■血統傾向~過去20年■*95年、06年は京都開催

SS産駒が宝塚記念に初出走した96年以降の過去16年で、父SS系は【5-10-8】と、2着回数が1着のちょうど2倍あり、勝ち切れない傾向にあり、99年~05年にかけて7連敗を喫したこともあるのだ。
SS系二代目種牡馬で3着以内に入ったのは、ステイゴールド(2勝)、ダンスインザダーク(2着2回)、スペシャルウィーク(2着2回3着1回)、マーベラスサンデー(2着1回)、アギネスタキオン(3着1回)の計5頭。そのうち複数回3着以内に入っているステイ(98年春天2着)、ダンス(96年菊花賞1着)、スペシャル(98年菊花賞2着・99年春天1着)は、現役時代に菊花賞か春天で連対実績があり、マーベラスサンデーも97年春天で3着に入った。つまり、スタミナが豊富で長距離が得意なSS系が好走する傾向にあるということ。
宝塚記念では、父SS系以外にも、昔から相性の好い血統がいくつか存在する。
・ニジンスキー(NJ)系【0-4-6】*父、母父合計(以下同じ)
90年3着ヤエノムテキ(父ヤマニンスキー)
91年3着タイイーグル(父ノーアテンション)
95年3着エアダブリン(母父NJ)
96年・97年3着ダンスパートナー(母父NJ)
04年2着シルクフェイマス(母父カーリアン)
06年3着バランスオブゲーム(父フサイチコンコルド)
10年・11年2着ブエナビスタ(母父カーリアン)
過去20年で10回も馬券対象になりながら、一度も勝ったことがない。
前出のスペシャル、ダンスの母父はいずれもNJ系で、スペシャル産駒のブエナビスタは「宝塚記念を勝てない」NJ系を自身の中に2本持っていることが災いしてか、10年、11年と2年連続で2着に甘んじた。
今年の出走馬のうち、父か母父にNJ系を持つ馬は見当たらないが、内包している馬は結構いるが、穴人気になりそうなのがフェデラリスト。
母は96年、97年3着のダンスパートナーで、その全兄のエアダブリンは95年3着、全弟のダンスインザダークは02年、03年連続2着のツルマルボーイの父である。「宝塚記念を勝てないダンシングキイ一族」の系譜を受け継ぐフェデラリス。ヒモはあっても頭はない!?
とはいっても、NJ系の血を持っていたら勝てないのかといったら、そうではない。NJ系を内包している馬で宝塚記念を制した馬もいることにはいるのだが、01年メイショウドトウ(母母父NJ)、08年エイシンデピュティ(母母父グリーンダンサー)の2頭のみである。決して宝塚記念と相性が悪いとは言わないが、否、むしろ相性は好い方なのだが、勝ち切れない傾向にあるのも、また確か。
・ノーザンテースト(NT)系【1-3-3】
91年1着メジロライアン(父アンバーシャダイ)
92年2着カミノクレッス(父アンバーシャダイ)
93年2着イクノディクタス(母父NT)
98年3着エアグルーヴ(母父NT)
00年3着ジョービッグバン(母父NT)
06年2着ナリタセンチュリー(母父NT)
08年3着インティライミ(母父NT)
こちらも、10年で7回馬券対象になっている割には1勝止まりと、ニジンスキー系同様に勝ち切れないが、5代内の血統表に目を向けると、ある傾向が浮かび上がる。
それは、直近3年の優勝馬は全てノーザンテーストの血を5代以内に内包しているということ。
09年ドリームジャーニー(父母母父・母母父NT)
10年ナカヤマフェスタ(父母母父NT)
11年アーネストリー(母母父NT)
<ノーザンテースト系内包馬>
オルフェーヴル(父母母父・母母父NT)
ルーラーシップ(母母父NT)
アーネストリー(母母父NT)
ナカヤマナイト(父母母父NT)
ヒットザターゲット(母母母父NT)
・グレイソブリン(GS)系【2-2-4】
94年1着ビワハヤヒデ(父シャルード)
95年3着エアダブリン(父トニービン)
98年3着エアグルーヴ(父トニービン)
04年3着リンカーン(母父トニービン)
05年2着ハーツクライ(母父トニービン)
06年2着ナリタセンチュリー(父トニービン)
10年3着・11年1着アーネストリー(母父トニービン)
ビワヤヒデの父シャルード以外の6頭は、トニービンの血を父か母父に持っている。また、このトニービンは、上のノーザンテースト系と相性が好いようで、エアグルーヴ自身、ナリタセンチュリー自身、そしてアーネストリーの母は、いずれもトニービン×ノーザンテーストの血統構成である。
