ぼてマメ日記

息子ぼてと娘マメとの毎日やなんやかやをテキトーにつづります

シリエトク-大地のさきっぽへ・その3

2019年04月06日 | そとあそび
翌日の朝。目覚めてカーテンを開けると、港の防波堤の向こうの海に白い筋が見えます。



あれ?
あれはもしかしてもしかしたら「流氷」?
流氷といえば、海を一面埋め尽くした雪原のような写真しか見たことがありません。
スーッと刷毛で塗ったような白い一筋。

起きてきた家族みんなで大騒ぎ。
でも見たことないものの悲しさで、いやでも今年はもういなくなったって聞いたし、違うんじゃない?なんかちょっと海面が凍ってるだけじゃない?よし、じゃああれを俺たちの流氷ということにしよう。などとくだらないことを言いつつ、朝食を食べに食堂に降りて、我慢できなくて、スタッフの方にきいてみた。

「あれって流氷なんですか?」

流氷でした!
昨日夕方からの寒波と、陸に向かって吹く風のおかげで、見えないくらい沖合まで去っていた氷が戻ってきたらしい。色々な人が声をそろえて「こんなこと、滅多にないんですけど。運がよかったですねー!」

良かったほんとに!
もう見られないと思っていただけに、感動も倍増です。

食後に部屋に戻ると、なんか増えてない…?太くなってない…?気のせい?




さて3日目の今日は、もともとの予定では流氷ウォークの翌日の日。
こちらの「知床のガイド屋さんpikki」さんで半日スノーシューツアーを予約しておりました。
しかし、流氷が行っちゃったため、前日に流氷ウォークの振替でスノーシューをやってしまっていた。前日の様子をお伝えして、ちょっと違う感じでできませんか?と、無理なお願いを。
雪遊びソリ遊びをさせてもらったり、バードウォッチングしたりしながら、昨日とは違うコースをたどり、お昼までの半日を楽しく過ごしました。

こんなのも見つけました。エゾハルゼミというセミの抜け殻。
雪の中で見ると不思議な感じねー。



これはヒグマの爪の跡だって!
ひー!思っていたよりずっと高いところまで跡がある…。
これでボルトよりも走るのも早いっていうんだから、逃げるの無理ですね。無理。




こちらはフレペの滝。
氷瀑の凄まじき造形。



このあたりにも鹿ちゃんたくさんいました。



お天気が良かったので、青空と海と雪原のコントラストが綺麗。
どうして青いんだろう。光の中の青い色調が散乱しやすいからとかいうけど、どうして青だけなんだろう。不思議です。きれい。




帰りにはホテルではなく、気になっていたラーメン屋さん「波飛沫」でおろして頂いてお昼。



いやーうまい。寒かったから余計にしあわせ。



ラーメン屋さんの駐車場から見る海と流氷。
朝より増えてるよね。増えてる。
写真だと単なる雪原に見えるけど、動くんですよこれが。波の動きで動く。
それがもう、なんとも不思議な光景でした。


午後はなんの予定も入れていなかったので、スノーシューの時のスキーウェアのまま、流氷を観察の散歩にでかけました。
まずはホテル裏の漁港へ。
近くまで行ってみる。
氷、でかい。



波のうねりに合わせて、氷の原が動く。
塊と塊がぶつかり合って、きしむ音がする。




ホテルの近くにある、オロンコ岩とよばれる、大きな大きな岩のてっぺんまで登ってみました。
おそろしく急な階段(あとでガイドブック見たら170段もあるらしい。かなりキツイし怖い)をのぼると。



写真には写らない。写らないな。
こんなじゃなかった。もっと、こんなじゃなかった。
語彙が貧困でなんて言ったらいいかわからない。
来て本当に良かった。この景色を見ることができて本当に良かったと思いました。



知床の人は、こうやってだんだん近付いて広くなっていく氷原をみて、その先の春の訪れを思うんだなあ。


ホテルに戻って部屋から見ると、流氷は港をうめてしまって、更に先まで続いていました。







夕食のことを、マルスコイの時の話しか書いていないことに気付いたけど、ホテルでのバイキングも、朝も夜もとてもおいしかった。
よくバイキングにあるようなありきたりなものではなく、少し凝ったもの、そしてできるだけ土地のものをという配慮が感じられたりして。
鹿肉の燻製やアイヌネギ(行者ニンニク)なんてものも。そして何より鮭!(斜里は鮭の漁獲高が十数年連続で日本一なんだそうです)。あっぺメシとか美味しかった…。毎日食べ過ぎて大変でした。
この日の晩は、連泊最終日だったこともあったのか、料理長のサービスとかで、バイキングには無い蟹の茶わん蒸しを頂きました。美味しかったです。ご馳走様でした。

