アトリエ ここるぴあ

和紙作家 佐治直子のブログです。キンカチョウのことりたちと、工房『アトリエここるぴあ』での出来事を綴ります。

大切な本を作るために

2016年06月17日 | 作る
すっかり合言葉のようになってしまった一人茶番劇
でも、それを笑ってくれる周りの友人のおかげで、なんかそれもいいかなって
思えるようになりました。それしかできんし、自分なりに一生懸命なのは
間違いないから。

それが、伝わる人には伝わる。それでいいかなって

三越の展示のことで母のお世話を父に任せっぱなしだったけど、その父も母も
私のことを心配しながらも一生懸命やっていることを静かに見守っていてくれる。

 本当に、ありがたいですな

昨日は三越にお越しいただいた方の紹介で、私に本を作ってほしいという方の
お話を聞きに豊田に行ってきました。

住宅街にひっそりと佇む築230年の古民家で、美味しいお茶をいただける
「静楽舎」というところで、煎茶をいただきながらお話をしました。
紹介してくださったそこのオーナーさんが、三越から帰られた後、私の和紙の
本のことをその方にお話され、まだお会いしてないのに、まだサンプルなども
ご覧になっていないのに「素敵な本を作ってもらうの」って周りの方に、
お話されていたそいうで、こちらが恐縮してしまうぐらいでした

樋口一葉の『十三夜』を朗読用に、もちろんすべて私の和紙を使って作ります。

初めてお会いしたのに、少しの打ち合わせで全面的に私にお任せしてくださる。

むしろ恐縮して、また言わなくてもいいのに、私が、自分が親泣かせで~くよくよ
しがちで~がんばってるつもりでも空回りで~とか余計なことを言いつつも、
「でもいつか自分がいなくなっても、私が作ったあかりがどこかで灯っていたり、
 私が作った本が誰かの手の中で開かれていたらいいなと思います」と言ったら、
「もちろん、そうですよ。その本は私(わたくし)の宝物になりますから、
 私がいなくなったあとも娘に宝物として伝わっていきますよ」と
言ってくださいました。「急ぎませんから。楽しみにしています」と。

こんなことってある?って感動!その方の大切な宝物を作らせてもらえるなんて。
良いものを作りたい!って強く思いました。

和紙を通じて、作ることを通じて、そういった小さい、いや大きいかな?
そういったできごとが私を少しずつ強くしてくれたらいいなと思う。
私が2009年のパリの展覧会の時からいつも頭に浮かんでいる言葉。

「自分にしかできないやるべきことのある幸せ」

昨日、それをまたつぶやきました。

 

コメント
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