となると、昨年の覇者アーネストリーとエアグルーヴの仔ルーラーシップに注目しないわけにはいかない。
ちなみに、ヒットザターゲットの母もグレイソブリン系×NTだが、残念ながら母父はトニービンとはラインが異なるタマモクロスである。
・ファイントップ(FT)系【1-3-1】
93年2着イクノディクタス(父ディクタス)
98年2着・99年3着ステイゴールド(母父ディクタス)
02年・03年2着ツルマルボーイ(母父サッカーボーイ)
03年ヒシミラクル(父サッカーボーイ)
相性の好い血統としてノーザンテーストをあげたが、実はNT系は、このファイントップ系と非常に相性が好いのである。
イクノディクタス自身、ステイゴールドの母ゴールデンサッシュ、ステイの伯父サッカーボーイの血統構成は、ファイントップ×ノーザンテースト。となると、ステイ産駒のドリームジャーニー(09年1着)、ナカヤマフェスタ(10年1着)、サッカーボーイ産駒のヒシミラクル、そして母父がサッカーボーイのツルマルボーイは、必然的にFT×NTというニックスを持つことになる。ちなみに、06年3着のバランスオブゲームは、サッカーボーイの甥っ子にあたる。
・ロベルト系【4-1-1】
96年1着マヤノトップガン(父BT)
99年1着グラスワンダー(父シルバーホーク系)
02年1着ダンツフレーム(父BT)
09年2着サクラメガワンダー(父グラスワンダー)
10年3着・11年1着(父グラスワンダー)
着度数の合計では、父SS系に次ぐ4勝をあげているロベルト系。
マヤノトップガンとグラスワンダーの名前でピンときた方もいるかと思うが、実はこのロベルト系というのは、宝塚記念だけではなく暮れのグランプリ有馬記念でも多くの勝ち馬を輩出しているグランプリ血統なのである。
<ロベルト系の春・秋グランプリホース>
ナリタブライアン…94年有馬記念1着
マヤノトップガン…95年有馬記念1着・96年宝塚記念1着
シルクジャスティス…97年有馬記念1着
グラスワンダー…98年、99年有馬記念1着・99年宝塚記念1着
シンボリクリスエス…02年、03年有馬記念1着
出走馬中の父ロベルト系は、ここでも出てきたアーネストリー、スマイルジャック(父BT系タニノギムレット)、モンテクリスエス(父シンボリクリスエス)の3頭で、母父ならば春天馬・ビートブラック(母父BT)がいる。
有馬記念では、ここ最近は勝ち馬が出ていないロベルト系だが、宝塚記念では3年連続で3着以内に入っている勢いに乗ってみる手もある。
・リボー系【2-0-2】
03年3着・04年1着タップダンスシチー(父プレザントタップ)
06年3着バランスオブゲーム(母父アレミロード)
10年1着ナカヤマフェスタ(母父タイトスポット)
字面上では、さほど取り上げる必要がないように見えるが、宝塚記念に限らず、大舞台に強い血統なので取り上げてみた。
2001年の有馬記念。この年の9月11日にアメリカはニューヨーク名物の摩天楼を象徴するワールドトレードセンターに2機の飛行機が突っ込んだのを端に発したアメリカ同時多発テロが発生した。そして、有馬記念ではまさかまさかのマンハッタンカフェ(3番人気)とアメリカンボス(13番人気)がワン・ツーを決め、サイン派以外の競馬オヤジどもは思わず仰け反ってしまったのだが、マンカフェの母父はリボー系ローソサエティーで、アメリカンボスも父キングマンボの母母父が同系プルーヴアウトと、2頭ともリボー系の血を持っていたのだ。そして07年の有馬記念では、母父母父にリボー系グロースタークを持つ9番人気のマツリダゴッホがブッコ抜いた。
宝塚記念でも、リボー系を内包しているBT、グラスワンダー、ダンスインザダーク、エンドスィープ、グラスワンダー、キングズベストなどの活躍が目に付く。
波乱を演出するなら、リボー系内包馬のような気がしてならないのだが、このリボー系内包馬というのは、毎年、結構出走してくるので絞りづらいのがネックなんだよなあ。
と、何やらアレコレと細かいとこまで突っ込んではみたものの、結局、何を狙いたいのかよく分からなくなってきた今年の宝塚記念である。