留寿都行った時も思ったけど。
北海道ってさ。どこにいっても太るよね。美味しいんだもん。


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シリエトク-大地のさきっぽへ・その2

2019年04月05日 | そとあそび


写真は、到着した日のホテルのお部屋からの眺め。
翌日は、流氷ウォークをする予定の日でした。
写真の通り、流氷がいってしまっちゃったので、振り替えのツアーとして、スノーシューを選択。

絶景!知床けもの道スノーシューイング
シンラ(知床自然ガイドツアー株式会社)



今回、春に向けた時期ということもあり、服装かなり悩んだんですが、スノーシューの時の自分はこんな感じ。
・インナーにジオラインの長袖(ライト)とタイツ(ミドル)
・タートルネックの長袖Tシャツ
・フリースのパーカ
・スキーウェア上下
これに、
・ニット帽子(絶対あった方がいい。暖かさが全然違う)
・スキー手袋
・厚手靴下
・靴はビーンブーツでいけた


ホテルのロビーでガイドさんと合流、知床自然センターまで車で連れて行っていただき、センターの冬の散策コースの横あたりでスノーシューをはいて、いざ出発。


林の中を歩いていきます。



思ったより若い林。
このあたりの森は開拓で一度切られているからだそう。その後に生えてきたり植えたりした木たちなので、そんなに古い森ではないんだって。
五湖や、岬の方の原生林に行くとまた全然違うらしいです。


雪上には、生き物たちの痕跡がそこここに。





ガイドさんが、これはキツネ、これはシカ、リス、と教えて下さいます。慣れてくると特徴が分かってきて面白い。
でも、気配はするけど、実体に出会えないなあ。


海に向かって開けたところに出たとたん!
風が!風が!寒い!寒い!!
林の中って暖かいんだ。。。と思っていたら、シカちゃんがいました!会えたよ実体!



海に開けたところの断崖付近は、この季節雪がとばされたり溶けたりで草が早くから生えてきているので、シカがたくさん集まるそうです。

1頭見えるようになると、そこここにいるのに気が付くようになる不思議。
ジッと見ていると、時々片脚がズボッとはまってバランスを崩すのがかわいい。




これは男の涙と呼ばれる滝のあたりです。
双眼鏡でみると水しぶきが凍ってすごい造形。なぜあんな色になるんだろう。



遠くに見えるのが、いわゆる知床の岬らしい。つきでた半島のさきっぽ。



この後また林の中を歩いていて、クマの痕跡らしきものをガイドさんが発見してドキドキしましたが、お会いはしませんでした。
もう起きてるんだ。。。会わなくて良かった。。。




アイヌの伝統的な世界観では、自然のありとあらゆるものはカムイ(神さま)なんだそうです。北方民族博物館や世界遺産センターでも解説がありましたが、八百万の神の考え方と通じるものがありますね。

ヒグマは、キムンカムイ(山の神)が人間の世界にやってくる時の姿。
シマフクロウは村を守る神さまで、コタンコロカムイ。海の神さまはシャチで、レプンカムイ。
ボテは熱心に覚えていました。そういえば彼は沖縄の時も、向こうの方言を一生懸命調べていたね。



神さまを頂き、神さまに殺され、神さまに守られてひとは生きてきたんだな。そしてそれは、スーパーで肉や魚を買うような今でも、きっと同じことなんだろうな。
自分もその森羅万象の中のいちパーツであることがじんわり感じられるように思いました。



そんな真面目っぽいことを書いたけど!
スノーシューすんだ後、ガイドさんがホテルまで送ってくれるというのを良いことに、

じゃあマルスコイのとこまで連れて行ってもらって良いですか!?

って連れて行ってもらって、苦しくなるまで食べ放題したのは我が家です!
マルスコイすごかった。

そして食べ終わってからフロントでタクシーを呼んでもらおうとしたら「ウトロにはこの時間タクシーもういないんですよ」

!!!
どうやって戻ろう?!歩き?この氷点下の中この雪の坂道を?!
ピーンチ!!

一瞬ものすごく血の気がひきましたが、第一ホテルのフロントさんが私たちのホテルのフロントさんに連絡を入れて下さって、お迎えにきて頂けました。。。ありがとうございます。。。本当に助かりました。。。
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