冠雪のメキシコ富士で爆発的噴火5回 火山性地震M2.9「活発化で氷河消滅」
メキシコで25日、首都近郊に位置するポポカテペトル山で5回の爆発的噴火が観測された。標高5426メートルのメキシコ富士は、6月でも真っ白な雪をかぶっている。
首都メキシコシティから南東約70キロに位置するポポカテペトル山は、古いアステカ語で「煙を吐く山」という意味で、メキシコ人には「エル・ポポ」の愛称で親しまれている。
かつては氷河を持つ火山としても知られていたが、1990年代以降、地球温暖化と火山活動の活発化によって、氷河は次第に縮小。2000年12月の巨大爆発は、過去1200年で最大規模と言われ、周辺住民約5万人が避難し、このときの噴火で氷河は完全に失われた。その後も2012年以降、ほぼ毎年のように活発な火山活動が観測されている。
同国防災機関(CENAPRED)によると、現地時間25日には午後3時半ごろから未明にかけて、5回の爆発的噴火が発生。火山性地震は、24時間以内で20回観測され、そのうち最大の地震はマグニチュード(M)2.9だった。
周辺の自治体では火山灰が飛散し、大雨が降ると火山堆積物が水を含んで火砕流や火山泥流、土石流などを起こすおそれがあるとして、警戒レベルを3段階のうち危険度が2番目に高い黄色を発令し、警戒を呼びかけている。