SS産駒が宝塚記念に初出走した96年以降の過去16年で、父SS系は【5-10-8】と、2着回数が1着のちょうど2倍あり、勝ち切れない傾向にあり、99年~05年にかけて7連敗を喫したこともあるのだ。
SS系二代目種牡馬で3着以内に入ったのは、ステイゴールド(2勝)、ダンスインザダーク(2着2回)、スペシャルウィーク(2着2回3着1回)、マーベラスサンデー(2着1回)、アギネスタキオン(3着1回)の計5頭。そのうち複数回3着以内に入っているステイ(98年春天2着)、ダンス(96年菊花賞1着)、スペシャル(98年菊花賞2着・99年春天1着)は、現役時代に菊花賞か春天で連対実績があり、マーベラスサンデーも97年春天で3着に入った。つまり、スタミナが豊富で長距離が得意なSS系が好走する傾向にあるということ。
宝塚記念では、父SS系以外にも、昔から相性の好い血統がいくつか存在する。
・ニジンスキー(NJ)系【0-4-6】*父、母父合計(以下同じ)
90年3着ヤエノムテキ(父ヤマニンスキー)
91年3着タイイーグル(父ノーアテンション)
95年3着エアダブリン(母父NJ)
96年・97年3着ダンスパートナー(母父NJ)
04年2着シルクフェイマス(母父カーリアン)
06年3着バランスオブゲーム(父フサイチコンコルド)
10年・11年2着ブエナビスタ(母父カーリアン)
過去20年で10回も馬券対象になりながら、一度も勝ったことがない。
前出のスペシャル、ダンスの母父はいずれもNJ系で、スペシャル産駒のブエナビスタは「宝塚記念を勝てない」NJ系を自身の中に2本持っていることが災いしてか、10年、11年と2年連続で2着に甘んじた。
今年の出走馬のうち、父か母父にNJ系を持つ馬は見当たらないが、内包している馬は結構いるが、穴人気になりそうなのがフェデラリスト。
母は96年、97年3着のダンスパートナーで、その全兄のエアダブリンは95年3着、全弟のダンスインザダークは02年、03年連続2着のツルマルボーイの父である。「宝塚記念を勝てないダンシングキイ一族」の系譜を受け継ぐフェデラリス。ヒモはあっても頭はない!?
とはいっても、NJ系の血を持っていたら勝てないのかといったら、そうではない。NJ系を内包している馬で宝塚記念を制した馬もいることにはいるのだが、01年メイショウドトウ(母母父NJ)、08年エイシンデピュティ(母母父グリーンダンサー)の2頭のみである。決して宝塚記念と相性が悪いとは言わないが、否、むしろ相性は好い方なのだが、勝ち切れない傾向にあるのも、また確か。
・ノーザンテースト(NT)系【1-3-3】
91年1着メジロライアン(父アンバーシャダイ)
92年2着カミノクレッス(父アンバーシャダイ)
93年2着イクノディクタス(母父NT)
98年3着エアグルーヴ(母父NT)
00年3着ジョービッグバン(母父NT)
06年2着ナリタセンチュリー(母父NT)
08年3着インティライミ(母父NT)
こちらも、10年で7回馬券対象になっている割には1勝止まりと、ニジンスキー系同様に勝ち切れないが、5代内の血統表に目を向けると、ある傾向が浮かび上がる。
それは、直近3年の優勝馬は全てノーザンテーストの血を5代以内に内包しているということ。
09年ドリームジャーニー(父母母父・母母父NT)
10年ナカヤマフェスタ(父母母父NT)
11年アーネストリー(母母父NT)
<ノーザンテースト系内包馬>
オルフェーヴル(父母母父・母母父NT)
ルーラーシップ(母母父NT)
アーネストリー(母母父NT)
ナカヤマナイト(父母母父NT)
ヒットザターゲット(母母母父NT)
・グレイソブリン(GS)系【2-2-4】
94年1着ビワハヤヒデ(父シャルード)
95年3着エアダブリン(父トニービン)
98年3着エアグルーヴ(父トニービン)
04年3着リンカーン(母父トニービン)
05年2着ハーツクライ(母父トニービン)
06年2着ナリタセンチュリー(父トニービン)
10年3着・11年1着アーネストリー(母父トニービン)
ビワヤヒデの父シャルード以外の6頭は、トニービンの血を父か母父に持っている。また、このトニービンは、上のノーザンテースト系と相性が好いようで、エアグルーヴ自身、ナリタセンチュリー自身、そしてアーネストリーの母は、いずれもトニービン×ノーザンテーストの血統構成である。
