私は、本を読むことはあまり好きではありません。小学校2年の頃,『読みのカード』というものを担任の先生が始め、毎日どの本を何ページから何ページまで読んだか記入していました。先生が生徒に本を好きになってもらいたくて始めたものでしたが、私には逆効果でした。それまで好きだった本を読む事が苦痛になり、泣きながら無理に毎日読んでいたので本嫌いになってしまったのです。次の年から本を読まない子になって、漫画本でさえも読めなくなっていたのです。
大人になった今でも、長い文章があまり好きではないのですが、本は大好き。
読むと言うより見るのが好きと言ったほうがいいかもしれません。…というのも、私の買ってくる本は、雑貨の本、料理の本、お菓子の本、紅茶の本、花の本etc…眺めているだけで楽しい本ばかりです。興味を持ったらとことん同じ分野の本を買い続けます。
本は、私のお菓子の先生でもあるのです。
専門学校も行ったし、お菓子屋さんにも5年間勤めたし、今、お菓子教室を始めるには本だけでは無理な事ですが、私の求めている家庭的で、身近な材料を使ってというものは、専門学校でもお菓子屋さんでも教えてくれません。習ったことのないお菓子もたくさんあります。そんな時、高校生の頃から集めてきたたくさんのお菓子の本を何冊も眺めて、自分なりに工夫して自分のオリジナルレシピが完成するのです。
ひとつのお菓子のレシピを考えるのに5冊前後の本の配合を見比べて、自分なりの配合を作り何度か試作してひとつのレシピを完成させているのです。たくさんのレシピを見たり、作ってみたりしていると、この材料は高価だからとか会津で手に入りにくいからこうしようとか、こうした方がもっと美味しいんじゃないか、こうするともっと家庭でも作りやすくなるとかいろいろ浮かんでくるのです。
何冊も本を眺めていると本場のレシピに近いものがどれかとか、日本人がアレンジを加えたものかとか、作り方のヒントとか…何冊も見ないとわからないことがたくさん見つかってくるのがとてもおもしろく、どんどん本が増えてしまうのです。
嫌いな読み物も興味があることに関しては集中する事ができ、お菓子の歴史や文化、エピソードなどの書かれている本もたくさん持っています。
最近は、自分のレシピも数百にも増えたので、過去のレシピを組み合わせたり参考にして新しいレシピを作る事も多くなりましたが、今もお菓子の本を眺めるのが大好きです。
でも、お菓子の本を買う事はだいぶ減ってきて、今年は紅茶やテーブルセッテングの本をたくさん購入してしまいました。職業病でしょうが、同じような本を何冊も見る事により、本当の意味での紅茶の世界が見えてくるので、一度ハマリ出すと他の本も欲しくなってしますのです。紅茶の本も10年以上前から少しずつは購入してきたのですが、気がつくとけっこうな量になっていましたが、これでもまだ見たい本はたくさんあるのです。(^^;)
眺めているだけでとても楽しい時間が過ごせます。
これだけ本があると、さぞかしすごい知識だろうと思われそうですが…。じっくり読む余裕もないので、活字嫌いの私は短時間で集中することができず、拾い読み状態ですが、写真もたくさんあるので興味があるところをとことん見比べます。
教室のインテリアや手作り雑貨も本を参考にしています。
全て買ってくるわけではなく、図書館も大好き。お菓子の本、紅茶の本、雑貨の本…たくさんあります。パソコンで検索すると図書館の書庫から見たかった本を見つける事もけっこうあります。図書館というと昔は、堅苦しい気がしていましたが、大好きなカントリー雑誌などもあるのでかなり楽しく、何度通っても8冊選ぶのにどれを次回に回すか悩んでしまいます。
古本屋もたくさんできたので、古本屋から興味のある本を格安で購入してくる事もよくあります。
本が嫌いだった私…いまだに小説等の読み物は読みませんが、興味があることからいつの間にか本が大好きになってきたみたいです。