支持

のような要素を持っているということですが、超短期間のうちに今のアメリカ政府を倒して新しい国を建設する、なんて一体どれくらいのキリスト教原理主義の人がアメリカにいるんかいな、と思ったら、作者のマーガレットに言わせると、この作品の中に書かれていることはアメリカと限らず、すべて世界であったことなんだそう。。彼女自身のこのように言っています。

When I first published the book, some people did the “it could never happen here” thing. “We’re so far along with women’s rights that we can’t go back.” I don’t hear that much anymore*3.

最初にこの本を出版した時、「こんなことは北米では決してありえない」という人がほとんどでした。「女性の権利が尊重されるようになっているから、北米がここまで退化することはありえない」と。でも今のアメリカを見て、そう発言する人は多くありません。


このドラマが今回製作された背景には、今のトランプ政権があるらしい。というのも、今の副大統領マイク・ペンスがキリスト教福音派。教育長官の人もキリスト教福音派で、オバマの時と違って女性閣僚が減ってしまったということ。それに、オバマの時に作られた、職場の賃金平等、安全法がトランプの時に廃止されてしまった。というのも、反女性解放の人たちからトランプは推薦を受けていたから、だということです。この反女性解放の人たち、なんと、キリスト教の立場から男女が平等とかはしなくて良い、女性は低い立場に置いておかないと、結婚もしないし子供も作らなくなるからという主張を持っているのだそう。ということは、トランプもそういう考えの持ち主❓
まさに、このドラマ(小説)のような世の中になってきているのが今のアメリカと言えるのかもしれません。

出産数も減少しているため、近い将来にこの小説のようなことが本当に現実になりそうなアメリカ。
(が、キリスト教原理主義って自分たちの教義を貫くためには、多くの人を殺戮しても良し、となっているんでしょうか❓劇中には人々が撃たれたり、絞首刑のように殺されてしまうシーンが数多くあります。)

そのような恐ろしさもある反面、このドラマ、色が綺麗ですね。侍女たちが着ている制服は赤というよりワイン色に近い色に統一。原作に忠実に描かれており、赤は「出産可能な女性」ということを表しています。頭には翼をかぶっており、この服装の女性が団体で存在している異様さは、言葉では言い表せない。文字を読むより、インパクト大です。それにこの服、一着一着手縫いなんだそう❗️下着もそうなんですって。衣装係の人、すごい❗️司令官の妻たちはピーコックブルー。この色は処女懐胎したマリアの色なんだそう。このピーコックブルーも綺麗です。











シーズン1の冒頭、家族が3人が誰かに追われながら車で逃走するところが描かれていますが、主人公がなぜこのような状況に置かれることになったのかは、その後も断片的にしか語られていないので、全貌は未だ分かりません。シーズン2のepi1に若干多くの時間を割いて、政府が乗っ取られる様子を描いていたので、こうだったのかということがわかってきます。

また、作中なんども「ミラクルで平和なカナダという国」という表現が出てくるので、これには笑ってしまった。なんてったってマーガレットはカナダ出身ですからね。カナダは素晴らしい国なんですと。って、カナダはキリスト教原理主義に染まっていないことがわかります。



このドラマ、シーズン3も決定済みです。来年、かな❓

「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」予告映像

9月5日(水)のつぶやき

2018-09-06 05:55:53 | 海外ドラマ