となると、昨年の覇者アーネストリーとエアグルーヴの仔ルーラーシップに注目しないわけにはいかない。
ちなみに、ヒットザターゲットの母もグレイソブリン系×NTだが、残念ながら母父はトニービンとはラインが異なるタマモクロスである。
・ファイントップ(FT)系【1-3-1】
93年2着イクノディクタス(父ディクタス)
98年2着・99年3着ステイゴールド(母父ディクタス)
02年・03年2着ツルマルボーイ(母父サッカーボーイ)
03年ヒシミラクル(父サッカーボーイ)
相性の好い血統としてノーザンテーストをあげたが、実はNT系は、このファイントップ系と非常に相性が好いのである。
イクノディクタス自身、ステイゴールドの母ゴールデンサッシュ、ステイの伯父サッカーボーイの血統構成は、ファイントップ×ノーザンテースト。となると、ステイ産駒のドリームジャーニー(09年1着)、ナカヤマフェスタ(10年1着)、サッカーボーイ産駒のヒシミラクル、そして母父がサッカーボーイのツルマルボーイは、必然的にFT×NTというニックスを持つことになる。ちなみに、06年3着のバランスオブゲームは、サッカーボーイの甥っ子にあたる。
・ロベルト系【4-1-1】
96年1着マヤノトップガン(父BT)
99年1着グラスワンダー(父シルバーホーク系)
02年1着ダンツフレーム(父BT)
09年2着サクラメガワンダー(父グラスワンダー)
10年3着・11年1着(父グラスワンダー)
着度数の合計では、父SS系に次ぐ4勝をあげているロベルト系。
マヤノトップガンとグラスワンダーの名前でピンときた方もいるかと思うが、実はこのロベルト系というのは、宝塚記念だけではなく暮れのグランプリ有馬記念でも多くの勝ち馬を輩出しているグランプリ血統なのである。
<ロベルト系の春・秋グランプリホース>
ナリタブライアン…94年有馬記念1着
マヤノトップガン…95年有馬記念1着・96年宝塚記念1着
シルクジャスティス…97年有馬記念1着
グラスワンダー…98年、99年有馬記念1着・99年宝塚記念1着
シンボリクリスエス…02年、03年有馬記念1着
出走馬中の父ロベルト系は、ここでも出てきたアーネストリー、スマイルジャック(父BT系タニノギムレット)、モンテクリスエス(父シンボリクリスエス)の3頭で、母父ならば春天馬・ビートブラック(母父BT)がいる。
有馬記念では、ここ最近は勝ち馬が出ていないロベルト系だが、宝塚記念では3年連続で3着以内に入っている勢いに乗ってみる手もある。
・リボー系【2-0-2】
03年3着・04年1着タップダンスシチー(父プレザントタップ)
06年3着バランスオブゲーム(母父アレミロード)
10年1着ナカヤマフェスタ(母父タイトスポット)
字面上では、さほど取り上げる必要がないように見えるが、宝塚記念に限らず、大舞台に強い血統なので取り上げてみた。
2001年の有馬記念。この年の9月11日にアメリカはニューヨーク名物の摩天楼を象徴するワールドトレードセンターに2機の飛行機が突っ込んだのを端に発したアメリカ同時多発テロが発生した。そして、有馬記念ではまさかまさかのマンハッタンカフェ(3番人気)とアメリカンボス(13番人気)がワン・ツーを決め、サイン派以外の競馬オヤジどもは思わず仰け反ってしまったのだが、マンカフェの母父はリボー系ローソサエティーで、アメリカンボスも父キングマンボの母母父が同系プルーヴアウトと、2頭ともリボー系の血を持っていたのだ。そして07年の有馬記念では、母父母父にリボー系グロースタークを持つ9番人気のマツリダゴッホがブッコ抜いた。
宝塚記念でも、リボー系を内包しているBT、グラスワンダー、ダンスインザダーク、エンドスィープ、グラスワンダー、キングズベストなどの活躍が目に付く。
波乱を演出するなら、リボー系内包馬のような気がしてならないのだが、このリボー系内包馬というのは、毎年、結構出走してくるので絞りづらいのがネックなんだよなあ。
と、何やらアレコレと細かいとこまで突っ込んではみたものの、結局、何を狙いたいのかよく分からなくなってきた今年の宝塚記念である。
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