ふたつの頭を持つ赤ちゃんカメ フロリダの海を目指す 生き残れるか?
米フロリダ州の砂浜で今月15日、ウミガメの孵化について調査している大学のインターン実習生が、ふたつの頭を持つ孵化したばかりの赤ちゃんウミガメを発見した。
このウミガメを見つけたのは、セントラル・フロリダ大学でウミガメの生態調査を研究するグループの実習生、リー・リッテンバーグさん。
フロリダ州は、絶滅が危惧されているアカウミガメの産卵地。同グループが30年以上にわたって調査を続けている、その名も「タートル・ベイ」の野生保護地域では、40キロ以上にわたる海岸線沿いで1万2000匹以上の巣穴が確認されている。
アカウミガメが砂浜周辺に産卵し、海に戻っていくのは初夏から夏にかけて。8月15日ともなれば、ほとんどの卵が孵化を終えて海へ戻ってしまうため、リーさんたちが赤ちゃんカメに出会うことは滅多にないが、カラになった巣穴を調べていたときに足元の砂がモゾモゾと動くのを見つけて驚いた。
頭がふたつある!…急いでカメラとビデオで双頭のカメの姿を撮ると、元気そうに見えたので海へ離してやったという。
生徒からの報告を受けた指導教官のケイト・マンスフィールド氏は、「なんらかの原因による発育異常です。以前にも双頭のアカウミガメの赤ちゃんが見つかっていますが、CTスキャンした結果、骨盤の中央の仙骨でつながっていることが明らかになりました」と話している。
今は元気に見える双頭の赤ちゃんカメだが、生き延びられるチャンスは非常に低い。そもそも、ウミガメが性的に成熟するのは30年くらいかかり、産卵した卵の中から子供が生存する確率は0.02%などといわれている。まして、近年ではビニールやプラスチックゴミの不法投棄、産卵地の破壊などで生息数は減少しているからだ。