義父がICUに入って数日後、妻と見舞いに行った。ほんの僅かに開いた目は力なくうつろだった。
「私たちの事、分かるのかなあ」と妻が言うと、看護婦さんは「耳は聞こえている場合もあるので声をかけてあげて下さい」と言った。
妻は「お父ちゃん、起きてやー!」「目を覚ましてやー!」と涙ながら何度も何度も声をかけた。そして私に「アンタ、お父さんに何か喋り」と言うが胸が詰まって言葉が出ず、ただただ手を握るだけで精一杯だった。
私より小柄なお義父さんの手が腫れて私よりかなり大きな手になっていた。少し熱かったので看護婦さんに尋ねると「朝は38.3度で今は37.6度」とのこと。
「手術する前までは元気に自転車に乗ってあちこち行っていたのに…」「家にお風呂があるのに風呂仲間と将棋をしに風呂屋に行ってたのに…」「孫やひ孫の顔を見に姉の家へ行ってたのに…」
元気だった義父が手術してから意識が無い状態になり、妻は「なんで、こないなったん」と看護婦を責めるように無念の気持ちをぶつけた。
だが帰り際に「看護婦さんには責任は無いけど、何か言わないとはち切れそうな気持ちの持っていきようがないねん。ごめんね」と妻は謝った。
そして「今度来る時は今日よりも良うなったらエエのになあ」とキセキを願いながら妻と病院を後にした。
「私たちの事、分かるのかなあ」と妻が言うと、看護婦さんは「耳は聞こえている場合もあるので声をかけてあげて下さい」と言った。
妻は「お父ちゃん、起きてやー!」「目を覚ましてやー!」と涙ながら何度も何度も声をかけた。そして私に「アンタ、お父さんに何か喋り」と言うが胸が詰まって言葉が出ず、ただただ手を握るだけで精一杯だった。
私より小柄なお義父さんの手が腫れて私よりかなり大きな手になっていた。少し熱かったので看護婦さんに尋ねると「朝は38.3度で今は37.6度」とのこと。
「手術する前までは元気に自転車に乗ってあちこち行っていたのに…」「家にお風呂があるのに風呂仲間と将棋をしに風呂屋に行ってたのに…」「孫やひ孫の顔を見に姉の家へ行ってたのに…」
元気だった義父が手術してから意識が無い状態になり、妻は「なんで、こないなったん」と看護婦を責めるように無念の気持ちをぶつけた。
だが帰り際に「看護婦さんには責任は無いけど、何か言わないとはち切れそうな気持ちの持っていきようがないねん。ごめんね」と妻は謝った。
そして「今度来る時は今日よりも良うなったらエエのになあ」とキセキを願いながら妻と病院を後にした。
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