やがて海へと届く 著:彩瀬まる
図書館からお借りした一冊。恒例の写真、撮り忘れた。
コピーを見て「消えた親友」が、何年か後に戻って来るお話なのかと思って、前情報もなく観た映画。
実は映画の展開がちょっと腑に落ちなかったのだ。よい映画だったのだけど。
エンドロールで、原作が彩瀬まるさんと知ったことで、どんな描写なのか、読んでみようと思ったしだい。
大学入学当初からの友人、真奈とすみれ。
物語は、卒業して、働いている真奈の姿から始まる。
ひとり旅が好きなすみれが、偶々訪れていた先で、東日本大震災に遭遇し、
津波にのみ込まれてしまったらしい。
事あるごとに、ここにいない「すみれ」を呼ぶ真奈。
戻ってくるかもしれない、忘れてはいけない、色んな思いが交錯して、
先に進めない思いが伝わってくる作品でした。
映画では読み取れなかった、真奈の背中を押してくれる出来事と、
その先の真奈の思いや行動が、すみれに届いたんだなって感じる結末。
「やがて海へと届く」その意味を深く感じました。
原作の登場人物と、映画のキャスティングが絶妙。
読みながら映像が重なる感じが、結果よかった。
@ふると