去年11月頃からバターが手に入りにくい状態になっていて、ここ最近はかなり品薄状態になっています。
牛乳の消費者離れによって乳牛酪農を減らし食肉用牛農家を増やすよう、国の政策が取られてしまったためらしいです。
すぐ搾乳できる牛乳の販売には影響が少ないようですが手間のかかるバターとチーズは、かなりのストック不足に陥っているらしく、牛の成長は時間がかかるので数年はバター不足が続きそうです。
それを聞いて「バターがなくなったら、お菓子屋さんは大変だろうな~」と ひとごとのように思ってしまう私ですが、実際になくなったら本当に困るかも…。
でも、地元で手に入りやすい食材で作るお菓子作りにこだわってきた私にとって、ないもの仕方はないとけっこう開き直っています。
…といいつつも、何気に冷凍ストックしなくては。とは思っているのですが。(^^;)
実際、お菓子作りを始めた高校生の頃は、バターなんて高価なものは買えなかったのでバターの変わりに全て無塩マーガリンを使っていました。
バターよりホイップ製が高く、室温でバターより柔らかくなるので、軽くしっとりと仕上がります。パウンドケーキの場合、バターよりコレステロールも少なくふんわり仕上がるので、同じ大きさ(体積)で食べると若干カロリーは低くなります。
でも、問題は添加物。添加物に関しては、バターよりは多いものの、バターにも乳化剤などは入っているので、バターは安全、マーガリンは危険というほどの差はないと思います。(昨年、ニュースになったトランス脂肪酸は気になりますが...)
そうなるとやっぱり、風味。バターの持つ自然の風味はマーガリンの香料ではで出しきれません。バターで作るとプロの味、マーガリンで作るとスーパーのお菓子の味と思ってしまうのは私だけでしょうか。その反面、懐かしい味でもありますが…。
でも、バターが手に入らないならマーガリンを利用してみるのもいいと思います。
他に、ショートニングもパンやパウンドケーキはふんわり、クッキーは、さっくさくに仕上がります。味はないですが食感はオススメです。アメリカのお菓子はショートニングをよく使います。アメリカンクッキー、アメリカンパイなどには、ショートニングを使うと軽く崩れるような食感になるのです。
少ないバターで数多く作りたいなら、マーガリンやショートニングをブレンドしてみるのもおすすめですよ。例えば、50%ブレンドすると軽く風味よくお互いの特徴を少しづつ引き出せることもあります。
業務用にはたくさんのバターの代用品があります。家庭用の製菓用マーガリンよりいいものがたくさんあります。スーパーではあまり見かけませんが、そのうち家庭用の種類も増えてくるんじゃないかなと思います。お菓子用ではありませんが、最近新発売のバターが50%位ブレンドされたマーガリンをみかけました。
もしかしたら、お気に入りのお店のバターケーキもそんな製品を使っている場合もありますので、実は軽いバターケーキの秘密は、バターだけじゃないなんて事も考えられます。
それから、お菓子作りに有塩バターを使ってもかまいません。パイやパンは有塩バターを使った場合も分量の一部の塩を入れた方が食感がよくなりますが、家庭で作るなら有塩バターだけでもそんなに差は感じないと思います。
実際に全ての製品を有塩バターで作っていたお菓子屋さんがあるそうです。しかも、昔からあるお菓子屋さんの隣に、その有塩バターを使うお菓子屋さんが後からできたとか。
その結果、お客さんはほとんど有塩バターのお菓子を買うようになったらしいです。何故って?味が濃いから、今までの味が物足りなくなったと言う話です。
これって、スターバックスコーヒーも同じだと思います。深煎りの濃い味を飲んだら、アメリカンの浅煎りが物足りなくなった結果、アメリカで大ヒットして日本に上陸したのです。
濃い味に慣れすぎるのも困りますが、意外と有塩バターのお菓子もおすすめです。
バターをお菓子に使いたい、という方はとりあえずスーパーでバターを見つけたときには有塩でも無塩でも購入して大切に使ってくださいね。冷凍もできるのでブレンドしたりして長く使えるように工夫してください。